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スキルプラッカー  作者: 山田
迷宮奮闘篇
16/62

最終決着!!?

先ほど師匠の残りのHPを確認し、残り1000を切っていることに気付いた。


「あと一息だ!」


気合を入れ直し、先ほどまでと同じ調子で、フェイントをかけつつ、右から胴目掛け、剣を薙いだ。


師匠の胴体に、直撃したかに思えた一撃は、胴を通り抜けた。


「えっ?!」


それを皮切りに、師匠の姿は、だんだん薄くなり、最後には、姿は見えなくな剣、だけが浮いている状態になった。

その剣も宙を舞い、壁に軽く突き刺さった。おそらく投げ捨てたのだろう。


「もしかして・・・これが霊体化か?」


ルークは、探知スキルを起動させると、位置は表示されているが、その位置を肉眼でみても、なにもみえなくなってしまった。

鑑定スキルで確認しても、霊体化と、霊剣が、使用中と表示された。


「勝負はここからってこと?」


探知スキルでは、こちらに近付いて来ているのを、確認できる。

霊体に攻撃するには、同じく霊体になるか、魔法を当てるか、弱点を攻撃するかが主に挙げられる。


「風魔法で削りきれるかな・・・。」


探知スキルで位置を、確認しながら、近付かないようにし、風魔法主体の攻撃に切り替えた。


ビュゥゥゥ! ガシャアアン!


音だけが、ボス部屋の中に響き渡る。

しばらくは、魔法で戦えていたが、ただでさえ少ないルークのMPは、すぐに底がみえた。


「MPが底をつきそうだ、ちくしょう・・・。」


ルークに残された道は、師匠と同じように、霊体化することだが、一度、霊剣をつくろうとして、失敗している。


「ぐっ!!いてっ!」


思考していて、位置から一瞬目を話した隙に、接近していた師匠に、左肩と左足を斬られた。

すぐさまそこから離れ距離をとった。


「やっぱり霊体に、物理結界は発動しないか。」


あてにはしていなかったが、やはり物理結界は、発動しなかった。


「斬られた時に、普通の剣で斬られる時とは、違う感じがした。」


その感覚の違いが、霊体化のヒントだと思い、その感覚を思い出しながら、霊体化のスキルを、発動させた。すると、目の前に、師匠の姿が再び見えた。


「成功か・・・。」


同じように、霊剣も作りだし、これで同じ条件だ。


お互いのHPを確認する。

ルーク残りHP 462。

師匠残りHP 621。


「決着をつけましょう。」


両者剣を構え、じりじりと、距離を詰めていく。

両者、お互いの剣が、届く位置にまでになった。しかし、まだ動かない。

その時、壁に軽く刺さっていた剣が、抜け落ち床へと落ちた。


サクッ


それを合図に、攻防は開始した。


まずは、師匠が先に動いた。

剣を、上から振り下ろしてきた。

ルークは、それを弾き、左足と、左肩を、斬りつけた。

それでも、一歩も下がらず師匠は、一刀連斬を使用し、こちらを攻撃してきた。

ルーク。同じスキルを使用し、迎撃したが、お互いに、2発ずつくらい痛み分けとなった。


ルークは、距離をあけようと後ろへ下がったが、師匠はそれを許さず追撃してきた。

「くっ!!ちくしょう!」

こちらのHPにも、余裕はないがあちらにもないはず。


同じスキルでは埒が明かない、そう悟ったルークは、霊剣を解除し、全力で距離を稼いだ。


そうして稼いだ時間でスキルを、合成した。


舞連踏斬+ 一刀連斬=舞連速刀斬


「よし!さぁこい!」


霊剣を作り直し、構えて叫んだ。

それに答えるかのように、師匠は、こちらに向かって走ってきた。

ルークも同じように、走り出す。

そして、お互いにすれ違うようにして、スキルを使い、斬りあった。

互いに背中を向けたまま、時間が過ぎた。


ガシャァン


勝ったのはルークだ。


「やったぁぁああああ!!!勝ったぞぉぉおおお!!」


ボスを、倒すと、真ん中の辺りに門のようなものが出現した。


「あれが地上へといける転移門か。あそこを潜れば戻れる。」


長かったダンジョン生活も終わった。

師匠の剣を壁際まで取りに行く。


「この剣は、貰っていきます。」


そう一応言い、門へと、一歩、また一歩と、近付いて行った。

そうしてさぁ入るぞぉと言うところで気がついた。


「ちょっとまてよ・・・、もしかしてこの門。」


門を鑑定してみた。


転移門


スキル

限定転移 Lv.MAX


説明

ボスを倒すと、出てくる門。

これを通れば地上に出られるもん。


「ほうほう。」


ルークは、ニヤニヤしながら、門のスキルを取得し、地上へと戻った。


門を通ると、光がつき、その光の中を歩いていると、いつのまにか地上へ、出ていた。そこにはなぜか、泣き崩れているキャサリンと、慰めているボブがいた。

そしてルークは、こう言った。


「2人共、こんな所でなにしてるの?」


「えっ・・・?」

「・・・えっ?」

「えっ?なに?」

「えっ?」


しばらくのえっ?合戦のあと沈黙が訪れた。


・・・・。


沈黙を破ったのは、あまり状況の飲み込めていない、ルークだった。


「・・・?じゃあ、僕は、街に戻るから。」

「「ちょっと待て!!」」


2人から一斉に、待ったがかけられ、心配したんだぞ!ということから始まり、1週間以上もなにをしていたのかとか、どうやって帰ってこれたのかとか、心配してたのが腹立ってきたー!とか色々言われた。


「全部、また今度、話すよ。」


「無事だったんだから、キャサリンもそれくらいにしときなよ。」


ボブもどこか、納得していない様子だったが、いつまでもぐだぐだ言っても仕方ないと思ったのだろう。


「みんなで街へ帰ろう、2人も疲れてるでしょ?」

「あぁ、そうだな。そうしよう。」

「・・・わかったわ。」

「しかし、ルークがなにか切り出すなんて、珍しいな。」

「男は、ダンジョンに潜ると、成長するんだよ。本に書いてあった。」

「なによそれ、アホらし。」


仲良く会話をしながら、3人は、街へと帰っていった。


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