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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第76話:ラナベルの秘密を知ったクラウド。傍にいたいと告げる。そして自身の身体に異変が?!



二人の間には静かな空間だけが漂っていた。


別に騙していたわけじゃない。でも…。気まずい。






ラナベル自体、歳を重ねていないことを忘れていたのだ。






少し黙っていたが、ラナベルは意を決してクラウドに打ち明けることにした。






「クラウド、私の話を聞いてくれる?私が何故年齢を重ねないのか。」




クラウドは驚きはしたがラナベルを思う気持ちには変わりなかった。だからラナベルの話を聞きたかった。




「うん、僕はラナベルがどんな話をしたってラナベルはラナベルだって思う。」




疑うことを知らない出会って間もない頃と変わらない瞳でクラウドはラナベルを見つめて言った。


ラナベルはクラウドがクラウドであって何があっても変わらないと信じられた。




「ありがとう。じゃあ、長いけど、聞いてくれる?」




そう言ってラナベルは話しだした。






自分が百合の園の番人の血筋の人間だったということ。そしてクラウドの父、ルクセブルへの愛を知ったことで百合の花を開花させれたこと、彼への愛を胸に一生を生きる決意をしたこと。それが不死の身体になったために年齢を重ねることがないこと。それを辞める方法は次世代へ引き継ぐこと。だけど自分が辛い思いをしたことを我が子へと継がせる気がないことを話した。そして、ルクセブルとは気持ちが一瞬通じていただけでそれ以上でも以下でもないということ。今でも彼が好きなこと。時々、クラウドの中に見え隠れする彼の姿を見出してはトキメキを捨てきれずにいること……………。








それらを静かに語るラナベル。


そしてそれを真剣に聞いて胸を痛めるクラウド。




〝今でも彼が好き─────父が好き、か。ハハッ、何年経っても勝てないのか。そして僕の中に父を見ていた……………。〟




クラウドはラナベルの父への愛の深さに驚いて深く傷ついていた。そして同時に彼女を救ってあげたいと思った。




〝一生って、ラナベルの言う一生って永遠てことだよな。叶うはずのない父への思いを抱いたまま永遠にこの世界で生きていくということ。それも一人で…。〟




気の遠くなるような彼女の覚悟を前にしたクラウド。そんな彼女に対して、自分の覚悟は一体…!




「ラナベル…。話をしてくれてありがとう。君が出会ってからずっと変わらないのはよくわかったよ、父への思いもわかった。だけど、それって悲しくないのか?寂しくないのか?僕は…僕は君と出会ったあの日からずっと君だけを見てきたよ、これから先、僕と一生を共にしてくれないか?君は今でも父を好きだと言うけど、それでも僕は構わないよ。僕はそんな君をずっと見てきたんだ。今更だよ。だから僕が君のそばにずっといるよ。」




「………………‼…クラウド…。」




ラナベルは驚いていた。何となくクラウドの気持ちは気付いてはいたが、このタイミングで告白されるとは思っていなかったからだ。




「ありがとう、クラウド。私もあなたのことが大好きよ。でも、一生を共には出来ないわ。あなたの人生を縛ることは出来ない。ごめんなさい。」




「ラナベル…。残念だけど、僕は諦めないよ。8年、ずっと気持ちは変わらなかったんだ。この先も変わらない。君を一人にしない。」




「クラウド…。」




クラウドはフッと笑ってラナベルに背を向けた。そして馬に乗って帰る準備をした。






「また来るよ。これからはまたもっと頻繁に来れるようになるし。」そう言って百合の園を出たあとのことだった。








ドサッツ‼──────────








大きな音がした。




ラナベルは驚いた。音がした方向はクラウドが出た場所。この場所に人はほとんど来ない。しかも今は夜だ。真っ暗なのだ。クラウドがここに辿り着いた事ですら不思議だったのだ。それなのにその方向から音がしたという事はクラウドに何かあったのではないか…。








慌てて音がした方向へ走り出したラナベル。


そして彼女が目にしたのはやはりクラウドだった。しかも何故か落馬して気を失っていた。






「クラウドっつ!」




彼のそばに駆け寄るラナベル。すかさずクラウドの手を取り、身体を起こそうとした。が…⁉ クラウドの手に違和感を覚えた。そしてよく見るとクラウドの手は18歳にしてはおかしな位に皺が出ていて、驚いたラナベルは慌ててクラウドの顔に視線をやった。








「─────?!!!!







      クラウドっ!!!!クラウドっつ!!!!」








彼女が驚くのも無理はない。今さっき見た彼の若々しい顔ではなく、皺が多く出ており、とても18歳には見えなかった。それはまるで60歳…?もはや老年そのものだった。








〝ウソでしょ?!さっきまであんなにキラキラした青年だったのに!どうして?!どうしたらいいの?!!〟








ラナベルは慌てふためいていた。




幸い、クラウドは少し意識を失っていただけでどこも怪我をしていなかった。ラナベルはとりあえず落馬したから怪我がないか、看病をするためにもクラウドを百合の園の中に連れ戻した。




ご覧下さりありがとうございます。やっと会えたラナベル。そして彼女の秘密を共有することで変わらない気持ち。クラウドはラナベルにプロポーズしましたが、断られました。彼女の心の中にはまだ彼の父、ルクセブルがいたのでした。わかってはいたがショックを受けたクラウド。しかし、それ以上に自身の身体に起こった異変……………。

次回もお楽しみに!


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