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エッセイ書いてみた

伝統とはなんでしょう

作者: 愛松森

 先日、私の通っている高校で体育祭が催されました。台風接近に伴う雨などで当日の朝も雨が降りましたが、朝から全員でグランドの整備などをしてなんとか成功させることが出来ました。


 さて、ここからが本題です。私の学校はまだまだ歴史も浅く、今年で創立四十三年です。その四十三年の歩みの中で、体育祭で受け継がれているプログラムが二つあります。年々、色々な競技が変更になったり、新しい競技が加わっていく中、その二つだけは残ってきました。一つは全校応援、もう一つは演目です。私たちにもそれらに対する誇りというものがあるのですが、私たちよりもより誇りを持っているのがOBの先生たちです。


その先生の口癖は、「昔のW校は、・・・」という文言で始まります。この文言を口にされては、後輩にあたる私たちには反論余地がありません。「伝統」や「精神」などという言葉もしばしば使われますが、あまり生徒に響いていないことは見ていてわかります。


その受け継がれてきた競技は、男子生徒が上半身裸になって演目をするというものです。OBの先生ももちろんこの演目を経験しており、「体育祭はこれの出来栄えで良いものか、悪いものかが決まるといっても過言ではない」や「まず、OBや地域の人がきくのは、今年の体育祭どうやった?じゃなしに、今年のこれはどうやったか、っていうことや」などと体育の時間に語っていました。


しかし、その先生が指導している内容が昨年行った動きと違っている部分が多々ありました。そのたびに、「先生、去年は違います」などと生徒が先生の間違いを指摘しました。


伝統とは、ただ形ばかりのものに過ぎないのでしょか。正確に受け継がれているのは、上半身裸で行うことと、集団走の掛け声と動きだけに過ぎません。OBの人が語るような、熱い思いや精神などはいっさい感じません。受け継がれていません。


それを最も象徴した先生の言葉が、「裸がお前たちの正装や」という言葉です。これを聞いたときにはさすがに笑ってしまいました。こだわっているのは、あくまでこの部分のようです。「県内では、昔はたくさんの高校が上半身裸でしよったが、今はうちとE高、N高、C高、T高ぐらいじゃ。お前らはもっと誇りを持て」とも言ってました。生徒の私からすれば、沢山あるじゃん、っとツッコミを入れたい気持ちになりましたが、先生はよほどそこに誇りを持っているようです。


他校の伝統と呼ばれているものも、このような形ばかりのものなのでしょか。だとしたら、伝統といものはあまりにも儚いものだと思います。皆さんは、どう思われますか。



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