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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第56話:父王からの最終決意表明確認。私は支えられて前に進む…覚悟を決めるフィリア王女




「陛下っ‼陛下っ‼そんなつもりは毛頭ございませんでした‼どうかお許し下さい!我らが浅はかでした‼」




二人の王子は陛下に泣きついた!頭を床につけて土下座をしながら涙ながらに訴える。


が、それでは済まされないことを王は知っていた。王国内だけであれば重い罰を下すだけで済むだろう。しかし、運悪く、事件発覚したのが隣国のしかも使節団長である隣国貴族であるのだ。彼の手前、簡単に許すわけにはいかないのだった。




〝私の中では王子3人の中で誰かが王位を継いで欲しかったのだが…。これで残るは第三王子のみだ。が、あやつは第二王女のフィリアの補佐をすると言い出した‼仕方あるまい。〟




「衛兵!王子二人を追い出して部屋で反省するように3日間の軟禁を命じる!」




「はっ!承知しました!」






こうして衛兵によって王子たちは謁見の間から連れ出された。


静まり返る謁見の間。


言葉を発したのは国王だった。










「さて、使節団長よ、これでよいか?」




「はい。確かに見届けました。では、私も我が陛下への報告は私の中だけで留めておきましょう。」




「うむ、頼む。」




そしてクラウドは立ち上がり謁見の間を出ようとした。が、振り返り国王に告げる。




「時に陛下、他国の者の私が口出しをすべきことではないでしょうが…、この国では王女様にも継承権があると聞きました。のちに我らと交流をするのです、良きお方が継がれますよう希望致します。」




「うむ、心に留めておこう。」




「ありがとうございます。それでは、こちらの〝賊〟の処罰は貴国にお任せします、が、この者たちの家族へはどうか免除願います。」




「あいわかった。」




「失礼します。」






クラウドは国王に深くお辞儀をして退出した。








謁見の間を出た時、フィリア王女がドアの前で待っていた。




「王女様?」




「驚きました。本当にあなた様は……………。15歳とは思えない交渉術ですね。ふふっ。」




話の内容が聞えたわけではなく、激しく意見しあう声が所々伝え漏れてきたのを感じたからだ。




「これでもとても緊張していたのですよ。ははは…。」




そう言って笑うクラウドを見てフィリアは安心した。そして労いを兼ねてクラウドをお茶に誘う。






「ありがとうございます。そしてお疲れ様でした。どうぞ、お茶でも飲んで行って下さいな。」




「有難いお申し出ですが、今日は帰ります。それから、明日辺り…、陛下から王位継承権争いについて、何かしらのご連絡があると思います。良い方向へと向かわれるとよいですね。」




「………………?」




フィリア王女はまだ何が起こったのかすらわからないので不思議そうな表情をしていた。突然父王との面会を望み、面会が済んだと思ったらこのようは意味深な言葉を残して…。フィリアは気になって仕方なかった。








◆  ◆  ◆








翌日、フィリアは国王に呼び出された。




王の書斎に行くと第一王女のティアリア、第三王子のアリアナスが既に座っていた。






席に着くと父王がやってきた。


王の姿を見た瞬間、全員が立ち上がり、王に対しての礼を行った。






「よい、皆、座れ。」




その言葉を聞いて着席する。






〝呼び出されたのだけど、一体何が…?って、あれ?お兄様方がいらっしゃらないわ。〟




ふと、フィリアは二人の王子がいない事に気付いた。






「さて、今日は王位継承権について、新たに追加項目が出来たからそちらに報告する。」




王の言葉に三人は真剣に眼差しを向ける。




〝新たな項目…、何かしら?お兄様方がいないことも関係しているのかしら?〟




フィリアは思った。そしてフィリア以外にもティアリアはもちろん、アリアナスも同じことを考えていた。






「その様子だと主らは薄々気付いておると思うが、上の二人の王子は昨晩、違反行為を行った為、王位継承権を剥奪することとなった。ついては、主ら3人が対象となるのだが、今一度、主らの気持ちを確認したい。まず、ティアリア。お前はどうだ?」




「はい、父王。私は王を目指します。民に寄り添い、よき覇者となるよう今後も努力するつもりです。」




「うむ。わかった、だが、この前お前に言ったあの話について、答えは見つかったのか?」




「えっ?……、いえ、まだですが…。」




「そうか。早く答えを見つけるがよい。」




「はい、わかりました。」






〝この前の答えって何!?何のことだったかしら?〟と、ティアリアにとっては会話とはその場限りのもののようで王からの進言を心に留めることもなく既に忘れてしまっているようだった。


この様子を王は見逃さなかった…。




〝ティアリアに足りないのは他者への思いやりだ。民に寄り添うというのも、多分、今だけなのだろう…。〟






「さて、アリアナス。お前はどうだ?噂ではフィリアの補佐をするなどと聞こえて来たが…?!」




王は静かに怒りを込めて第三王子のアリアナスに問う。




「はい。父王。その噂は間違いありません。私が自らフィリアの元に行き、その提案をしました。私には〝宰相〟としてこの国を支えるという夢があるのです。」




「な…!なんと‼誠であったか!」




王は噂であって欲しかったのだ。だが、本人より噂を認められ、その意志を告げられたのだ、どうしようもない。






「なるほど。お前の夢であるなら、それは認めよう。しかし、フィリアが王になるとは限らないのだ。その時はどうするのだ?ティアリアに泣きつくのか?」




「いえ。姉さまには頼りません。その時は自分の手で上り詰めます!ですが、私はきっとフィリアが王になると信じております。」




「ほほぉ~、これは責任重大だぞ?フィリア。」




「はい、父王。私は最初こそ、この競争から離脱したいと考えておりました。しかし、民の暮らしを見て、それは間違いであると気付いたのです。勿論、王は目指します。が、王になれなくとも私は民の為にずっと尽くしたいという思いは日に日に大きくなっていくばかりなのでございます。」




「お前がここまで成長するとは…!何がきっかになるかわからぬものだな。よし、いいだろう。まもなく国民投票日がやってくる。その結果選ばれた方が1票、そして私、元老院、貴族院、教会がそれぞれ1票で合計5票だ。票の多い方を王太女として任命しよう。そうした場合は残りの者には王位継承権剥奪となるが、王の為に尽くすのだ。」




「はい、父王。」




三人は返事した。








父王に頭を下げながら…。






そして、その下げた頭、顔で一人だけが悔しい思いを絶え




〝アリアナスまでがフィリアについて、しかも自分の手は借りずに自身の力で昇り詰めるだと?この争奪戦は本当に平等なのか?〟




ティアリアはそう思っていた。





ご覧下さりありがとうございます。クラウドの機転で兄二人が失脚し、姉と1:1での王位争いとなりました。しかし、現状では期待もされていなかったフィリアの方が有利な状況下、国王から最終決意表明の確認を受け、自身の気持ちがハッキリとしていたフィリアでした。

次回もお楽しみに!


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