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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第69話:仮を本物にすればいい!悪魔のようなアリアナスの囁き



そして数日後に国王陛下に二人で挨拶をして正式に婚約の運びとなった。


婚約式は国民が貧しい生活をしているのを鑑みて簡単に身内だけで行うことにして地方紙などで発表することになった。




「しかし、お前の晴れの姿をこんなにも質素にすることもないだろうに…。」




国王は今までティアリア王女を可愛がり、フィリアに対してはあまり目も留めなかったのだが、上の王子二人も国外追放の政略結婚、そして一番可愛がっていたティアリア王女も国外追放の政略結婚をさせたのだ。少し後悔しているのだろうか?


どこか寂し気に、フィリアを見てそう呟いた。


これまでの扱いはあまり良いものとは思えなかったが、やはり父であったようでそのように残念がっていた。しかしフィリアは




「いいえ、父王。国民に晴れの姿をお披露目するのは私の戴冠式だけで結構です。」




と答えた。フィリアの意思は固かった。その答えを聞いた国王はいたく感心した。




「本当に…、お前ってやつは…!」






この一連のやり取りがどこから漏れたのか、フィリアの人気は一躍上昇した。今まではまだ国内でティアリア王女のことを推す人々もいたが、この件をきっかけに国民のほとんどがフィリア推しになったようだ。








「現金なものですね、お姉さまのファンも印象操作で簡単に馴染むとは…。」




そう言ったのは第三王子のアリアナスだった。


─────そう、その印象操作をしたのがアリアナス本人だったのだ。






「どこから漏れたのかと思っていたら、お兄様でしたの?」




「ああ、こういうのは大事だからね。」




〝お兄様が補佐をしてくれるというからお任せしているけど、少し心配ね。〟




「ああ、フィリア。私はお前の為にならないことはしないから安心しなさい。」




「やだ、言葉にしていないのに…。」




「お前の顔を見ればそれくらいわかるさ。で、婚約自体はニセモノなんだろ?いつかは破棄するとして、その先はどうするんだ?」




「………………そうね、どうしましょう。」




「ハンッ!それならその婚約を破棄せずに本物にしてしまえばいいのさ!」




「お兄様!それではクラウド様を騙したことになります!」




アリアナスはフィリアの顔をジッと見て近付いて言った。




「何を言うの?アイツが好きなくせに!」




フィリアのおでこをコツン!とはじいて席に着いた。




〝び…、びっくりした…。


いくら義兄だと言ってもあの美顔が目前に迫られると驚くわ…。〟




と、フィリアはドキドキしていた。








「これを利用してアイツをお前に惚れさせたらいいんじゃないか?」




「う…、そうかもしれないけど…。」




「お前、アイツを逃したら次がないぞ?その男嫌いが治らないと無理じゃないか。それに今のこの国ではあまり勧められる男はいないからなぁ…。残念ながら。この私以上の人物なんていないからな。だけど、私はお前とは半分血が繋がってるんだ、諦めろ。」




「はぁ?何を言ってますの?私がいつ、お兄様に懸想したと…?!」




「フッ。悔しければアイツを落とせ。」




「……………。」




フィリアは本当に悔しそうだった。が、兄の言うことも一理ある。フィリアはクラウドの事を好きだったのだ。




〝反則かもしれないけど、この機会にクラウド様に振り向いてもらえるように頑張らないと!〟




と、心に誓ったのだった。






そしてクラウドを呼んだ。






「フィリア王女。クラウドです。」




「どうぞ、入って。」








クラウドは静かにフィリアの応接間に入ってきた。






「クラウド様、実は提案がありますの。」




「はい、何でしょう。」




「形式上、私たちは婚約したのですから、伯父上のお屋敷ではなく、この王城で暮らしてはいかがでしょうか。」




「え~~~~っつ?!」




クラウドは驚く。




「いや、駄目ですよ!流石にそれは…!」




「どうして?誰も文句を言うわけないわ。」




「いえいえ、けじめという意味でもですよ。それに僕は、僕自身は爵位を持っていません。〝隣国の侯爵家の人間〟というだけです。」




「上位貴族ではありませんか。」




「それでもですよ。」




「残念だわ。それだと頻繁に会えないではありませんか。」




フィリア王女はシュン…とした。






「すみません。やっぱりけじめは大切です。それに僕は一時的なのですから、伯爵邸で充分よくしてもらっていますから。」




「そうなのね、残念だわ。だったら、出来るだけ頻繁に会いに来てはもらえませんか?」




「………………、わかりました。そうするように気に留めましょう。」




「せっかくなのでどうかお茶菓子を食べて行って下さいね。」




「はい、頂きます。」




そうしてクラウドは静かにお茶を飲み、お菓子を手に取った。




フィリアはそんなクラウドを静かに見つめていた。




〝残念だわ。本当に真面目でいい方ね。やっぱり…必ず振り向かせなければ!〟




心の中は燃えていた。




ご覧下さりありがとうございます。アリアナスはフィリアの気持ちを見抜いていました。それは彼が優れているという事もありますが、フィリアの事を密かに思っていたからではないでしょうか…。腹違いの妹。そういう視点で見て下さるとまたこの物語が膨らむのではないかと思っております。

次回もお楽しみに!


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