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色彩BOX  作者: 秋雨 玲翔
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赤との出会い4

じゃり、じゃり。

砂浜の独特な音が歩くたび奏でられていく。

海の家を目指しているのだが、近づいてる感じがしない。

「なかなか海の家に着かないね。」

「そうだな。景色に変化があんまりないから進んでる感じがないのかもな。」

周りには海、林、砂くらいしかない。

さっきまで居た多くの人達は休んでるだろうか?全くと言っていいほど見かけなくなった。

「黄花、体調とか大丈夫か?」

体力面など、まだまだ本調子ではないはずだ。どうしても心配になってしまう。

「ちょっと体がだるいくらい。ここは街より暑いから。」

その程度なら大丈夫なのだが……。

顔色を確認してみると、あんまり良くなさそうに見えた。

「あともうちょっと我慢してくれ。すぐに着くと思う。」

「うん。」

少し急ぎ足で目的地を目指した。


海の家は平家のような構造をしていた。広くもなく狭くもなく、適度にくつろげる空間が用意されている。

食事処は座敷になっており、テーブルの上に鉄板がしいてあって焼きそばなどが作れるようだ。

「いらっしゃい!」

明るく元気な声が奥から聞こえてきた。

「2名様だね!そこの席に座っておくれ!」

赤いTシャツを着たすらっとした女性がすんなりと対応してくれた。

「じゃ、席に座ろう……黄花?」

黄花の方を見ると明らかに様子がおかしい。

荒々しい息遣い。そして、俺を見る目は焦点が定まっていないように見えた。

「黄花!大丈夫か!?」

「……ごめ……」

ドサッ。

そう言い残して黄花は俺に体重を預けて倒れてしまった。

「すいません!救急車を!」

黄花の苦しそうな顔が俺の心を埋めていった。

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