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1話-1 悪役令嬢演じます その1

私が前世の記憶を思い出してから

5年経ちました。

月日が経つのは早いものです。


鏡に映る私はかなりのナイスなスタイルの女性になりました。

どうもこの体、食べてもあまり太らないので美味しいものをたくさん食べてきました。

幸せです!


改めまして私

ラティディア=サーチェス=ストラヴィー

16歳になりました。


銀色の艶のある髪。

ちゃんと手入れしておりました。

また赤ちゃんのようにやわらかい白い肌。

いつも保湿ローションは欠かしません。

背も165センチと理想。

牛乳のような飲み物をいっぱい飲みました。

つややかな赤い唇。

リップクリームはいつも持ち歩いています。

そして二重の大きな緑の目。

生まれつきなので何もしていません。

ちゃんと出るとことは出て、へこむところはへこんでいます。

見かけより胸あると思います。

きちんと胸の大きくなる体操やエクササイズを欠かしません。


もうどれをとって見ても完璧です。

まあ悪役令嬢に転生したんです。

このくらい特典ついていても誰も文句は言わないはずです。


今は王都の真ん中にあるゆるーい学園に通っています。

11歳から8年間通うその学園の今は6年生になります。

13歳の時に物語の通り第一王子と婚約させていただきました。

その第一王子はエディシスフォード殿下、私の2つ上です。

学園の最上級生8年生です。今年卒業になります。

そう小説の終わり、婚約破棄されるのは第一王子の卒業式のパーティーです。あと5か月になりました。


そしてちゃんと物語のヒロインもいらっしゃいました。

2年前にアフレイン子爵の子供だったと発覚した元平民のヒロインちゃんが学園に転入してきました。

そのヒロインちゃんは殿下に可愛がられております。


ちなみに私と同じ学年です。当然私は悪役令嬢まっしぐら!

強いきつい口調で彼女を叱咤激励?しております。

演技力抜群です。このごろ板についております。


王太子殿下と婚約してから少しづつわがまま令嬢を演じていましたので

誰もが認める悪役令嬢になっているはずです。

素はそんな人をいじめるとかではないのでかなり疲れます。

あくまで役と思っています。


ヒロインちゃんは市民上がりなので気になるところは言います。

礼儀とかマナーとかまるでなっていません。

注意する時の口調はなるべく強くはしていますがいじめるとかはしていないつもりです。

まあ悪役令嬢らしい噂ばかり先行してしまって虐めていると思われている状態です。

しかしそれだけです。

巷では身分が低いから卑しいとか、足を引っかけて転ばしたとか、髪の毛を引っ張ったとか言われていますがそんなことはしていません。

まあ尾ひれ背びれがつきすぎているようです。


学園もゆるゆるなので勉強しなくても大丈夫です。

日本の学歴社会を生き抜いてきましたのである程度の勉強はお手のものです。

しかしあまりにいい点数を取るわけにはいきません。

だって小説だとヒロインちゃんと、第二王子が3位以内に入らなくてはいけないのです。

悪役令嬢ラティディアは下から数えて3位以内です。


わかるんです!みんな答えわかるんです!

だって中学一年生くらいのレベルですよ?

一応25歳大学卒です。


が、書けません。白紙かわざと間違えます。

手がプルプル震えます。

一度面倒で一つずつ解答欄をずらして書いたら見事にばれました。

それからはちゃらんぽらんな回答を書いています。

分かる答えを書かないとかって割と大変なんですよ。


小説と違うこともあります。

確か小説ではヒロインは第一王子と第二王子から愛されるのですが、第二王子が全くと言っていいほどその気配がありません。

ヒロイン、私、第二王子は同じ歳で同じクラスですが、

ヒロインと第二王子が話しているところなんて見たことないんです。

あ、ちなみに第二王子は学年トップです。

あまり学園には来ません。さぼり癖ついているのでしょうか

第一王子も来ないです。王族はサボり癖でもついているようです。


ヒロインは第一王子だけに目標を絞っているのでしょうか?


第二王子も振られるだけでかわいそうな役どころなので

現状の単なるクラスメイトでいいと思います。


しかし本当にこの国大丈夫なのかな。

あんなヒロインにちょろりと行ってしまう王太子でいいのか?

なんだかよくいる子です。

標的の前では可愛く弱い女の子を演じて、

その他には何?って感じのいけすかない態度。

あんなのが王太子妃ですか?未来の王妃ですか?

この国に未来ありますか?

私は隣国に逃げるのでどうでもいいです。


ちなみに小説ではそんなヒロインの性格は書かれていない。

可愛くて守ってあげたい。そんなタイプだと思って読んでいた。

もし本当にこの子がヒロインなら美化されすぎだ。

あの小説には一体どんな裏設定があったんだ。


スピンオフとか出せそう。


あの小説とは違うところはまだある。

今のラティディア、つまり私が王太子が好きじゃない。

小説ではラティディアは王太子が好きだからヒロインに嫉妬して虐めていたのよね?

私にはまったくその気はありません。


ラティディアは王太子が好きだから鬱陶しいくらいに側にくっついていた。

王宮に押し掛けたり、勝手に執務室まで行ったり。

…そんなことやってないし。


そもそもいつ王太子に会った??

そう1週間前に学園で見かけた!

って…いつ話した??記憶ないな…。


嫌われる前に嫌われることしていなくないか?

ちゃんと婚約破棄してくれるかな?

でもヒロインを虐めてることになってるし、大丈夫だろう。

王太子はヒロインが好きなんだしきっと婚約破棄してくれるはず。


しかし何だか心配だ。

第二王子といい小説通りじゃない。


一応隣国の辺境伯についても調べておこう。

突然設定変わってて色ボケしたおじいちゃんだったらどうしようか。









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