強敵現る。
「はじめまして、ご存知だと思いますがルークと申します。」
主さまとやらはルークのプレッシャーに耐えきれず膝をついた。
「もう降参?その前にお名前を伺っても?」
返答を待っていると、どこからかナイフが飛んきた。
振り返って飛んできたナイフを鷲掴みにして受け止め、そしてまた主のほうを見ると3人のアサシンがいた。
「あー、お名前を伺っても?」
「貴様に名乗る名はない。」
主が水を得た魚のように復活した。
(復活した・・・。)
「貴様!こんなことをしてただで済むと思っているのか?!」
「こんなことって?したとしたらどうなるのか教えてほしいなー。」
「おい!お前達、お前達がどれだけ恐ろしいか自己紹介してやれ!」
ルークは頭にはてなが浮ぶ。
(自己紹介いらねー!でも面白そうどうするんだろ。)
アサシン達は3者同じように顔を見合わせ「そんなこときいてないんだけど。」みたいな顔をしている。
「この前脅し方を教えてやっただろう!ほら、テンション高く脅すと意外と怖いってやつだよ!さっさとやれ!」
アサシン達が超高速で脇を肘で突付き合いを始めた。
(あれは俗に言う「お前が先にやれよ。」ってやつかな?みてて面白いわー、速すぎて主様は見えてないだろうね。)
そして1分後。
(まだ突付き合ってるし。)
ルークは近くに転がっていた椅子を拾い座り込んだ。
2分後。
(主様も止めろよ、ほんとあいつ馬鹿だなー。もういいやめてあげてよ自己紹介なんて、めちゃくちゃ嫌がってるよ。)
3分後。
ついに我慢しきれず。
「すいません、トイレ休憩は挟みますか?」
ルークの言葉で全員がハッとなった。
「もうよい!全員かかれ!」
「やっとか・・・。」
ようやく状況が動いた。
2人のアサシンは突っ込んできた。
そして1人は影を操り援護に回った。
鑑定で見る限り左から来ているのは発電、右から来ているのは発火のスキルを持っているようだ。そして影を操っているのは指弾というスキルを持っている。。
アサシンとしての順位が一番高い3人らしい。
右から来ている方の手がバチバチと音を立てて電気を発し始めた。
逆からは手が火が燃え盛っている。
その2人の手がルークの頭と腕を狙って最短距離で向かってきた。それをルークは燃えていない部分の腕と帯電していない部分の腕を掴み重心を崩してそのまま振り回し宙に持ち上げた。
その瞬間に手を離し斬りつけてスキルを取得した。
剣をしまい腕を掴んで2人まとめて影を操っているやつのほうへと投げた。その2人でできた死角を利用して、影を操っているやつの背後に回り込み同じくスキルも取得し、3人の頭に一発ずつ拳を叩き込み気絶させた。
そしてくるりと主さまとやらのほうに向き直った。
「さて、これでまた1人になったね。情報を流した人物の情報を教えてもらおうか。」
するとその時その部屋のドアが蹴破られた。
「まだいたのか。」
「おー!先生来ていただけましたか!あいつを叩きのめしてやってください!」
高速で主の方へと接近した影。
その正体は先生と呼ばれている用心棒の男だった。
「あいつを倒せばいいんだな?」
「ええ!そうです!やっちゃってください!」
現れたのはいかにも歴戦の戦士というような風貌の男で身のこなしから明らかに強いということもわかる。
鑑定を使用した。
名前 ルドルフ・ハーデック
職業 用心棒
称号 無頼の剣豪
レベル 156
hp 7800
mp 0
atk 3020(+2000)
def 2200
int 80
spd 2560(+1000)
luk 60
スキル
剣豪 Lv.Max
(また変なのでてきた。なにこの中ボスみたいなステータス。)
ルークの正直な感想だった。




