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49 全く、勝手にやってくれるよ



「うむ、すぐに返答しなくても構わない。 で、休暇の件だが、今から私と一緒にドイツへ行ってもらえないだろうか」

ドイツ?

は?

いったい何が起きている?

俺の知らないところでものすごく大きな社会現象が起きているんじゃないのか?

俺は漠然とした不安を感じる。

自分という人間がいくら強くなっても、こういった社会の流れの中ではどうすることもできないようだ。

「ド、ドイツですか?」

俺は一瞬、どいつですか? こいつですか?

などというくだらないギャグが頭に浮かんだが、当然口にすることはない。

クソウはうなずく。

「ク、クソウさん・・あまりにも突然すぎるので理解しかねますが、いったい何が起きているのでしょうか?」

俺は素直に聞いてみる。

「フフ・・君たち魔法使いを中心に世界が動き出したということだよ。 ドイツの魔法使いと面会してもらいたい。 まぁ向こうの外相との話はこちらでするが、どうだろうか?」

クソウが俺の顔を見ながら言う。

そして続けて、

「あぁ、心配しないでくれたまえ。 学生たちにはこちらで私の副官に応対してもらう。 明日には帰ってもらう予定だ。 こちらの手の内をすべて見せる必要もないからな」

クソウが落ち着いた口調で話してくる。


なるほど、俺とは場数が違うというか、人生の歴史が違うというか、俺もまだまだだな。

ただ、学生たちを巻き込まなくてもいいというのが救いだった。

「そうですか・・少し理解できました。 わかりました、私でよければお願いします」

「素直なのはいいことだ」

クソウがうなずく。

俺は場の空気にまれたのだろうか。

クソウの思うように動いている感じだ。

クソウは受話器を上げて何やら話していた。

受話器を置くと、すぐに若い男が現れる。

クソウの所まで歩いてゆき、いろいろと指示を受けていた。

少しするとクソウが立ち上がり俺の所へ来る。

「では佐藤君、行こうか」

俺は目を大きくしてクソウを見る。

一瞬、何を言っているのかわからなかったからだ。

「どうしたのかね? 今からドイツへ向かうんだ。 君の会社のことは問題ない。 副官に指示してある。 さぁ行くぞ」

俺はクソウの後をついて行く。


全く、何が起こっているんだ。

俺って確か怒鳴り込んできたはずだったよな?

それがクソウの犬のごとく扱われている。

いや、犬じゃないな。

クソウの使用人のようだ。

なんだこれ?

だが、俺の立場や見識ではどうすることもできない。

・・・

とにかく俺はドイツの帰還者と会うことだけを考えることにした。

クソウの公用車に同席し、羽田の飛行場まで向かう。

どうやら政府専用機ではなく、民間機だが政治家などのVIPのための席があるという。

俺ってとんでもない体験してるよな?

いや、すでに異世界の体験をしているから驚かないと思ったが、現代社会に戻って来てみればその雰囲気に慣れてしまうんだよな。

一般人の俺にとってはありえない体験をしていると思う。


俺たちが羽田から出発した頃、ケン君とリカさんが東京に到着していたそうだ。

クソウの副官が今の状況を上手に説明し、自分たちの立場というのを教えてくれたらしい。

俺はクソウと共にドイツへ研修に行ったという話になっていたという。

また、俺の会社にはクソウの弁護士が調整してくれたらしい。

どうやら俺の家族の問題とかで会社を休暇、もしくは退職させて欲しいと話を進めていたみたいだ。

勝手にやってくれるよ。


また後で聞いた話だが、クソウは何度もトイレでオムツを交換したらしい。

平然とした雰囲気とは違い、失禁していたようだ。

議員は常にオムツを携帯している話は本当だったようだ。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします。


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