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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第58話:父王から結果を伝えられた二人の王女はそれぞれの道を行く…



そして長い一日が終わり、翌日に両王女に結果が報告されることになっていた。




フィリア王女もティアリア王女もそれを事前に聞いていたので、どちらも眠れない夜を過ごしたようだ。






そして翌朝、いや、正式にはもう昼といってもよい時間になっていた。


やっと国王からの呼び出しが二人に来た。




二人は王の執務室へと急ぐ。






「父王、ティアリアでございます。」




「うむ。そこに座りなさい。間もなくフィリアも来るだろう。少し待っていなさい。」




「はい。」




そうしてティアリアは王の言葉により、席に着く事となった。






それと同時にフィリアがやってきた。




「父王、フィリアでございます。」




「うむ。待っておったぞ。そこに座りなさい。」




「はい。」






国王の執務室には王女二人と国王が、そして王の側近がそこにいた。




「父王、アリアナス、参りました。」




「うむ、こちらに来なさい。」




「………………?」フィリアとティアリアは二人でアリアナスが来たことに疑問を感じていた。




最終的に王女二人の争いのはず…。








「まずは、ふたりとも、国民選挙期間、それぞれご苦労であった。引き続き担うもよし、引き上げるもよしとする。それに対して双方、何も言わない事。」




「はい、父王。」二人の王女は返事をした。




ティアリアは笑みを浮かべていた。〝やっと、あの面倒な事から堂々と解放されるのね。〟




その思惑とは反対に、フィリアは〝ここで引き上げるなんて出来ない。まだまだ軌道に乗ったとは言い難いわ。〟と思っていた。






王は二人の表情からその心の内を読み取っていた。




そして静かに語り始める。






「さて、国民投票と我ら議会の投票の結果を踏まえて、次期国王には-------------」






〝ゴクリ…。〟二人とも息を飲んだ……………。








「フィリアとする。」




フィリアは驚きの表情を見せた!国民はともかく議会からの信頼はとてもじゃないが、ティアリアのものだと思っていたからだ。


反対にティアリアは議会は自分のものだと思っていたし、国民からの支持も悪くないと思っていた。




「ち……!父王‼ それは何かの間違いではございませんか!?議会は社交界での活動経験がないフィリアを推すとは思えません!国民からの反応だって悪くなかったはずですわ!」




必死で王に反論した。






「ティアリアよ、私が以前言った言葉をお前は覚えておるか?お前のことだ、気にも留めておらんだろう。それが答えだよ。」




「どういう…ことですの?」




「お前は〝その場しのぎ〟でしか物事を考えぬからだよ。本当に民を思うならば、選挙が済んだあとも続ける努力をするか、代わりになることを考えるだろう、フィリアのように。それをしなかったことが今回の判定に反映したのだ。」




「そんな…‼今までの、長年築いてきた私の信頼はなかったことになるのですか?どんなに体調が優れなくても笑顔で対応してきたことも…‼フィリアはそんな努力すらしてこなかったのに?!」




「おねえ様…。」




ティアリアはフィリアを〝キッ‼〟と睨んで




「あなたがした事はあなたの実力じゃないわ!あなたの、第三側妃様のお陰じゃないのっ!」




「お姉さま、それは…。」




「ティアリア。その件に関してはこの前も言った通り、お前も同じ手を使っておるだろう。フィリアを認めて支えられぬと言うならば、お前を国外追放するために国際結婚を考えねばならない。」




「ええ!結構ですわ、受けます!こんな…!フィリアを支えるだなんて…到底出来ませんもの!」




ティアリアは手をギュッツと握りしめてプルプルさせていた。それだけ湧き上がる怒りを抑えていたのだろう。




「一刻も早く嫁ぎ先を決めて下さい!すぐに出れるように準備しておきますわ!」




そう言い残して王の執務室から出ていった。








しばらく沈黙が続いたあと王がフィリアに告げた。




「何も心配はいらない。私がお前を立派な皇太女として教育しよう。それにお前には立派な補佐が付いているんだ。」




「ああ、そうだよ。フィリア。私がお前を支えよう。決して弱音を吐くんじゃないよ?」




「はい、父王。お兄様!どうぞよろしくお願いします。未熟な私を立派な王になるようにご指導くださいませ。」




先程の嵐のような場から一転して静かに決意を込めたフィリアがその場を鎮めた。




それ以来、フィリアは〝分単位〟でのスケジュールとなった。先回りして予定を入れないと空いた時間などなくなってしまったのだ。そのため、診療所への訪問も思うように行けず、代わりの人間を遣わすこととなった。




〝はぁ~~~~~、厳しい指導は耐えられるわ。だけど、あの癒されていたクラウド様との時間がないのは寂しいわね。クラウド様は今頃どうなさっているのかしら…。彼も診療所のことできっとお忙しいわね。〟




と、クラウドに対して思いを馳せていた。




ご覧下さりありがとうございます。

プライドが高いティアリア王女にとって、格下であると馬鹿にしてきたフィリアの下に就く事は耐えがたい苦痛だったようです。

次回もお楽しみに!


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