迷宮を走り抜ける雷光。
素手を構え龍鬼纏を使用した瞬間ルークに向って炎が放射されてきた。
「危なっ!」
ルークはそれを横に飛んで躱した。今まで立っていたの所の地面をチラリと横目で見てみると、溶けてドロドロの真っ赤になっていた。
「あんな死に方嫌だなー。」
視線をドラゴンに戻すと竜火は吐き終わり、こちらに突進する構えをとり終わりこちらに突っ込んでくるという瞬間だった。
「やばっ」
そう思った瞬間にはすでに雷と風を纏いながら雷の如き速さでルークに体当たりをされていた。
「ぐっ!!がはっ!」
体当たりをくらってそのまま壁まで持っていかれ壁とドラゴンにサンドイッチされた。
「ぐぐぐぐぐ!おらぁ!」
ルークはドラゴンの肩の辺りを掴み強引に持ち上げ投げ飛ばした。するとドラゴンは空中で翼を広げ体勢を立て直して地面へと優雅に降り立った。
(ちっ!龍鬼纏が無ければ危なかったかもしれない。)
心の中で舌うちしてドラゴンに向って走り出した。
転移を使い一瞬のうちにドラゴンの左側へと回り込み、顔に向かって渾身の右ストレートを叩き込んだあと更に腹の下に転移し下から殴り上へと打ち上げ、さらに翼の近くへと転移して。霊剣を創り出し左の翼を斬り落とした。
「お返しだぁ!」
ドラゴンは無防備な状態で宙に打ち上げられた。その隙を突いてルークはスキルを頂いた。
そしてトドメに地面に落ちる瞬間に合わせてかかと落としをし頭を地面へと叩きつけた。
「どうだ!」
ドラゴンは少しふらふらとしながらも立ち上がり竜火を放ってきたが気にせずそのまま突っ込んだ。
竜火は風ノ加護を受けたルークを避けるように流れていった。
「おりゃあ!」
ドラゴンの顎にアッパーを食らわせ上に跳ね上げ首が戻ってきたところを掴んで捻って投げてこかせて土を操作してドラゴンを固定した。そしてデュラハンソードを2本取り出し滅多切りにしてHPを削りきった。
ドラゴンの返り血を浴びたデュラハンソードを収納し宝も回収して次の階層へと進んだ。
また螺旋の階段を進んでいくルーク。基本一本道なので迷うことはないが隠し部屋は見逃さないようにしている。
ミニサイズのドラゴンに擬態してのしのしと歩いて立ち止まり、ガオォーと言って竜火を吐いてその余波でモンスターを倒したりして遊びながらずんずんと進んでいった。
さらに進んでいくと前からバチバチ音を立てながら進んでくるモンスターが現れた。
「ガォー!」
物凄い熱量がバチバチを襲った。
竜火を一旦止めて確認するとバチバチは躱したようでまだこちらに向かってきていてこちらに襲いかかってきた。
「おっと!」
慌てて擬態を解除して躱しながらバチバチを鑑定した。
エレキン
Lv.60
スキル
雷体化 Lv.7
注記
雷の塊。
いつも迷宮の中を彷徨っていて、なにか感電しやすそうな物体を見つけるとそっちに飛んでいく。
触るとバチバチするだけでなく感電して耐性がない場合は死ぬ。
通常攻撃は効かないどころかやはり感電する。
魔法など属性攻撃も効きづらく弱点は土属性や気を纏った攻撃。
「これ剣で斬りつけられるのかな?」
そう考えているうちにまた襲いかかってきた。ルークは龍鬼纏を使用して避けながら連続で斬りつけた。
「いけたかな?」
ほんの少し痺れた手をふりふりしながらステータスを確認するとスキルが追加されていたのでどうやら成功のようだ。
エレキンはまたこちらに引き返してたので今度は避けずに真っ向から斬りつけるとHPが尽きたようでバチバチは無くなり静かになった。
「よぉし!さっそく使うぞー。」
バチバチと音を立てながら雷化していく。そしてルークの体の形と同じように雷が形成された。
「おー!」
ルークが足を上げると今まで足をつけていた所がバチバチと音を立てて雷がバチバチと散っていく。
「おーーー!!!」
更に連続で足踏みをして雷が散っていく様を楽しんだ。そしてついに壁を天井を床を縦横無尽に自分の足跡をみるため後を見ながら走り続けた。
「楽しぃー!!ぃいいいい」
バチィ!ゴンッ!
前を見ずに走り続けどうやらボス部屋まで来たようで壁に思いきりぶつかり、雷化が解除されて鈍い音が響き渡った。
「い、痛い・・・。」
ぶつけた所を押さえながら扉を開けて中へと入っていった。
そこのなかに入ると60階層のボスだ。




