たくさん頂こう。
(なんかまた変なのでてきた。)
先生と呼ばれた男は剣を抜いた。
その瞬間禍々しい気が辺りに広がった。
「なっ!」
(剣から鬼の気が放たれている。間違いない。)
剣の方を鑑定するとやはり鬼剣・オーガハッシャーというレアユニークの剣。
常に鬼の気を纏っていてその切れ味は岩を細切れにできるほどだということだ。
「どこで手に入れたかは知らないけどいい剣ですね。」
「ふんっ、最近の若いもんは闘いの時まで煩くてかなわん。」
隙なく踏込み一瞬で間合いを詰めて首を刈りにきた。
すぐさま察知し鬼気を使い身体能力の底上げとを行ない、剣をしゃがんで躱しそのまま立ち上がる反動でバク転して距離をとった。
「ほう中々やりおる。それにそれは鬼の気か?奇っ怪なやつだ。」
「ふんっ、最近のおっさんは闘いの時にも思ったことを口に出すから煩くてかなわん。」
ルークは先程の口調を真似して挑発した。
ぷつんっ!
(何か切れる音がしたような。)
ふと前を見るとおっさんを中心に床にひびが入っているのが見えた。
「怒った?」
「いいや、全然怒ってないよ。」
顔は真っ赤だ。
パッと横を見ると今だに名前の分からない主さまがドアに向かって忍び足で歩いているのを発見した。
(そうはさせない、逃さない。)
ルークは指をパチンッと鳴らすと同時に迷宮化・改変を使用しこの部屋を迷宮化させ、改変でボス部屋に設定し結界を張った。
(やばい、今のかっこいい・・・。)
ニヤニヤしそうになる顔を必死に我慢しながらおっさんをみてみる。
これにはおっさんは驚いたようで唖然としていた。
(隙あり!)
スキルを取得し、また距離をとった。
「おっさん隙だらけだよ。」
「ふんっ!くそガキめ。」
その言葉には答えず剣を創り、創った剣にも鬼気を纏わせ構えた。
それに応じるようにおっさんも剣を構えた。
主さまはまだ扉に向かって忍び足で歩いている。そしてついに扉まで到達し扉の取っ手に手をかけようとした瞬間結界が発動した。
バチぃ!
その音を合図にして闘いは始まった。
まずはおっさんが動いた。先程と同じように首を刈りにきた。
その剣を上に弾きルークも同じように首を目掛けて剣を振った。
すると同じように剣をおっさんが弾こうとしたが、力の向きを変えて剣を抑え込みそのまま力を加えていく。するとおっさんは耐えきれずに両膝をついた。
そして剣を弾き遠くに飛ばし振り下ろすように殴りつけると床に食い込みそのまま気絶したようだ。
剣を回収して主さまの元へと歩み寄った。
「さぁ、今度こそ吐いてもらおうか。」
指弾で空気を飛ばして軽めに足を撃ち抜いた。
「うぐっ!」
変なうめき声を上げてその場でうずくまった。
「ま、まて!待ってくれ!」
待たずにもう一度今度は逆を撃ち抜いた。
「うぐっっ!」
(軽くなのに・・・どんなけ弱いんだ。)
「で、誰があなたに情報を教えたんですか?」
一瞬言い渋りそうになったが、指弾を撃とうとすると話し出した。
「わかった!言うから言うから!ギルド調査員のマットってやつだ!」
「他には?あなたは誰かに言った?」
「だ、誰にも言ってない!本当だ!」
「なんで狙ったんですか?」
「伝説級の武器を手に入れたと聞いたからだ。」
「ふーん、じゃあ他に誰かマットが情報を渡した人はいる?」
「それはとある教団に情報を渡したと噂で聞いた。」
「どこの教団?」
「そこまでは知らない。」
「ふーん、まぁいいや。ここのギルドはみんなそんな風に誰かに情報を流したりしてるの?それとも他のギルドも?」
「普通のギルドではありえないはずだ。ここのギルドでも一部の人間が情報を横流しにしている。」
「ふーん、そんでさーこの剣さっきの人が持ってたんだけどいい剣だよね。」
「そうだろう!コレクションの1つだ。その剣を渡したから雇えたようなものだ。まぁもうやられてしまっては意味がないがね。」
「コレクション、あるんだ。」
「あぁ、あるぞ。」
「ふーん、もうつきまとわないでくださいね。次はこの程度じゃすまないですからね。」
すっと立ち上がり、剣で思い切り斬りつけた何度も何度も何度も、もちろん盗技剣で。
探知で倉庫の位置は確認済みだ。
スタスタと歩き迷宮化を解除し、倉庫の方向へと向かった。そして倉庫へと到着し中へと入った。倉庫自体にもスキルがあったのでいただき中のお宝、お金や宝石やコレクションなどを全て根こそぎ頂いた。これでやつも一文無し。
「さてと、次はマットに話を聞きに行こう。狙われるようになったのは情報横流しにしてるやつのせいだからな主様共々全部捕まえてやる。」
そう決意し、ギルドへと歩いていった。
はやく次の迷宮まですすみたーい。
そして明日はお休みします。




