空白のピースですらない
私は他者に映った「私」しか知らない
知ることができない
絶対的な「私」を私は知らない
つまり私はそこに存在しない
他者の尺度で測った
「私」をつくりあげる要素のかたまり
同じ「私」はひとりといない
私は他者に依存する
からっぽの、私
パズルの足りないピースみたいな
周りによって形だけはわかるけど
そこになにが描いてあるかはわからない
パズルのピースに代わりはないけれど
私の代わりはいくらでも
そのくせ
『私は私』などと詠うからたちが悪い
どこに私が存在するのか
私は他者に映った「私」しか知らない
「私」の存在は他者に依存する