表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い糸  作者: 岡野佐夜
6/6

第六話 特別な愛を

その言葉に彼女は嬉しそうに微笑み、飛鳥の手を取った。

「ねぇ、飛鳥君の昔の話を聞かせて!昔好きだったモノとか人、なんでもいいの。飛鳥君の事が知りたいの。」

「僕ね、遥さんと付き合う前は三つ上の人と付き合ってたんですよ。」

飛鳥は晴海の暖かさを、温もりを、忘れたことは無かった。

「とても暖かい人だったんです。苦労しました。落とすのに三年もかかりました。」

「うそ。飛鳥君が三年落とせなかった人か…逢ってみたい。」

彼女は無邪気だ。

明るくて人の気持ちに敏感で、まるで女神のよう…。

「逢えないんです。あの人には…誰も。」

僕の中で、あの人は永遠に消えない。

例えこの先遥さんや別の誰かと新しい関係を築いても、きっと変わらない。

「ごめん。」

飛鳥の表情の微妙な変化を察したのか、彼女は俯いてしまった。

「遙さんが気にすることはないんです。もともと、初めからわかっていました。あの人のいない世界で生きてく時間が長いことは…。じゃぁ、今度は遙さんの話をしてください。遙さんは僕のどこを好きになってくれたんですか?」

「綺麗な言葉遣い、優しいところ、あったかいところ、かっこいいところ、全部好き。飛鳥君と話してると、自分の嫌な所とかもすきになれそうな気がしてくるの。飛鳥君は、私の理想。」

「ありがとうございます。もう、行かないといけませんね…。」

休み時間ももう終わる。

後三分もすれば、確実に二人は別々の教室という空間に囚われる。

それまでは…互いの存在を確かめ合いたい。

言葉だけでは足りない位の特別な愛を…今度はちゃんと一緒に。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ