主な登場人物
・主人公ならびにその関係者
クエル
国家人形師を目指す17歳の少年。母の遺した侍従人形「セシル=セレン」を繰る。数年前に母を流行り病で亡くし、一年半ほど前に父が失踪した。最高位「導師」の称号を持つ父の行方を追い、幼なじみフリーダの期待に応えるため、国家人形師養成学校(国学)へ入学する。
セシル=セレン
クエルの人形の化身。真名は「セレン」。クエルの二体目の人形で、踊り子を模した「サラスバティ」を操る。化身とは人形の意識が幻の姿で現れる現象だが、セシルは侍従の姿に定着し、人のふりをして国学に入学している。国学総演習でクエルを守ろうとした際、マクシミリアンの付き人・不知火に核を奪われる。
フリーダ
クエルの幼なじみ。巨人を模した人形「ギガンティス」を繰る。明るい赤髪が目を引く、元気で快活な少女。クエルと共に国家人形師を目指して国学に入学した。クエルの世話をよく焼き、セシルの嫉妬の火種にもなる。総演習では盾となって奮戦するが、最後は教官イフゲニアに崖から落とされる。
エンリケ
クエルの父。人形技師であり、最高位の人形師「導師」。クエルが国学に入学する一年ほど前に失踪したが、国学総演習で生き延びたクエルの前に、東領の流民の黒幕として姿を現す。
セラフィーヌ
クエルの母(故人)。リンダとは長年の親友。数年前に流行り病で亡くなる。実は御三家筆頭・ウルバノ家の元令嬢で、エンリケを超える天才人形技師だった。
リンダ
フリーダの母で元王女。みみずくを模した人形「ミネルバ」を繰る。娘フリーダがクエルと結ばれることを願い、裏で二人を監視していた。エンリケの人形であるイフゲニアによってフリーダが見殺しにされたことで、エンリケを激しく憎む。
ギュスターブ
フリーダの父で宮廷人形師。巨大な蛙を模した人形「トラロック」を繰る。傍流の人形師の家系から初めて宮廷人形師となった人物で、エンリケとは旧友。
スヴェン
クエルの友人で人形技師見習い。孤児だったところを親方アルツに拾われ、工房で働く。部品を組み合わせてサラスバティを作った。人形省でムーグリィに目を付けられ、彼女の付き人として国学へ同行することになる。
ラートリー
サラスバティの真名で、その化身。元はミゲルの大蛇人形「アマリア」の核で、術によって人形師と結合せず操られていた。クエルに解放され、スヴェンの作ったサラスバティの核となった。
・国家人形師養成学校(国学)関係者
マクシミリアン
クエルの同級生。巨鳥を模した人形「ガルーダ」を繰る。閥族ローレンツ家の次男で、兄は人形省次官ジークフリード。現体制と世界樹の扱いに強い不満を持ち、裏で東領の流民と手を組んで体制転覆を企てる。
不知火
クエルの同級生で、マクシミリアンの付き人。マクシミリアンを「我が君」と呼び、絶対的な忠誠を示す。
ムーグリィ(ムー・グリィ)
クエルの同級生。積み木のおもちゃのような人形「サンデー」を繰る。王国四大公の一つ・北領公だが、独特の「~なのです」口調で話す。スヴェンを気に入り付き人にした。父の仇と信じるエンリケを深く恨み、口調や態度も演技である。エンリケに挑み、返り討ちに遭う。
フローラ
クエルの同級生。竜を模した人形「ファーニヴァル(新)」を繰る。第13班の一員。兄シグルズの代理として入学したが、後に正式な生徒となる。兄のため世界樹の実を求め、ジークフリードの愛人となる。マクシミリアンのガルーダから身を投げて脚を負傷し車椅子生活に。総演習の混乱の中、ファーニヴァルと結合し、敵味方の人形を焼き払った。
フィリップ
クエルの同級生。蜘蛛型人形「スパーナイト」を繰る。チェスター家三男だが、上の二人は養子で次期当主。身勝手だが当主候補としての矜持はある。フリーダに執着し、晩餐会後に誘拐するが大祖母マリアンヌに阻まれる。総演習では暴走する人形の中で一族の救出とフリーダ支援に動く。
アルマイヤー
国学の校長。元王都守護隊団長。ピエロの人形「クラウン」を繰る。若い頃は王女だったリンダ付きの武官で、彼女が王宮から逃げ出す際に手助けしたことを後悔している。
アイラ
国学の教官。元王都守護隊副団長。半身半馬の人形「ヒュロノメ」を繰る。チェスター家の一族でフィリップの元守役。フィリップからは「アイ姉」と呼ばれ、共依存気味の関係。生真面目で、心の声が口に出やすい。総演習でフィリップを救い、重傷を負う。
イフゲニア
国学の教官。元王都守護隊副団長。大木の人形「ドライアド」を繰る。自由奔放な性格。選抜の頃からクエルに干渉していた。実はエンリケの人を模した人形で、クエルたちを監視していた。総演習で離脱したフリーダを崖から突き落とし、その後リンダに核を砕かれる。
アイリス
国学の同級生で第六王女。クエルの婚約者を名乗るが、クエルは認めていない。以前は病弱で寝たきりだったらしい。クエルに執着するが理由は不明。
ラムサス
アイリスの執事。常に付き従い、完璧な執事として振る舞う。セシルからライバル視されている。
ブレンダ
前期卒業生。元士官候補生。サル型人形「モンチー」を繰る。さっぱりした性格。アルマイヤーの采配でクエルたちの演習相手を務め、のち国学の助教になる。
ヴィクター
前期卒業生。元士官候補生。サソリ型人形「デスストーカー」を繰る。冷静沈着で参謀役。ブレンダに惚れ、同班のイクセルと共に、ブレンダに言い寄る上官を殴って処分を受けかけたのち助教になる。
イクセル
前期卒業生。元士官候補生。ドワーフ型人形「ハマー」を繰る。激情家に見えるが合理主義者で、ブレンダ絡みだけが例外。ヴィクターと共に助教になる。
ヒルダ
西領公のいとこ。修道女型の人形(名称不明)を繰る。選抜ではD班。実際は西領公の命でクエルを監視するスパイ。
ルドラ
南領公の演者。獅子型人形「ゴライオン」を繰る。選抜ではD班。ヒルダ同様に監視役で、昔からの同僚。
トマス
クエルの同級生。戦士型人形「アンドレ」を繰る。実際には結合しておらず、術で支配して動かしている。アイリスのお気に入りであるクエルに嫉妬し、総演習でも奇襲するが、人形が暴走して逃走する。
ハッシー
クエルの同室の学生。入学式以来、一度も顔を合わせていない。
・貴族
ジークフリード
人形省次官。ローレンツ家次期当主。晩餐会の招待客で、人形省を実質的に仕切っていると言われる。マクシミリアンの異母兄で年が離れている。フローラに援助を申し出て愛人にしていて、理由は不明だが、セシルに興味を示している。
カルロス
チェスター家当主でフィリップの祖父。晩餐会の招待客。チェスター家は人形師を祖とするが、近年は政治的手段で家格を保っている。
マリアンヌ
カルロスの母で、フィリップの大祖母。「ソラン」と「ミカエラ」を繰る。元ウルバノ家令嬢で、カルロスの父に騙されチェスター家に誘拐された過去を持つ。実質的に家を仕切り、晩餐会で誘拐されたフリーダを救う。
ルイス
御三家筆頭ウルバノ家の一族で大番頭。晩餐会の招待客。枢密院議長。カルロスとは国学の同級生でライバルだった。
エドワード
内務卿。晩餐会の招待客。忠誠と政争で一代貴族となった。晩餐会では密かにアイリスの意を受け、フリーダを罵倒する役を担う。
グラハム
ムーグリィの従妹で北領公代理。選抜前の合宿でフリーダの相手を務め、スヴェンとは蒸気風呂で我慢比べもした。
・東領の流民たち
マーヤ
元東領公女。女神型人形「アプラサス」を繰る。王家の侵攻で地位と家族を失い、ヘラルドが組織した抵抗組織に身を投じる。王家打倒を目指し、王都の人形師に強い憎しみを抱く。王都にいたため一命をとりとめたが、それすら陰謀だと疑い、自分を王都に呼んだマクシミリアンを憎んでいる。
ヘラルド
東領流民のリーダー。「請願者」を名乗る。獅子の頭と羊の体、蛇のしっぽを持つキマイラを繰る。総演習で気を失っていたクエルを救出し、エンリケに引き合わせる。
エーリク
元東領公家の使用人。槍腕の騎士人形「アイゼン」を繰る。クエルたちより少し年下の15歳。侵攻後はマーヤに付き従う。誕生日会後の森で、クエルを救出に来たフリーダと戦った。
ブスカ
流民の副リーダー。主に食料調達担当。流民集団にいるのは“食うため”と割り切っている。自分がお尋ね者である自覚があり、名前で呼ばれるのを嫌がる。
・人形技師
アルツ
スヴェンの親方。エンリケやギュスターブの友人。主に宮廷人形師向けの人形を作る。口は悪いが弟子思いで、スヴェンから父のように慕われている。
シグルズ
若手の人形技師。エンリケと同様に人形技師から人形師になるため、竜型人形ファーニヴァルを作ったが、選抜でマクシミリアンに破壊される。妹フローラが車椅子になった原因をマクシリアンのせいだと逆恨みしている。




