第4話(最終話)
いよいよ居残り最後の日になった。朝から、今日も遅くまで帰れないのかと思うと憂鬱になったが、今日で最後だからと気合いを入れてなんとか授業を乗り切った。授業が終わり、掃除を終えて補修が始まる前までの休み時間、また中庭に行くと山岡やクラスの連中が休憩していた。私もベンチに腰掛けて、上を見るた蘇鉄の葉っぱがふわふわ揺れて、青い空がある、ちょうど眠くなる気温だ、山岡に「今日で最後だなー」と声をかけると「最後にしたいね、でも試験の度に居残りがあるとまた悲劇が繰り返されるだけだ」と少し焦ったような表情で言った。「えっどういうことだ?」
「そもそも、頭が悪いから、テストで悪い点を取る。それで居残りになる」「まぁ確かに」「じゃあ、その頭が悪いって言うのは、どうしたら良いんだ、どうしょうも無い、どうしたら良いと思う?」ただでさえ頭が悪いのにこんな問題にどう答えたら良いんだしばらく悩んだ後「うーん、例えば、試験をサボるとか…試験が無いとこに行くか…かなぁ、どっちも無理だけど」
それからなんとかかんとか補修を受けて、休憩時間後一時間で補修も終わる。目がしょぼしょぼした。 突然後ろの席の奴が「帰りたい。早く帰りたい」と言い出した。「まぁ、もうすぐだから」と振り返ると半泣きだった「おい、どうし」言いかけて妙な事に気づいた。休み時間にしてはなんか静かだと思ったが、クラスの全員が窓の方をみていた。視線を追っていくと、暗くなり出した濃い青の中に星が、「じゃあ帰るか、」と岡田が言って、さっさと教室をとっとと出て行ってしまった。他のクラスメートもぞろぞろ出て行ってしまった。
「おい、まだ一時間残ってるぞ」
階段を駆け下りて、昇降口を上履きのまま駆け出した。まるで赤い不思議な液体の中に浸かっている用な夕暮れ、クラスメート輪になって並んでいる後ろでは箱根の後ろに日が静もうとしている、一瞬何か眩しさに目を瞑るとグラウンドには誰もいなくなっていた。
目を覚ますとどこをどう歩いたのか家についていた、窓から星が見える、あれで何か時間を知ろうとしていたんだとわかった
月曜日、登校すると八組の教室が無い、慌てて職員室前に張りっぱなしになっているクラス分けの表を見た、俺は7組になっていた。
あぁ帰ったんだと思った。そして俺は居残り
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