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第7話:妹にデレデレのクラウド、そして第三子懐妊によりまたもや聖剣に異変が…!!



その日以降、クラウドは暇があればアレクサンドラの元を訪れた。そう、目的は妹だ。






「フラン~~~っ!お兄ちゃまだよぉ!」






フランもわかっているかのようにクラウドが来るとキャッキャ キャッキャとはしゃぐ。




ご機嫌斜めでグズっている時でさえ、兄の足音を聞いたらピタリと泣き止むほどなのだ。きっとこの兄妹の絆は半端なものではないのだろう…。




「まあまあ!フランたら、お兄ちゃまが来るのがわかるのね。すごいわ!」




「ヘヘッ。フラン、僕もフランの事が大好きだよっ!」




アレクサンドラはクラウドのフランに対する接し方を見てほのぼのと癒されていた。大切な息子が妹を大切にする…。


しかし、その姿を見て癒されていたのはアレクサンドラだけではなかった。周りにいる侍女達も同じく癒されていた。そしてその話はたちまち邸中に広がっていく。




クラウドのフランを溺愛する姿は誰もが知るものとなった。




「ハハハッ!これは将来フランが大変だねっ!」




「もう、ルクってば。そんな笑い事では済まないかもよ?」




「そりゃあ、あんなに可愛いんだから仕方ないだろう。」




デデーンと、音が聞こえそうなくらい〝何をわかりきったことを〟とでも言いそうな言い回しだった。






「まあ、今から心配しても仕方ないしな。仲がいいのは良いことだよ。さあ、アレン、もっとあなたの顔を見せて欲しい…。」




「ルク…。」




「あの子たちの将来が楽しみだよ。」




「ええ、そうね。」




ふたりで遠くの夜空を見つめた。あの日の夜のようにふたり並んで静かに…。










そして




「フラン、こっちだよ!」




「ぉにぃたま~~~ぁ。」






おぼつかない足取りで、一歩、一歩とフランが歩いてクラウドの元へとやってくる。




「5…6、…7…、8…9……10!」




「よし、いい子だ!頑張ったね!」




「キャッキャ。」






ふたりの子供たちはじゃれ合うようにはしゃいでいた。








〝10歩!歩けたのね…。〟




実際クラウドがフランに付きっきりで遊びながら歩く練習をさせたりしているのでアレクサンドラは安心していた。




〝本当にクラウドは賢い子だわ。面倒見も良くて優しくて、何一つ困った事なんてなくて、逆に怖いくらいだわね。〟




と、時々違う意味で恐れていた。






そうしてクラウド8歳、フランディーヌ1歳半の頃、またもやアレクサンドラは違和感を覚えた。




〝間違いないわ。この感じ…。それにやっぱり遅れているし…。〟




こっそり主治医を呼んで診察を受けた。






そしてその日、王城勤務から帰宅したルクセブルに打ち明けようと決めた。








庭園にいる子供たちを迎えに行き、




「もうすぐお父様が帰ってくるわ。お部屋へ行きましょうね。」




と、部屋に移動してる時だった。








「あっ!おとうさまだ!」




クラウドが帰宅した父を見つけたうで叫んだのだ。








ルクセブルは疲れた様子を見せずに子供たちを抱きしめて抱き上げる。




「ルク…。お帰りなさい。」




「ああ、ただいま。アレン。」




ルクセブルはアレクサンドラの頬にチュッとした。






「さあ、お食事にしましょう。あなたに大切なお話があるの。」




「ん?今聞いても?」




アレクサンドラは少し顔を赤らめてからルクセブルの耳元で囁いた。






「赤ちゃんが出来たの。」




その言葉を聞いてルクセブルの顔は凄い勢いで笑顔になった!




「そうか!そうなのか!やったぞ!嬉しいよ、アレン!ありがとう!!僕はとってもしあだよ!!」




その喜びようからアレクサンドラも幸せでいっぱいだった。




「私も!とっても幸せだわ。」






そうしてその日の夜………




ルクセブルは自身の聖剣に注目していた。










〝今回も女の子なのか?〟




そのままずっと眺めていたが、変化がなかったので部屋を後にした。




ゆったりと湯船に浸かりこれからの事を考えてワクワクしていた。




〝クラウドは立派に育ってくれてるし、フランディーヌも元気に育っている。次の子がどちらであっても二人がきっとかまうから心配は何一つないだろう。〟




そして服を着て寝室へと行く前にもう一度クローゼットに行って聖剣を見に行った。










「──────────っ!!!!!」








な、んと!




聖剣が新たな剣を生み出していた!!








〝男の子だ──────!!〟






そしてその小さな剣を手に取るも、またもや驚いた!!




〝宝飾が──────!!〟








──────────青 !! ────────!!!












〝こ、これはどういう事だ?!〟






ルクセブルは狼狽えた…。


それもそのはずだ。家門を継ぐのは男児でその者の聖剣の宝飾は「青」だったからだ。




つまり、クラウドは「黄色」だったので、成長と共に色が変わる可能性があったが、次の子が「青」ということはクラウドの宝飾の色は「変わらない」事を意味していたのだ。




ルクセブルの跡を継ぐのはアレクサンドラの今お腹の中にいる子だと言う事だ。






家門を継ぐ気で必死に勉学に励んでいるというのに…。これではあまりにもクラウドにとって酷な出来事だ…。






それだけ励んでいるというのに継げないということはもしや…!クラウドは青年まで成長出来ないのか?






突然、ルクセブルに恐怖が押し寄せてきた──────!!








ダメだ。アレンに知られてはいけない!!






ルクセブルはこの事を誰にも言わずに隠す事に決めた。




ご覧下さりありがとうございます。

クラウドの妹フランに対する溺愛ぶりをもっと出しておけば良かったかな?と思ったりしてます。

さあ、聖剣にまたもや異変が現れました!

次回もお楽しみに!


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