乱入者は真ん中に。
勇者の魔王討伐へと向かうパーティが決まり会場はより一層賑やかになった。
「みなさん!私達は明日ここにいる仲間と魔王のもとへと向かいます!!安心してください!私達が必ず魔王たちを仕留めてみせます!!」
ワァァアアキャァアアアキャァアアア
「そして明後日には出発のパレードです!!!」
ワァァアアワァァアアワァァアア
「なにあれ、前見た剣の勇者とは大違い猫かぶり過ぎ。さてと会場をもっと盛り上げてあげようかな。」
・・・
会場の真ん中に急に人が現れた。
「お前はさっき大会に出てたやつだな?何の用だ?」
「そうそう、もう一度自己紹介しておこう。俺はラルノルトだ。魔王様の命令でお前らのことを調べていた。」
「魔王の手先?!」
「たかが6人で魔王様を倒せるつもりとは、はっはっはーーっ!!笑いものだよ!俺でも始末できるわ!!」
「なんだとこの野郎!!」
剣の勇者がボロを出し剣で斬りかかってきた。
「遅いな。」
勇者の剣を片手で掴み、もう片方の手で勇者を投げるように斬りつけ弾き飛ばした。そしてそれに続くように近付いてきていた槍の勇者にこっちから距離を縮め、タイミングをズラして槍を掴みそのまま押し付けスキルを頂いてから弓の勇者の方へと蹴り飛ばした。
弓を構えていた勇者は意表をつかれたような顔をして一瞬動きが止まった。その隙を突いてスキルを頂き顎に一撃加えて気絶させた。そして槍の勇者と弓の勇者の手を持ち、エイブラムの方へと投げつけその隙に魔法使いと僧侶からスキルを頂きエイブラムの方へと向き直った。
「見事な手際だな。」
エイブラムが剣を抜きながらそう言った。
「それはどうもありがとう。だがあんたと戦うのは遠慮するよ。じゃあな!」
ルークは転移で街から離れた洞窟の中へと移動した。
その洞窟の中でおじいさんの姿にまた擬態し収監空間からラルノルトを解放した。
「最悪だぁぁああ!!」
「さっきのみてた?」
「あぁ!中からみえてたよ!!なんてことしてくれたんだ!!あそこの場には他にも仲間がいたんだぞ!あんなことしたらこの国の騎士からも追われるし魔王様の部隊にも追われることになるだろうが!!!」
「わぁそれは大変ですね。」
「大変ですね。じゃないだろ!!!」
「あれもう一回言って、降参するなら今のうちだぞぉ!みたいなやつ」
「うるせぇ!!!」
ラルノルトが斬りかかってきたが軽くいなして地面に叩きつけた。
「ちくしょう!!お前何者だ!じじいじゃないだろ!」
「ねぇお願いがあるんだけど。」
「あぁん!?なんだよ!!」
「魔王のところまで連れて行って。」
「・・・はぁ?」




