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58 このおっさん、容赦ないな



アンナが俺の方を見る。

「テツはどう思う?」

「俺の意見ですか・・まずは掴まってみるのもアリかと・・」

「テツ、君はロシアを知らなすぎる。 いったいどんな尋問が待っているか・・俺は恐ろしい」

クラウスがつぶやく。


「再度警告する。 おとなしく投降しろ」

俺たちは声のする方を見つめた。

1人のがっしりとした男が立っていた。

横には銃を構えた兵士だろうか、それが2人立っている。


こちらの位置を確実に把握しているようだ。

選択肢はないだろう。

クラウスたちもわかったようだ。

両手を上にあげていた。

俺も同じように両腕を上げる。


俺たちに声をかけて男が近寄って来た。

首をクイッと動かすと周りの男たちが俺たちを拘束する。

拘束バンドか?

ギリギリとかなりきつく締め付ける。

アンナの顔が少し歪んていた。

「おい、女性に対する扱いを知らんのか!」

クラウスが言葉を発していた。

度胸あるな。

俺は感心する。

声をかけてきた男は気にするでもなく言う。

「連行しろ」


俺達はジープに乗せられて移動。

目隠しはない。

・・・

15分くらい移動しただろうか。

きれいな湖畔に建つ、しっかりとした建物の前に到着。

少し乱暴に降ろされると、建物の横の施設に連れて行かれた。

拘束バンドで拘束されたまま、椅子に座らされる。

そこでまた椅子に拘束された。

これじゃあ呼吸以外できやしない・・普通なら。

俺はいつでも脱出できそうなので心配ないが。

アンナ、クラウス、俺の3人が椅子に座らされた。

俺たちの前に、がっしりとした男が歩いて来る。

まるで教壇に上がる教師のような歩き方だ。

俺たちの前に来て話しかけてきた。


「私はミシチェンコという。 帰還者だ。 お前たちもそうだろう?」

ミシチェンコと名乗る男が俺たちをジッと見つめながら言う。

ぅ!

俺の頭に痛みが走る。

今までにない痛みだ。

何だ?


「ロシアに何の用かね・・確かクラウスとアンナさんだったかな? それに・・日本の方」

!!

アンナとクラウスが驚いていた。

俺も驚く。

何故俺たちを知っている・・というか、情報がダダ漏れじゃないか。

ズキン!

また俺の頭の中に痛みが走る。

内側から叩かれているような感じだ。

今までにない痛みだ。

寝不足で頭痛が発生することはたまにある。

だが、そんな痛みではない。

脳の血管でも裂けたのか?

そんな悪い食生活はしてなかったはずだが・・。

まさか俺・・ここで死ぬのかな?

そんなことを考えてしまった。


「ミシチェンコさんだったか・・我々のことを知っているのなら話が早い。 我々は君を見に来たのだ。 争う意思はない」

クラウスが言う。

「なるほど・・こちらからの質問だ。 何のために私を見に来たのだね」

ミシチェンコという男がクラウスを見つめる。

「その前に、彼女の拘束を緩めてやってもらえないだろうか。 苦しそうだ」

ドン!

ミシチェンコがいきなりクラウスを殴る。

クラウスは椅子に座ったまま仰向けに倒れていた。

鼻血が出ている。

ミシチェンコがゆっくりとクラウスを起こしていた。

「ふむ・・私の方がレベルが上のようだな」

このおっさん、殴って自分と相手を測ったのか!

やばいな・・俺も殴られたら鼻血を出さないと・・いや、唇でも噛んで出血させないとダメだな。

俺はそんなことを考えていた。

そして俺が見たミシチェンコのレベルは32。

しかしクラウス・・ご愁傷様。


クラウスは何も言葉を発することなくミシチェンコを見つめている。

「おい、今のでわかっただろう・・妙なことは考えるなよ」

ミシチェンコはそう言いながらアンナの前に来た。

「君はアンナさんだね。 私も女性には乱暴なことはしたくない。 何の目的で私を調べに来たのだね?」

アンナは少し震えているようだ。

怒っているのかもしれない。

「あ、あなたね・・いいわ、答えてあげる。 あなたを見てその状況を報告するだけよ。 目的はそれだけよ」

「フフフ・・」

パァン!!

ミシチェンコがアンナの頬を張っていた。

!!

おい、このおっさん、何のためらいもなく殴ったよな?


アンナの頬が真っ赤になっていた。

「ふむ・・ダメージは与えられるようだ。 なるほど・・私の方がレベルが上か」

アンナは声を出さずにミシチェンコを睨んでいる。

「アンナさん・・そんな目で俺を見ないでくれ。 これも仕事でね」

ミシチェンコはそう言うと、俺の方を見る。

俺は一瞬ドキッとした。

俺まで殴られるのか?

ま、待て・・いや、アンナやクラウスも暴れなかったじゃないか。

わざと耐えたんだ・・おそらく。

だが、こんなアホそうなガタイのよいおやじに殴られたくないぞ。

いや、アホじゃないかもしれないが、何で殴られなきゃいけないんだ。

クソウのおっさんについてきたのが間違いだったのか?

いや、そんなことを考えている場合じゃない。

どうにかしてこの場を乗り切らなきゃ。

ズキン!

また、俺の頭の中から思いっきり叩くような痛みが起こる。

俺が少し顔を歪めたのだろうか。

ミシチェンコが俺の顔を引き上げて言う。

「日本の方、どこか具合が悪いのかな?」

ミシチェンコはそう言うと、片手で俺の首を絞めつける。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします


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