羽拾い
小説のことはよくわかりません。
羽拾い
「何してんだい」
丸いメガネの男は、俺に話しかけた。
「ああ、天使の羽を拾って、これから街に売りに行くんだ。」
ボロボロの皮袋に詰めながら、男の丸グラスを覗いた。
「ユニークなメガネだね、俺はメガネをかけると、どうしても目と目の間が気になるんだ。
だから、かけない。まぁ目は悪い方ではないけどな。そんなことよりこんな所に来るなんて
珍しいね。廃墟マニアかな?」
「まぁな、この辺りを通った時に不思議と羽がここに落ちていくものだから
で、それは、金になるのか?」
物珍しそうに、丸メガネは尋ねた。
「まぁまぁだよ。そこらへんで働くよりはマシさ。俺はこれで食ってるんだ。
タバコと水とパンと果物を適当に買って、適当にテレビ見て毎日を過ごすんだ。
あぁ、ギターを弾くのもいいな、友達と遊ぶのもいい。でも最近会ってないけどね。」
そろそろ街に行く準備をして、どのくらいの金になるか予想しながら丸メガネを見た。
俺は続けた
「 そうだ、あんたは何してるんだい?よかったら教えてくれよ。」
丸メガネは落ちてくる羽を目で追いながら、手帳を広げた
「私は旅をしながら、体験を記録して、それを売る仕事だな。気に入っているよ。
もう売りに行くのかい?」
「ああ、あんたは残るのか?」
「ああ」
「そうか、まぁ俺はここら辺でいつも拾ってるからいつでも会えるぜ。じゃあな。」
俺はタバコに火をつけて、出口に向かった。
小さく丸メガネは呟いた。
「私は体験を記録しなければならない、だからこれからまた何処かに向かうよ。
さようなら、羽拾いの少年。良い体験だった。」
もう街に向かっている少年にはこの声は届いていなかった。
羽は不思議と落ちて来なくなった。
こんな感じで物語は進みます。
もっとアンニュイな雰囲気にしてみたいです。