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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第63話:「聖剣の儀」が行われ、守られてきた秘密を知るクラウド



待ちに待ったクラウドの聖剣との対面の日がやってきた。




その日の朝はいつも以上に晴天で本当に雲一つない状態だった。陽射しも温かく晴れの儀にはもってこいの天気だった。






クラウドは朝から身を清める為に湯あみをして、正装に着替える。






「クラウド…。立派よ。もうあなたも大人なのね。」




母アレクサンドラは涙ぐみながらクラウドを祝った。






「ありがとうございます。母上。」






「さあ、行きましょう。みんなが待っているわ。」




「はい。」






そうして母の案内でクラウドは邸内にある神殿へと歩みを進めた。










祖父母は着席していた。


そして付き添っていた母も祖父母の隣に着席する。




父は








正装をして台座の上に置かれた真っ白な布に巻かれたクラウドの聖剣らしき剣をそっと手で支えていた。






「クラウド、こちらへ…。」




「はい、父上。」








そして父の前まで歩んできたクラウド。そっと父の前に跪いて頭を下げる。






ルクセブルは両手でそっと剣を持ち、ゆっくりと白い布から取り出した。そしてクラウドの肩にそっと充てて宣言する。






「これより、この剣はクラウドを永遠に守る守護剣となるだろう。」




その瞬間、聖剣が触れた場所からクラウドの身体全体に美しい光がクラウドの全身を包んだ!


その光の色は聖剣の宝飾と同じ「黄色」だった。






参列者は全員、宝飾の色を知っていたから特に声を上げることもなく、クラウド自身もその事を知らなかったので疑問にすら思わなかった。




そしてその光がクラウドの中に吸収されるように入ったのを見届けたあと、




「クラウド、立ちなさい。」




ルクセブルの声により、クラウドが立った。






そしてクラウドの目の前に聖剣を差し出す。聖剣に直接触れないようにと、白い布を両手に持ち、その上に聖剣を乗せて持った形だった。




その時、初めてクラウドは聖剣の宝飾の色を目にした。






「あ。僕のは黄色なんですね、色んな色があるんですね。」




と、呟いた。何も知らないのだから、色んな色があるのだと思ったのだろう。すると、後ろの参列者の席で微かに泣く声が聞こえてきた。




「………………?」




クラウドは訝しそうな顔をした。






「あの。この色に何か問題があるのでしょうか…。」






クラウドの質問にルクセブルは〝とうとう、この時が来たか。〟と、覚悟を決めた。






「クラウド、落ち着いて聞きなさい。」




まず、クラウドに心の準備をさせた。




「はい…。」〝ってか、そういう切り出し方されると余計に不安になるんだけど…。〟と思っていた。






「アルクレゼの剣は〝青〟なんだ。他の色はあり得ない。」




「え?では…これは?」




「ああ、残念だが、お前はアルクレゼを継げない、もしくは継がない。どちらかだろう。」




「──────────‼」






〝ずっとアルクレゼを継ぐつもりで頑張ってきたのに?!〟




クラウドは頭が混乱した。




「え。でも聖剣は僕が生まれる時に一緒に生まれるんですよね?だったら、今までにもそれはわかっていたって事ですか?!」




クラウドは驚きつつも、核心を突いてきた。




「ハハ、痛いところを突くな、クラウド。」




〝ハッ〟としてクラウドは父の顔を見た。




〝父上、とても悲痛な顔をしている…。〟その顔を見てクラウドは父の気持ち、母の気持ちを察した。




「──────────わかりました。僕が後継者ではないってことは理解しました。では、後継者はアランということですね。」




「………………うむ。その通りだ。」




クラウドは暫くの間、無言になった。












そしてやっと口を開いたかと思ったら




「僕はそれでもアルクレゼの人間だという事で間違いないのでしょうか?」




その言葉を聞いた瞬間、ルクセブルの手がクラウドを叩いていた!






「─────それはっ!母上を侮辱する言葉だ‼」




その言葉を聞いてクラウドは自分がたった今言ってしまった言葉の重大さに気付いた。普段のクラウドならこんな事にならないくらい、気が付くのに…。かなり動揺していたのだろう。






「…………ご、ごめんなさい。あまりにもショックだったのでつい、心にもないことを…。」




「うむ、理解していればよい、お前がアルクレゼを継がなくてもお前は私たちの息子である事に変わりはないんだよ。」




「でも…。僕は、僕が残るとアルクレゼが分断する可能性が出てくるではありませんか!」




「────なにを?!そんなことあるはずがないだろう?お前にそんな気など…!」




「僕になくとも、周りはそうはいかなくなると思います!継承問題はどこだって同じです!」




クラウドの必死の言葉にルクセブルは黙るしかなかった。確かにクラウドの言うことはもっともだ。周りを信頼していても火種がある限りは将来燃え広がる可能性が高いのだ。


だからと言ってこれまで頑張ってきたクラウドを切り離す事は出来ない。




神殿には沈黙が残った。誰かが継ぎの言葉を発するのをひたすら待っているかのようだった






ご覧下さりありがとうございます。とうとう待ちに待った「聖剣の儀」。しかし、その真実を知り、愕然とするクラウドでした。彼はこれからどんな答えを出すのでしょうか。

次回もお楽しみに!


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