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~伴奏 イージャンの指輪物語~  作者: 粟生木 志伸
第一章 受難の始まり
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第7話 上弦の夜

 澄んだ夜の頂に向け、月が登っていた。


 左半分が欠けた月。上弦の月だ。


 その月が見下みおろす先には王宮があった。その王宮内にある庭園の一つ。そこは、背の高い生垣が迷路の様に広がり、中心には石で積まれた丘があった。


 その丘の頂に、月の光で照らされた二つの影。寄り添いながら、石造りの長椅子に座っていた。他には誰もいない。静かな夜の風が、彼らを撫でていく。月は、この二人を見下みおろしている様だった。


 しばらくすると、片方の影が語り掛ける。


「イージャン――。実はね、渡したいものがあるのです」


 片方の影、それは若い女性だった。その声は、普段より一際美しく優しい。そして、どこか嬉しそうで。でも、不安げで。イージャンは、そんな声に自分の体を包み込まれた様に感じた。


 すると、何故だか分からないが、全身が強張ってしまう。鼓動も早くなっている。だけど、このままずっと傍にいたかった。


 自分でも、良く分からないこの状況。これでは上手く話せそうにない。だが、答えない訳にもいかない。


「わ――、渡したいもの――?」


 どうにか一言伝えて、その女性を見つめる。月の光に照らされ、美しい曲線を描く顔の輪郭。黒みを帯びた紫色の長い髪も、艶も帯びてその両端へなぞる様に、輝きながら垂れゆくようだ。


 そこから見え隠れする、目尻の下がった眼差しを優しそうに細め、彼女は自分の大きく膨らんだ胸元をそっと抑える。そして、


「はい……」


 静かに笑みを浮かべた。



**********



 それは以前、王宮で催されたとある晩餐会での事。


 その晩餐会を、途中で抜け出したイージャン達二人は、少し離れた場所にある庭園に向かって歩いていた。


 徐々に遠ざかっていく優雅な喧噪。楽しげな音楽や人の声も聞こえなくなってくる。その間、この二人が喋ることはなかった。


 寡黙なイージャンに気を遣ったのだろうか。連れ立った若い女性から、「私が良いと言うまで喋っては駄目」と、冗談っぽく言われていた。


 彼からしても、この言葉はとても有り難たかった。こんな状況で何を喋ればいいのか分からない。間を持たせられない。そう思ってしまっていたからだ。普段、そんな事は全く考えたことがないのに、彼女の前では違うらしい。


 そして、その緊張を更に酷くしているものがあった。自分の左手から伝わるこの柔らかい感触。初めは冷たかったのに、いつの間にか温かく感じる様に。二人は手を繋いでいた。これは、行き先を知らないイージャンの手を引くため、自然と繋がれたもの。


 夜で良かったと彼は思う。自分でも分かるくらい挙動不審なのだ。手を繋いでいる事で、もう一杯一杯。胸の鼓動は激しく、ちゃんと歩こうとしても上手く体が動かない。同じ側の手足も、同時に出たりする始末だ。彼は、緊張の極致にいた。


 やがて、二人は庭園まで辿り着いた。その庭園は迷路の様で、生垣の壁も今は暗く、曲がりくねった道を作り広がっている。二人は、そこを静かに進んでいく。


 それから、その道を抜けて、開けた場所に出た。目の前に見えるのは、庭園の中央にある石造りの丘。その頂上には一組の石卓と長椅子があった。


「あそこに座りましょう」と、その女性はイージャンの手を離し、一人足早に階段を上っていく。そして、後ろを振り向いて、早く早くと手招きし急がせる。


 この状況にもようやく慣れ、緊張も少しずつ収まってきていた。彼は、それに安堵し一息吐くと、彼女に応えて足取りを早くする。

 

 丘を上りきると、満天の星空の中で月が輝いていた。今夜は綺麗な上弦の月。その光に照らされた二人の影も、浮かび上がっている。


 月の傍には、小さな青い光が瞬いて、何かを囁いているかのように明滅を繰り返していた。だけど、ある者には、その様子が何かを演奏し歌っているかのように聞こえたと言う。


『静寂の調べ』


 それが、この名の由来とされている。イージャンは、その青く光る瞬きをじっと眺めていた。すると、既に長椅子へ座っていた女性に呼ばれ、その隣りに座る。


 静かな夜だ。時折り、遠くから笑い声も聞こえてくるが、それも微かなもの。すぐに消えると、心地の良い虫の音しか聞こえなくなる。月明かりに照らされ、長椅子に並ぶように映った二つの影も、しばしその時に身を委ねた。


 やがて、女性の影が動く。ゆっくりと、寄り添おうとして彼の影に近づいていった。そして、二つの影が触れ合い、それに気付いた彼の影が顔を向ける。その顔を向けられた女性の影は、見上げる様にしてじっと動かなくなる。


 お互いに見つめ合った影。そして、再び、その形が動いていく。見上げていた女性の影が、さらに近づき重なっていった。


「そこまでです」


 突如として聞こえる別の声。その声にはっと気付き、飛び道具を警戒して、イージャンの隣から跳ね退く女性。即座に構えの姿勢を取る。


 腰を落とし上体を低く。それから、革の帯で足首まで編み上げられた白の『革履かわばき』(サンダルのようなもの)。踵は高くない。女性は、その踏み込み具合を確かめる。足の裏で、石畳を押し込むように何度か擦った。


 威圧も放ち始めたその身は、ほっそりとしており、イージャンほどには背が高い。手足も長くて、腰のくびれから足の爪先までの脚線が美しい。構えて膝が曲がろうとも、暗くとも、その美しさは変わらない。


 腰には、より深くなった水色の腰巻き(パレオのようなもの)を括り付けていた。姿勢が低くなると、その腰巻の切れ目から、素肌の太ももがすらりと伸びて丸出しに。


 構えた両腕は、肩まで露わとなって、体に張りつく様な、また透き通る氷の様な色をした上着を羽織っている。


 背中を覆うまで伸びた水色の髪は、右耳の後ろ辺りで束ねられ、緩めの三つ編みにされている。それには、雪の結晶に似せた髪飾りを幾つも差し込んであった。


 そして、まだまだ成長が望めるはずの、ささやかな胸。そこに掛かったその三つ編みを、一度、首を振って払いのけ、背中へと垂らし直した。


 それから、鋭く尖ったようなその両目で、自分達が上ってきた階段――声が聞こえてきた方を睨みつける。


 しっかりと、間合いの外から声を掛けてくるその嫌らしさ。しかも、死角であるはずの階段下から、この頂きを覗き見るそのやり口。それを忌々しく思いながら、油断なくその姿が現れるのを待ち構えた。


「カツン――。カツン――」


 声の主は、石の階段を上ってやって来る。足音を立て、一段一段と徐々に。その音に静かな怒気を込めながら。やがて、月の光に照らされたその姿が、暗がりから見えてきた。


 まず分かったのが、黒み掛かった紫色の髪。その髪は、緩やかに波打ちながら輝き、腰の辺りまで伸びていた。


 もし、背後から見ることができたなら、長い髪で蝶々結びにされた輪っかと、その結びから続く二つの束が纏められ、三つ編みになって腰の辺りまで垂れているのも、よく分かるだろう。


 だが、その顔は深く俯けられ、暗くてよく見えない。


 代わりに見え始めるのは胸だ。それは女性の胸。とても大きい。侍従官が着る銀の刺繍が入った襟付きの白い長袖が、そこだけはち切れんばかりに膨らんでいた。


 襟に巻かれ胸元で結ばれた赤い紐が、階段を一段上がる度に、その胸に弾かれ何度も浮かび上がる。


 両腕も見えてきた。垂れ下がっているが油断はない。その両腕には、二の腕辺りまでを覆った『(やわ)籠手(ごて)』(布製の籠手のようなもの)が通されている。


 また、それを肩の辺りにある裄吊ゆきつりを兼ねた黒の腕章を巻いて、ずり落ちない様にしていた。


 そして、お腹に巻かれた、暗い紫の鼓帯(つづみおび)(コルセットのようなもの)。これも見え始めて、ようやくこの女性は再び口を開いた。


「そんな所で――。一体何をしているっしゃるのですか……?」


 それは、底が見えない仄暗い声。この月の明かりさえも遮り、辺り一帯を深い闇へと引きずり込む様だった。


 そして、その暗い声が、底を見せぬ渦巻く殺意と憎悪をより一層うねらせ、イージャンと一緒にいた女性へと放たれる。


「お答え頂きましょうか……。ササレクタ様……?」

「ちっ!」


 自分の名を呼ばれたその女性は、顔を強張らせた。と、同時に「カツン」と足音が鳴り響き、それでもう聞こえなくなる。問い質してきた女性は、階段を上りきった。


 この音の元は、爪先立ちするくらいには高くなった黒い革履きの踵だ。また、その革履きも足首まで編み上げられている。


 そして、腰には、(すね)の辺りまで覆う、黒の『細裾(さいくん)(タイトスカートのようなもの)』。これが巻かれおり、合わさった端と端が、右足に沿って切れ込みのようになっている。


 その隙間から、中に穿いている黒い『緊袴(きんこ)(レギンスのようなパンツ)』が見えていた。この緊袴は、革の帯が巻かれた足首あたりまである。


 その足は階段を上りきったまま動かない。だがその代わりに、俯いていた顔が、ゆっくりと持ち上げられていく。


「それから……」


 そう呟きながら、その素顔が現れ始めた。


「あなたも、一体何をしているのですか……?」 


 ゆっくり、ゆっくりと。そして、月の光に照らされたその表情が露わになる。


「――っ!!?」


 イージャンの息が詰まった。もう二度と呼吸が出来ないほどに。


 それは、この国一と謳われた美女の無表情であった。しかも、月明かりのせいで、その表情に明暗がある。おかげで、彼でなくても、誰が見ても超が付くほど恐ろしかった。


 そして、そんな恐ろしい美女の瞳孔が一瞬絞られ、声の主――シビアナは、その表情と同じく。全ての感情を失くしたような声で呟いた。


「イージャン……」

 


**********



 さて、この状況を説明せねばなるまい。


 このままでは、イージャンは二股をかける非道な男。女泣かせの浮気者。そして、その浮気現場を恋人のシビアナに押えられ、ジャムシルドに抹殺される運命を辿っていく――。


 そんな哀れな男という事になる。別に、それでも構わないかもしれないが、しかし事実は異なる。それは間違いなのだ。


 イージャンと一緒にいた女性――ササレクタは、ずっと前から彼に惚れていた。その彼女が、イージャンを大事な話があると言葉巧みに連れ出し、既成事実を作ろうとした。


 それをシビアナが防いだ。これがこの一件の簡単なあらましだ。つまり、これはササレクタの横恋慕なのである。だとしても、妙な事は多々ある。手を繋いでどきどきしたり、見つめ合ったり、と。


 まず、手を繋いでどきどきしていた理由だが、それはササレクタのその力にある。


 彼女は、騎士最強のイージャンより遥かに強い。しかも、近衛騎士より身分が上となる、将軍という地位に就くことが内々に決まっていた。下手をすれば首が飛ぶかもしれない。そのままの意味でも。


 そんな女性に手を繋がれて、どうしていいか分からず、せめて粗相をしない様にと緊張していた。下手を打つのが怖かったというわけだ。


 だが、そもそもシビアナとは、もう既に恋人同士という間柄。そう言っても差し支えないだろう。それくらいの仲ではあった。


 それなのに、別の女性と二人して夜の庭園に行ったりする、その感覚がおかしい。ササレクタが如何に身分が上であろうとも、シビアナを理由にすれば問題なく断れるのだ。


 王女の側付筆頭侍従官でもあるし、王家とも由縁が深い彼女は、将軍と言えどもそうそう無茶な事はできない。そういう立場である。それなのに、何故なのか。


 実は、様々な女性から、うっとり視線を向けられる良い男。このイージャンに、シビアナ以外の恋愛経験はない。だが、まあそれは良しとしよう。誰にだって恋愛の最初はあるだろうから。


 問題はそこではない。問題なのは、イージャンには恋愛感情と言うものが、今まで全く微塵も備わっていなかったと言う事だ。彼にとって女性も親しくなれば、男性と等しく友人だった。それ以上はなかったのである。


 実際、ササレクタと見つめ合っていたが、目を潤ませ雰囲気を作ろうとしていた彼女と違い、彼は「何でこっちを見たまま黙っているんだろう? それよりも早く話をしてほしいんだが……」くらいしか思っていなかった。


 元より、恋愛というものが、何なのかさえも知らなかった。その言葉さえも知らなかったと言って良いだろう。今はその言葉は知っている。恋愛それ自体については、今でも怪しいものであるが。


 だから、恋人がいるのにも拘らず、別の女性と二人っきりになっても、情事に関わる問題に発展するなどと思うことすらない。


 彼からすれば、「男女? いや、ただ二人で話しているだけなのに、それの何が悪いんだ? 意味が分からない」ぐらいの乗りなのだ。


 男女で体つきは異なる。それくらいの理解はある。だが、イージャンは、男と女の区別の仕方が他の者達と比べて、まるっきり違うのである。


 これは、今まで恋愛に興味がなかったのだから仕方がないとか、そんな生易しい言葉では片付けられない。やはり、彼は常軌を逸している。


 そして、本当に女性を女性として認識していなかった。例えば、女の子の下着姿や裸を、偶然見かけたとしても、良くて冬に「寒そうだな」と思う程度。これ以外の時は、特に何も感じない。素通りである。感覚が二歳で止まっていた。


 ただ、結婚についての知識は、ほんの少しある。ほんの少し。イージャンにも両親がいたし、どこぞの鳥にでも運ばれて来たわけではない。天上から差し込む光の中から舞い降りてきたわけでもない。


 それに、自分の両親の事は、しっかりと覚えていた。家は夫が買う物だ――とかも、この辺りに起因している。


 だけど、それ以外は殆どない。もう分かった気でいたのだ。結婚は男と女でする。そして、男性は父親。女性は、母親と呼ばれるようになる。あと、子供も生まれる。このくらいで、彼にとっては十分だった。それ以上、考えることはなかった。


 そして、残るは、二歳児が訳も分からず、口に出す様な事ばかり。それが相当変わった偏見というものとなり、凝縮して小石みたいになって。路傍の隅にでも、適当に放り投げたような有様。


 剣術の研鑽に費やした幼少期から思春期、そして現在。剣一筋で生きてきた彼は、稽古に夢中になり他の事は目もくれなかった。悲しい事に、そのせいでこんな結果を招いていたのだ――、という事では一切ない。


 イージャンは天然だ。天然でこのような朴念仁なのである。永遠の二歳児イージャン。いつの日か、このような異名で呼ばれる日が来るのかもしれない。



**********



「シ、シビアナ――!?」


( か、彼女も、ここに呼ばれたのか!? ) 


 と、イージャンは立ち上がり、冷や汗を掻きながら、見当違いも甚だしい事を考える。


 ちなみに、驚いて立ち上がりはしたが、体の方はそのまま硬直。シビアナが、どうしてここまで異様な状態になっているのか、その理由は当然分からない。


 だが、それでも今までの経験から、全身で己が身の危険を感じていた。知っている。あの雰囲気は、本当にやばいのだと。


「くっ!」


( あと少しのところを――! )


 ササレクタが悔しそうに顔を歪ませる。シビアナは、その顔をねめつけた。


「全く……。油断も隙もないとは、この事ですね……」


( そして、何度同じことを繰り返せば気が済むのか、この女狐は…… )


 このような状況は、一度や二度の話ではなかった。その度に、彼女が未然に防いできたのだ。鈍感の域を超えるイージャンには、それが良く分かっていないが。


 ただ、この二人の仲が悪いのは、良く分かっていた。なら、彼女の恋人である以前に、ササレクタと二人で会うというのは控えた方が良い。例え、女性を女性と認識できなくても、そのくらい事は考え付かないのだろうか、この男は。


 ただ、これについては擁護の仕様はある。いつもササレクタが、半ば強引に既成事実を作ろうと誘ってくるので、次期将軍と近衛騎士という立場もあり、やはり断りきれなかったのだ。


 そして、そのササレクタが、今の状況も打開しようと自ら動く。


「シビアナ。邪魔をしないでくれるかしら? これはわたくしとイージャンの話。貴女には、一切関係のない事ですわ!」


 彼女は開き直った。


「そういう訳には参りません……」


 それはその通りだ。一触即発。殺意の応酬が、両者の間にほとばしる。お互いの視線がぶつかり、本当に火花でも散りそうだ。そして、そんな女性二人に挟まれて、おろおろとするだけの男イージャン。


 お前は、「やめて! 私なんかを取り合わないで!」ぐらい、冗談でも良いから言ってみろ。しかし、元より、大抵の人間が分かりそうなこの状況を、呑み込める可能性が無に等しいので、それは無理だ。


 そして、依然として事態は動かない。互いに睨み合ったまま膠着状態。しかし、


「そんな所で、何をやってるのおお~~?」


 シビアナの背後から、また別の誰かの声が聞こえてくる。おどろおどろしい。わざとらしくも聞こえるその声の主が、階段をゆっくりと上がってきていた。すると、ササレクタがぎょっと体を引きつらせる。


「うっ!?」


( こ、この声は――!? )


 変な声を出してるが、聞き覚えのある事に間違いなかった。その声の主は、シビアナの様にゆっくりと上がってくる。そして、同じ様に伏せた顔が、丘の頂きにいる三人に見え始めた。すると、もう一度声が聞こえてくる。


「何をしているのおお~~? サっちゃああん……」

「ス、テライ様!?」


 階段を上がっているのは、王の盾ステライであった。ササレクタは、その名を呼びながら、数歩後ずさっていく。それは、怖いからと言う訳でなく、彼女にとっては苦手な相手だからだ。そして、その様子を眺めていたシビアナは、


「ふっ……」


 勝ち誇ったような顔で、目を閉じる。


「あ!」


  この女、助っ人呼んでいやがった――! と、それに気付いたササレクタは、怨敵を睨みつけ忌々しげに顔を歪ませる。そして、階段を上りきったステライが、彼女達から距離を取って、顔を伏せたまま立ち止まった。


「サっちゃああん……」

「な、何ですの!?」


 ステライは伏せた顔をゆっくりと上げる。そして、胸の前で、盾の嵌った両手を垂らし、ぷらりぷらりと妖しく揺らし始めた。


「人の恋路を邪魔するとねえええ~~? 羊に蹴り飛ばされて、死んでしまうのよおおお~~~?」

「はあ? そんな羊、返り討ちにして差し上げますわ! それに、これはわたくしの恋路! 蹴り飛ばされるのは、寧ろそこの女ですわよ!」


 ササレクタは、シビアナを勢いよく指を差した。すると、その指をへし折りたい衝動に駆られたシビアナが、叩き折るようにして、すぱっと反撃する。


「私とイージャンは、既に公認の仲ですが?」


 言葉にまではしていないが、確かにジャムシルドが認めてしまっている。そのため、そう言う風に見る者は多かった。


 また、そう言う風に見える様にもした。「ああ。もうこの二人は結婚するんだなあ」と。しかし、その工作も知っているササレクタは気にしない。


「はん! それがどうしたって言うんですの? 全然関係ありませんわ!」


 そう嘲笑ってその胸を張ると、にやりと口許を歪める。そして、見下ろしながら、得意げに吐き捨てた。


「だって、認めてませんもの! このわたくしが!」

「何だと……?」


 王の言質が、まだないのを良い事に。自分の苦労も知らず、あまつさえ、それをぶち壊そうとする。


 その物言いにカチンときたのか、シビアナは構え始めてしまい、ササレクタも同じようにじりじりと構えていく。再び視線が激しくぶつかり合い、お互い臨戦態勢に突入である。


「全くもう……」


 ステライは、やれやれと溜息をいた。


( サっちゃんは聞く耳持たず。シビアナも安い挑発に簡単に乗るし……。ホント仲が悪いわねえ。まあ、それも仕方のない事だけど…… )


 彼女は、この三人の関係を把握している。もちろん、イージャンが人外の鈍感である事も承知済みだ。


 確かに、このまま観戦したい気もあった。しかし、自分が何も介入しなければ、血を見ることになる。それは流石に不味い。ジャムシルドにも怒られる。そう判断したステライは、強硬策――有無を言わさぬ最終手段に打って出た。


「…………」


( さて―― )


 シビアナとササレクタが、まだお互いに睨み合っている。離れている自分には目もくれない。それを確認して。彼女は、恭しくお辞儀をした。


「…………。お願い致します」

「はあ……。分かったよ……」


 互いに、その声は誰にも届いていない。だが、月の光はある。合図としたそのお辞儀はちゃんと見えていた。


 黒い人影。王宮の方から、ササレクタの背後目掛け。一直線で空を飛び突っ込んでくる。気付かれては確認した意味がない。だから、ステライが、お辞儀を始め言葉を発した時には、もう既に事が終わっていた。


 城壁をも粉砕する、渾身の力で投げつけられた槍の様に。その威力で、通り過ぎた庭園の迷路も歪み、枝葉が弾け飛ぶ。


 黒い人影が、ササレクタの間合いに入る。音も彼女の耳に届く。気付いた。だが、もう遅い。ステライがお辞儀をした瞬間。その影を、目端で捉えられる様にしていたシビアナが、右手の指を一気に開く。その指に意識が取られ、動くのを躊躇してしまったからだ。


 そして、周囲を襲う暴風。ササレクタを襲う衝撃。その勢いに耐え切れず、彼女は抑え込むのに何歩も前に出しまう。


 しかし、これだけで済むのは、その力があったればこそ。常人であれば、抑え込むこと自体不可能だ。そして、飛びついた人影は、すでに彼女の背後から自分の腕を回し、がっちりと抱き抱えていた。


「ぐうっ!? しまった――!」


 ササレクタは両腕を動かせない。封じられてしまったと焦り、それを振り払おうと体を捩じる。だが、思う様に体が付いて来ない。それは、人影の力。そして、その人影の両足が、地面に張り付いた様になって、離れないからだ。


 その様を見て、シビアナは勝利の笑みを浮かべた。そう。自分は、注意をこちらに引きつけておくための囮だったのである。


「…………」


( 流石です。私が手を出す必要すら、なかったかもしれませんね )


 そうは思っているが、躱される可能性。それ自体はあっただろう。そうなった場合は自分も動く気だった。その手立ては、すでに仕込み済みである。それが先程牽制をしてみせた右手だ。


 彼女は、その右手を背後に。指を丸め込んで、柔ら籠手の袖口に中指入れ、隠したその仕込み――仕掛けを外す。それから、左手を丁寧に揺らす様にして合図。周囲に控える者達も下がらせた。


 とは言え、これはもう大丈夫だと安心したからではない。未だ予断を許さないのを彼女は知っていた。だが、最早通じないのだ。自分の仕掛けや周囲の者達では。


 あくまで、自分達は奇襲を成功させるための補助、そして次善策。それだけでしかない。だから、最悪の事態も想定してるシビアナは、彼らに被害が及ぶことを懸念して下がらせている。


 そして、彼女は油断なく、ササレクタ達をそのまま注視した。すると、抱きついた黒い人影が、得意げに言い放つ。


「残念。気付くのが少し遅かったな」


 それは、若干籠ったような声だった。ジャムシルドにでも似たかの様な、そのきつい目。それ以外が、黒い布で覆われているからだ。頭にも、髪の毛を包み込むような黒い布が巻かれ。その身に着けた服も、手や足も肌が見えず。全身真っ黒だった。


 夜である事も手伝い、月の光があっても、流石にこれでは誰であるか分からない。しかし、ササレクタはその声も知っていた。


「姫ちゃん!?」

「ふふん」


 彼女の言葉通り。黒ずくめの衣装に身を包んだこの者こそ、トゥアール国第一王女リリシーナである。


 本来の見た目は、非常に可愛らしい少女なのだが、今は変装しているため、その背格好から少年のようにも見える。ササレクタが長身のため、その少年が後ろから母親にでも抱きついている様だった。


「――くっ!? 放しなさい、姫ちゃん!」

「無理だって。そんな事したら、私がシビアナに何されるか……。――あ。言っとくけど力使うなよ?」


 ササレクタの持つ力を使えば、こちらも更に使わざるを得ない。そうなると、最悪ここは瓦礫の山と化す。シビアナの懸念もこれだ。そのため、リリシーナは釘を刺した。


「はん! そんな力を使わずとも――!」


 ササレクタには、この拘束を無理矢理引き剥がす自信があった。だが、


「くっ!?」


 おかしい。いくら力を込めようとも、引き剥がせない。しかし、その理由がすぐに思い当たる。リリシーナからも温もりが伝わって来ていた。


「姫ちゃん! 貴方の方こそ、『血統の力』を――!」

「ふっふっふー」


 『血統の力』とは、王家の女性だけが使える力。その力を使ったリリシーナは、ササレクタの捕縛に成功していた。


 しかし、この力は人前で使用することを禁止されている。正式に使うには、この力を知る国王か、それに近い権力を有する者達からの許可が必要となる。だから、ササレクタは咎めたのだが、


「ああ、だいじょびだいじょび。許可は取ったんだってさ」

「なっ――!?」


 その許可は、今のササレクタの驚きを見て、にっこにこのシビアナが当然の如く取っていた。


「ほら、じたばたすんじゃないの」

「くっ! このお!」


 ササレクタは、何とかこの拘束から逃れようと、もがく。だが、どうしようもない。普段のリリシーナであれば、無理矢理引き剥がす事もできていた。


 両者互いに、ぶ厚い石壁を物ともせず拳で砕く。それくらいは簡単にやって退ける。それだけの力を持っているのだが、まだ自分の方が上だったからだ。しかし、そんな怪力を持つ彼女でさえ、今のリリシーナには一切抗えなかった。


「ぐううう――!」


( ダメですわ! びくともしない! この状態の姫ちゃんはやはり! ならば――! )


 ササレクタの気配が変わる。瓦礫なろうがどうでも良い。自分の力を使おうと、全身にその力を巡らせ始めた。


「やめろ――」


 リリシーナが、瞬時にその異変に気付き、威圧をぶつける。


「使ったとしてもダメだろうが。この拘束は解けない。力の差は変わらないだろ? 私も使うからな?」

「く!」


 後手も良い所。ササレクタは力を巡らせるの止め、戦意を緩める。この状況下では、自分のその力を使おうとも、どうにもならないと悟った。


 それを察したリリシーナも、威圧だけは解く。それから、何故だか無性に、げんなりとした気持ちになった。


「――ったく。どして、私がこんな恰好をしてまで――」


 そう愚痴るのも無理はない話。その出立ちは、まるで夜の闇に潜む間諜や暗殺者のようだ。一国の王女が着る様な服ではいだろう。ただ、この黒衣、ただの服ではない。それを、敢えて着なければならなかった理由はあるのだが。


「ホントさあ、どうかと思うよ? お姫様だよ、私? それなのに、いきなり――」

「ありがとうございます、殿下」

「う!? ああ、うん……」


 不要とあらば、容赦なく発言を遮ってくる自分の侍従官。しかも、先程、この力を使うため、無理矢理酷い事をされた。それを糾弾する暇もなく、ステライが来てそのままなし崩し的に、この服を着せられていたのだ。


「…………」


( 逆らうと、何をしてくるのか分かったもんじゃない……。しかも、なんかすっげえ怒ってるし…… )


 その雰囲気から、危険な香りを察知したリリシーナ。この場はさっさと離れて下さいと、本能が告げてくる。


( ま――。十個も弱みが減ったんだから、もうそれで良しとしよう…… )


 シビアナが握っている彼女の秘密。今回、手伝う事で、ちょっと人には言えない様な、そのやらかしを闇に葬る事が出来た。そういう取引があったと言う訳である。


 だから、さっさと退散すると決めた。それに、そんな悠長に拘束が出来ない理由もある。


「じゃあ、時間もないし暑いし。私は行くから……」

「はい。よろしくお願いします」

「へーいへい。――よっと」


 シビアナに呆れつつ、リリシーナは、ササレクタをそのまま背後から持ち上げ歩き始めた。


「姫ちゃん! 放しなさい! 放しなさいいいー! ですわ!」

「分かった分かった。後でな」

「きいいいいいいー!!」


 ざまあみろとでも言いたかったが、それでキレられたら面倒だ。今回は、これで良しとしますか。と、ササレクタの悔しそうな様子を見ながら、シビアナは一先ず溜飲を下げる。


「しっかし、お前……。よー分からんが、イージャンの事になると。途端に、なーんか人が変わったようになるよな……」


 リリシーナは、不思議に思いながら階段を降りていく。そして、やがて二人の奇妙な姿が見えなくなり、その騒がしい声も、夜の暗闇の中へと消えていった。


「ふふふ――!」


( 殿下もまだまだ子供なのですね )


 ステライは、リリシーナ達が消えて行った辺りを眺めながら笑う。それから、残ったシビアナ達二人に振り返った。


「それじゃあ、シビアナ、イージャン。私達はこれで」

「はい。ご足労頂き、ありがとうございました、ステライ様」

「良いのよ」


 面白かったし。そう思いながら、お辞儀をするシビアナに手を振ると、階段を下りていく。先に行った二人の後に続いて、暗闇の中に消えていった。それをお辞儀をしたまま見送るシビアナ。そして、呆然と立ち尽くすイージャン。


「…………」


( い、一体……、今のは何だったんだ……? )


 嵐のように去って行った三人。置いてけぼりをくらっている彼は、ただその事態が収束していくのを、ずっと眺めているしか出来なかった。


 分かっているのは、残されたのが、シビアナと自分だけという事。お辞儀を終えたそのシビアナの後ろ姿からは、何故だか静かなる怒気を感じる。そして、先程見せたあの無表情――。彼は知っていた。こういう時のシビアナはホントに怖いと。


 嫌な空気だ。しかも、まだまだ晴れそうにない。だが、未だ状況が呑み込めないイージャン。このまま訳の分からないのは良くないと、意を決してどうなっているか聞く事にした。


「え、えーと。シ、シビアナ……」

「…………」


 彼の言葉は届いていなかったようだ。シビアナは振り向いてくれない。だから、勇気を振り絞って、もう一度呼ぶ事にした。ごくりと喉が鳴る。


「シ、シビアナ……」

「…………」


 駄目だった。じゃあ、今度は呼び方を変えてみようと思った。


「シビアナ、さん……」

「…………」


 また駄目。ならば、もう一声。


「シビアナ、様……」

「…………。はい?」


 良かった。どうやら、声が小さくて届いてなかったらしい。もしくは、考え事でもしていて気付かなかったのだろう。その証拠にほら。笑顔で振り向いてくれた。彼は、そうやって無理矢理安堵すると、言葉も無理矢理続けた。


「その……。す、すまないんだが、この状況を――」

「はい?」

「いや、そのじょ」

「はい?」

「状」

「はい?」

「い、いえ……。何でもありません……」


( 駄目だ。やはりすごい怒っている…… )


 シビアナの笑顔に気圧されて、敬語になるイージャン。困り果てて渋い顔になっていた。


( うううん……。ササレクタ様と会っていたのが駄目だったのか? いやしかし、例えそうだとしても何故ここまで……。ううううん、分からない…… )


 考えあぐねる彼には意味不明でも、シビアナからすれば、それは当然である。


 ササレクタへの溜飲は下げたが、こちらに対しては、まだ腹の虫が収まっていなかった。何たって自分達は恋人同士なのだ。


 そう、彼女たちは恋人同士。逢瀬を繰り返し、お互いどんどん惹かれ合っていく。そんな毎日が幸せな恋人同士なのだ。


「…………」


( 恋人。恋人ですとも…… )


 シビアナは、ちょっと自信を失くしかけたが、気を強く持って取り直した。ともあれ。自分たちは恋人同士なのに、イージャンは他の女性と二人っきりで会っていたのだ。怒るのは当然である。


 彼のこの異常なまでの、女性に対する態度の事は、良く知っている。とは言え、それはそれである。やはり腹が立って仕方がなかった。


 シビアナは作った笑顔を戻すと、今度はむすっとしていた。それから、黙ったままイージャンの前を通り過ぎ、長椅子に座る。膝の上に両肘を置いて頬杖をついた。


 そして、とんとんと長椅子を指で叩き、隣に座れと命じた。それを察したイージャン。こういうのは気付ける。慌てて隣に座った。しかし、それから何もされない。何も言われない。そのまま無言の時が過ぎていく。


「…………」


( き、気まずい…… )


 彼は、冷や汗を掻いていた。そんな様子を横目に、シビアナはむすっとしたまま溜息を吐く。


「ふう……」


( 本当にこの人は、恋愛というものが何も分かっていません。何の疑いもなく、こんな所までのこのことついてきて……。非常に、いえ異常に危険です。あの女狐が言った、さっきの恋路という言葉にも、何ら反応を示さなかったですし……。このままでは、いつか本当に取り返しのつかないことになってしまいます )


 本当にその通りである。異論の挟みようがない。


「これは、浮気を呼びこまないよう、相当な矯正――。いえ、再教育が必要みたいですね……」


 まず、恋愛に関する一般常識から教えていこう。危機感を募らせたシビアナは、そう決意した。すると、その言葉に気付いたイージャンが、彼女を見て不思議そうに首を傾げる。


「さ、再教育?」

「…………」

「シ、シビアナ?」

「何でもありません」

「は、はい……」


 いつもこうだ。と、シビアナは再び湧いてきた不満をぶつけた。


( 本当にいつもこれです。私の気も知らないで、いつものほほんとしている。いつも私が防いでいるのに……。それなのに何も分かっていない。何もしてくれない。不公平です。不愉快です。理不尽です )


 ちなみに、公認の仲になる前は、もっと酷かった。色んな女性が、イージャンに言い寄って来たのだ。


( 愛に見返りを求めるなとは言いますけれど、それにも限度があります。要は加減なのです。でも、その加減すらない。く、口付けだって……。その……、ま、まだなのですよ? 本当にもう…… )


 自分の懐にあった小箱を、服の上から大事そうに掴んだ。


( せっかく今夜渡そうとしてましたのに。それも全部ぶち壊し。嫌になってしまいますね…… )


 この晩餐会の後でなら、彼も時間が取れる。それを事前に確認していた。だから、頃合いを見計らって声を掛けようと考えていたのだ。


 しかし、その前に、ササレクタによって連れ出されてしまい、急遽、イージャン奪還作戦を実行しなくてはならなくなった。


( 本当に、この人は私の気も知らないで、のこのこと――! )


 その作戦に支払った自分の代償を思い出し、怒りが更に増していった。 


「…………。はあ……」


 でも、とシビアナは思う。


( これが、惚れた弱みと言うものなのでしょうね……。相当にやられています。まさか、この私がこんな事で一喜一憂するとは、思いもよりませんでした )


 そして、それが嫌な事とは思えない自分にも。


( そう、ですね……。この人が、悪いわけではないのです。知らないだけ、分からないだけ、それだけですものね。これから、恋愛に対する教養が身に付けば、それも次第に変わって来るでしょう。そして、その暁には―― )


「私という恋人を、もっと大切にして下さいね?」


 どうしてこんな事を、いきなり言い出したのか。それは分からなくて良い。今はただ「はい」と言えば、それだけで今夜の事は許してあげます。


 そう思いつつ、両手で頬杖を突いたまま、ちろりとその恋人を仰ぎ見るシビアナ。すると、その言葉にも気付いたイージャンが振り向いて、彼女の顔をじっと見つめた。


 見つめられたシビアナは、ちょっと胸が高鳴ったりする。そして、彼は、そんな彼女を見つめたまま、不思議そうに首を傾げた。


「ん? 今、何て言ったんだ?」

「…………」

「シビアナ?」

「……………………」


 この――! どぐされ難聴・鈍感・無自覚・優柔不断男は――! しばいたろか! なんで、さっきの聞こえて、今のは聞こえないんだよ! おかしいだろ!?


 シビアナの心中に渦巻く思い。言葉使いは、もっと優雅なのだが、簡単に言うとこんな感じであった。そして、


「いえ。何も」


 お怒り心頭の彼女は、「もういい。お前は少し黙っていろ」と、そんな思いを乗せ、にっこりとほほ笑んだ。


「そ、そうか……」


 先程以上に、只ならぬ雰囲気を感じ取り、そう返すが精一杯であった。咳払いをすると、目の置き場に困ったイージャンは、月を眺める事にした。


( 綺麗な月だな、うん……。はは……、はははは……。はあ…… )


 それから、シビアナの機嫌が直るまで、この気まずい沈黙はしばらく続いたのである。

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