8話 一致
『ハイスどっかで聞いたことあるような』
アクスは考え込む。
「アクス達が覚えてなくても無理はない、君達は記憶を失ってるんだから」
『なんだって!?』
『・・・・・・えっ』
「まさか」
一同は驚いた。
「全てはハイスの人類全能力者計画によるものだ」
それからシグマは過去のことを話し出した。
あれは風が荒れ狂って、土砂降りの雨が降った日・・・・・・。
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「みんな揃ったみたいだね」
孤児院をまとめる先生がそう言った。
「君達には人類の命運がかかっている」
偉そうな人が話し出した。
「私はハイスという。君達はこの装置で能力を身に付けてもらう」
カプセルのような装置と仰々しい機械、白衣を着た人たちがぞろぞろ現れた。
「・・・・・・大丈夫かな」
「大丈夫、レインは俺が守る」
カプセルの中にアクス、レイン、リベット、トラス、シグマが入る。
「では、始め」
カプセルのような装置に液体が入っていく。
「ハイスさん、本当にこの子たちは大丈夫なんですよね?」
先生が心配そうに聞いた。
「ああ、大丈夫だ。・・・・・・50%はな」
「えっ」
すると、赤い危険を表すアラームが鳴りだした。
「やはり、まだ実験は早かったか。まぁ、こいつらの命がどうなろうとデータが手に入ればどうでもいい」
「ハイスさん、約束がちがっ・・・・・・」
「バンッ」
先生は銃で撃たれ血まみれで倒れた。
「ハイス様、これ以上は危険です」
「続けろ、金があれば孤児院の事件など、どうとでもなる」
アラーム音が鳴り響き、白い煙が出ている。
「ボゴーン、バリバリバリ」
雷鳴が響くようにカプセルが開いた。
「ふむ、やはり50%か」
3つのカプセルははじけ飛び中の子どもはどこかに転移し、2つが残った。
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「その時残ったのがトラスと俺で、トラスは記憶をなくしていた」
『お前はどうだったんだ?』
アクスは尋ねた。
「俺は記憶を失ったふりをしてハイスの研究所で研究を続け、超記憶の能力で君達を召喚できる装置を作った」
『・・・・・・そうだったの』
「みんなに会えてよかったよ」
シグマはそう言った。
『で、俺たちを召喚したのはそれだけか』
「いや、君たちは能力を捨ててでも代償を消したいかい?」
『ああ』
『・・・・・・うん』
「もちろん、イケメンにモテモテじゃ」
3人一致した。
「じゃあ、ハイスを倒すしかないね」
シグマはそうまとめた。