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獣の王
三人称視点です
「マリン、お前は、お前だけは生きてくれ・・・・・。お前がいないとこの世界が崩壊してしまうのだ。儂の娘として、新たなる獣の王として、お前は世界を救うのだ」
胸に矢が刺さり死ぬ寸前に娘のマリンに何かを伝えている。
胸に矢が刺さっているのにまだ死んでいないのは獣人特有のスキル"覚醒"をしたからだろう。
「だめ!お父様・・・・・いかないでぇええ、私を一人にいないで・・・・・・お父様と一緒じゃなきゃいや!」
泣きじゃくる娘を抱きしめながら彼は言った。
「お前をかくまってくれそうな人を見つけたぞ。ハルというらしい。ここから北にずっとずっと進んだところだ。兵士の中に転移魔法が使える奴に近いところまで連れて行ってもらいなさい。それがお前にお前の父として最後のお願い、いや、命令だ。そこの兵。マリンを安全に連れていけ。場所は昨日教えたはずだ」
「かしこまりました。命の捨ててでもマリン様をハル殿のもとに連れていくことを約束します。」
そばにいた兵が覚悟を決めてマリンを城から連れ出した。
「勇者殿なら救ってくださるだろう」
これが彼の最後の言葉だった




