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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第59話:ティアリア王女が嫁いでいく日。クラウドは一時帰国を決意する



それから間もなくして、ティアリア王女の縁談が決まった。はるか南のプラトラ王国だ。国王はティアリアのプライドが高いことを心得ていて、縁談相手は〝国王〟を選んだのだった。




「何ですって?!プラトラ…。あそこの国王は今年40歳ではありませんか?王女様はまだ20歳ですのに…‼しかも前王妃は王族には珍しく離縁されたとか…!」




ティアリア付の侍女がティアリアの気持ちを察して言った。




「父王…、いくら何でもそのような方と縁談を結んで来られるなんて…!私のした事はそれだけ酷いことだとでもおっしゃるのだろうか?」




ティアリアは涙した。


ずっと父王に可愛がられてきたのに、たった一度反発しただけでこのような年齢差のある相手を選んでくることに対して衝撃を受けていたのだ。




そんなティアリアに母ミランダは




「そのように嘆くでない。確かに王はそなたを愛していた。それは今でも変わらぬのだよ。」




「しかし、あのように年齢差がある方では…!」




「お前の気持ちもわかるが、プラトラの現王、ビリー殿はとても頭の切れる美男子だったという。今もその美貌は衰えていないそうだ。20歳も上であるということは、お前が子を設ければ王の方が先に天に召されるのだ、あとはお前の天下ではないか!これ以上何が不満なのだ?〝王妃の座〟を用意してくれた父王に感謝せねばのう。」




「母上…っ!それはそれ、感情が追い付きません。」




「しかし、これはお前が短気なのも招いた結果なのだ。心して受け止めよ。私にすらどうにも出来ないのだよ。」




「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……………‼」




ティアリアは〝らしくない〟大きな声で泣いた。悔しくて、悔しくて……………。








〝見ていなさい!あなたがこれから築いていくこの国と、私がこの先に築き上げる国、どちらの方が素晴らしい国になるか‼〟






そう強く心の中で誓ったのでした。










◆  ◆  ◆










そしてティアリア王女が嫁ぐ日、


沢山の荷物を乗せた馬車が10台以上並んで静かにハンダル王国をあとにした。プラトラ王国からは身一つでも構わないと言われていたが、ティアリアのプライドが、気が済まなかったのだ。






その様子を静かに父王は見送っていた。一番可愛がっていた我が子。しかし王として国の平定の為には送り出さねばならないことも理解していたのだった。




二人の王子たちも女王が治める国に送り出した。今残っているのはフィリアとアナリアスだけだった。アナリアスは何とかなるが、フィリアの結婚相手は慎重に探さねばならない。国王はその事を考えると頭が痛かった。










一方、クラウドの方はというと、間もなく16歳を迎えるので領地へ一時帰国するようにと連絡が入った。


その為に一度フィリア王女を訪問することにしたが、王位継承のための教育に追われて会うことが出来なかった。


仕方ない、と思って侍女に手紙を託した。




「まあ、今日はクラウド様がお見えになっていたのね?残念だわ、久しぶりに会って色んなことをお話したかったのに…。」






「残念でございましたね、王女様。こちら、クラウド様よりお預かりしておりました文でございます。」




「まあ!嬉しいわ。何かしら…。」




王女は嬉しそうに手紙を開封して読み進めた。




「………………え。クラウド様が一時帰国…。ということは、また戻って来られるってことよね。」




「そうですね、王女様。」




「では、御礼の品をお渡しして来て。」




そう言ってフィリアは帰国途中で食べれるお菓子や自領への手土産として絹の反物を10本持たせた。本格的に任務を終えて帰国する際にはもっと手土産を持たせようと考えていた。今回は単独での帰国とのことで荷物にならないように10本にしておいた。






〝どうか、無事に戻って来て下さいね。クラウド様。〟




そっとクラウドの無事を願った。












侍女から手土産を受け取ったクラウドは侍女に王女様に御礼を伝えて欲しいと頼んだ。


そして自身の側近と護衛騎士を連れて一路アルクレゼ侯爵領を目指して馬を走らす。


馬車だと1日から1日半かかったが、馬であれば1日あれば到着する。が、夜通し走らすわけにもいかず、途中で休憩をはさむから、やはり2日位の工程を踏むのだった。




帰路途中、クラウドは〝これでやっと僕の聖剣と対面出来るんだ!〟とワクワクしていた。








一方、アルクレゼ侯爵家では間もなくクラウドが帰ってくるからと大はしゃぎだ。フランとアランがとにかくうるさいくらいに賑やかだ。どんな出迎え方をしようかとか二人で計画している姿が可愛い。




そんな子供たちを横目に大人はちょっと事情が違うようだ。


───────そう、


聖剣の宝飾の色について、とうとうクラウドに説明しなくてはならないのだ。


それを聞いて、クラウドは自暴自棄にならないだろうか…。


アレクサンドラが特に気にしていた。ルクセブルもグラナスも複雑な思いでクラウドの到着を待った。




ご覧下さりありがとうございます。

ティアリア王女が嫁いで行ったお陰でフィリア王女の邪魔をする勢力が自然と消えました。

そのタイミングで実家から一時帰国をするようにとの連絡が入り、ウキウキしながら帰国準備をするクラウド。

次回もお楽しみに!


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