5話 魔眼
「こりゃ、酷い有様ね」
テイス村に着くと家が何かに押しつぶされたように崩壊していた。
『こんなことできるのは能力者しかいねぇな』
『・・・・・・なんの能力者』
レインが聞いた。
『そりゃ、魔眼でもない限りわからないだろうな』
『・・・・・・魔眼?』
『っていっても、前の町じゃ俺のレーダーに反応はなかったしな』
「そういえば、青い目をした女の子に会ったよ」
『いや、魔眼は普通赤く光るぜ、ぐっ』
アクスが頭を抱える。
『どうやら能力者が来たみたいだ』
風が草をたなびかせ異様な空気が放たれる。
「どうやら、ヒットみたいだね」
赤い目をした男がこちらに向かってくる。
『お前は何者だ』
「頭に直接語りかけてくるだけとは最弱の能力ですね。でも、寛大な僕は答えましょう。僕はトラス、魔眼を持つ普通の少年さ」
『魔眼を持ってる時点でふつうじゃねぇ!』
「そりゃ」
リベットが岩を投げた。
『リベット、ナイス』
岩がトラスに当たろうとすると。
「落ちよ」
トラスの目が赤く光り岩は手前で落ちた。
『なっ』
「君たちに勝ち目はないよ」
『くそっ』
アクスが絶望していると、
『・・・・・・水の神、太陽の神と協力し偉大な現象を起こせ、アクアプロージョン!』
レインが極大詠唱を完了させていた。
トラスに水蒸気爆発が襲い掛かる。
「これは僕程度の魔眼じゃどうにもならないね、アディオス」
トラスの赤い目が光り、爆発の後何も残っていなかった。
『レイン、サンキュ・・・・・・って大丈夫か』
レインが鼻血を出し倒れていた。