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凍玻璃でできた水泡  作者: 西埜水彩
銀皀村にて、迷走
12/12

「早く起きるもこ。外へ出るもこ」


 朝早く、ふわもこに起こされる。


「分かったよ」


 私はしぶしぶ布団から出て、六神のやしきから出る。


「おはよう。朝早くに会えるとは思わなかったわ」


 透き通るような白い髪がお団子にされていて、白の着物に白の袴という和装ファッションをした神様がそこにいらっしゃった。


「始祖神様、いらっしゃったんですね」


「そう。今日ここでちゃんとしないと、この世界が終わるかもしれないの。八神もいるわ」


「おはよー。能力を使えばすぐだから」


 髪の色と々振り袖を着た八神様もやってきた。


 八神様は移動系の能力を持っているから、今日の朝に初都から銀皀村までこれたのだろう。


「ではろいろさんと会って話を聞かなくちゃ、大丈夫、今日月場と会えるわ」


「それは本当ですか?」


 思わずうきうきする。


 だって月場と再会できるってことは、銀皀村から離れられるってことだ。


 生活の質が低い銀皀村にはうんざりだ。そこで少しでも早く、銀皀村から出られるようにしたい。


「でも何かが起きるのでしょう。それが心配。ていうかただ人が行方不明だったわけじゃない、これは何かありそう」


 八神様は周りを見ている。


 月場が行方不明になった。六神様が月場を連れていったかもしれない。


 これ以上今は分からないのだけど、始祖神さまと八神様は違うのかな? きっと私には分からない何かを、ご存じなのでしょう。


 特に始祖神様は未来予知ができるのですから。


 そこで再び私は六神様のおやしきへ、神様達を連れて戻る。


「こんにちはというよりもおはようか」


「おはよう」


 始祖神様と八神様は、寝ているろいろにあいさつする。


「おはようございます」


 朝起きて、自室に神様がいることにろいろは驚いたらしい。あいさつをしてから、固まっている。


「時間もないから早く言うね。ろいろさんは夜々さんのあとをついて歩いていたでしょう。具体的には旧都から銀皀村まで。それほど夜々さんのことを警戒していた?」


 始祖神様の発言で、私も固まった。


 ろいろがあとをつけていた? そんなこと考えもしなかったからだ。


「そうだとすれば、どうなんですか?」


 ろいろはやや逆ギレしつつ、答える。


「私は始祖神、未来が見れるの。そこでねいなくなった人にあなたが関わりがあるのも分かる。でも説明するのが、めんどくさいから行きましょう」


「まっまさかあそこに行くつもりですか?」


 ろいろは始祖神様の話を聞いて、焦り始める。


「早くすませようよ。早くいなくなった人と会いたいし」


 八神様がお気楽な感じで提案する。


 私だけが分かっていない。それにいらいらした。


 月場は私の幼なじみだ。だというのに私は月場が今どこにいるのか知らなくて、他の人は知っている。


「ろいろが私のことを旧都からつけていたこと、そして月場が今どこにいるのか、すべて私は知りません。いったいどうなっているんですか?」


 私は大きな声で話した。


 私のことなんだから、私だけ知らないってことはおかしいでしょう。


「そう、だから行きましょう。行けばすぐに分かるわ」


 始祖神様はろいろの部屋から出る。そこで私たちも慌てて、ついていく。


 六神のやしきからも出て、黙って歩き続ける。


「ここが怪しい」


 迷いなく歩く始祖神様について到着したのは、村はずれにある洞窟だった。


「何が起きても知りませんよ」


 ろいろは不機嫌そうだ。どうやらろいろはこの洞窟の中のことを知っているらしい。


「なんかもやが出てきました」


 洞窟の中から、黒いもやが出てきた。


「もこにまかせるもこー」


 そのもやは、もこの出す光によって消えてしまった。


「何か分からないけど、もやも晴れたし中に入ろう」


 始祖神様が洞窟に入り、私たちもそれに続く。


「あっ月場」


 洞窟の奥に月場がいた。


 新都ではありそうだけど銀皀村にはなさそうな立派な布団にくるまれて、月場は眠っている。


「初都から六神様はその男の子を連れてきて、ここに閉じ込めているの。六神やしきじゃあ、いつ男の子に逃げられるか分からないから。そんなときに旧都から銀皀村へ来る新都の人を見かけたの。新都の人が旧都から銀皀村に来るなんて、男の子関係で何かあったんじゃないかと思って、それで六神様がしでかしたことがばれると困るから・・・・・・」


 ろいろは泣いていた。


 ろいろは六神様の妹だ。それもあって六神様をかばいたかったんだろう。


「まあ七神のところで働く人を勝手に連れてきたら駄目でしょう。それに六神の望みはかなわないよ。どんなことをしたって、神の子に六神は関わることはできない。そうでしょう、神の子様」


 始祖神はもこを見て、話す。


「もこに何が関係あるんですか?」


「大ありだよ。さっきのもやはどの神様も使えるような、魔法。それをはらえるのは、神の子だけ。神の子の外見なんて、すぐに変わるから最初は分からなかったけど、今分かったよ。そして生け贄を差し出してまで、六神が神の子を呼び出そうとしたこともね」


 始祖神様はゆっくりと答える。


「もこが神の子だったんですが・・・・・・」


 それは分からなかった。とはいえもこがどんな生物かも、なぜ私のそばにいるのかも分からないけど。


「生け贄を出して神の子を呼べば、大変なことになるんだ。文献によると村一つ吹き飛ばすほどの爆発が起きるらしいし。ということで何も起きなかったことはよかったし、もう帰ろう。そしてこのまま銀皀村から離れよう」


 八神様が話をまとめる。


 なんだか色々分からないことがあるけど、まあいいや。


 一応目的としていた、月場を探すことはできたのだし。


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