表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/81

第52話:フィリア王女との定期報告。その頃、クラウドの聖剣には異変が…!



そうして、3日に一度、フィリア王女の元に訪れて報告をするクラウド。報告の為に訪れると王女は茶菓子とお茶をいつも用意していた。クラウドが訪れる時間は不定期なはずなのに、いつも出来立てのように温かい焼き菓子が用意されていた。




「フィリア王女、僕が報告に伺うのが何時になるかわからないのに、こんなに温かい状態で出して頂くなんて、お手間を取らせていませんか?」




「ふふ、大丈夫よ、クラウド様。あなたがお見えになったら侍女たちは即座に焼き菓子を温めて下さるの。私の侍女たちは仕事がいつも早くて私の自慢なのよ。」




フィリア王女は微笑みながらそう言った。




「そうでしたか。それでしたら安心しました。」




「ところで、さっきのお話だと、ハンダルの若者たちの基礎教育がそろそろ済みそうだってことですね。」




「はい、今度から体験に入ります。医者達が交代で彼らに実践出来るように指導に入ります。そして医者たちからの許可が出た者は医者たちに付いて回って現場での実践に入ります。」




「そう…。かなり進んできたわね。各村の診療所はどう?」




「ええ、そちらももう安定しています。元々の契約の5年を過ぎても、このままこの地に残りたいと言う者まで出てきております。」




「まあ、それは凄く有難いわ。だけど、ポルモア側は大丈夫なの?彼らのご家族とかは…。」




フィリア王女は状況に喜びはしたが、「派遣」として来てくれてるのだから基本は帰国が原則だ。それに家族が国で待っているだろうに…と、思ったのだった。






「そうですね、それが、どうやら現地で良い縁があったそうです。クスクス。」




クラウドが笑いながらそう言った。




「ま…、まあ。そうなの、それはおめでたいことね。」




〝なるほど〟と納得したフィリア王女はそう答えた。






「そうですね。そういう事情は僕らの国も仕方ないと判断するでしょう。」




フィリアはクラウドと話をしていると、つい、彼が15歳になったばかりとは思えなかった。しっかりしていて20歳だと言われても違和感はない。






「そう言えば、クラウド様のその口調というか、落ち着き様は、小さい頃からそうなんですか?」




「えっつ?……………そうですね。僕は物心ついた時からアルクレゼを継ぐ者として生きてきましたから…。」




〝そうよ。それでもそうならない人を私は知っているの。だから彼らに負けるわけにはいかないわ。〟




クラウドの言葉にフィリア王女は思うところがあるようだ。






「王女様、王位争いはどんな状況ですか?」




「………………、聞くとあなたも巻き込まれるかもしれないわよ?」




「ハハ、もう巻き込まれてるじゃないですか。」




「お姉さまに喧嘩を売ってしまったから?」




「そうですね、あれは後から考えたらきっと僕の素性を調べられてるでしょうから、国にも抗議が行ってないか心配でした。建前はフィリア様の伯父様からの要請に応えた形ですから、問題ないでしょう。こうして報告に上がるのも、その延長線上ですしね。ちゃんと逃げる要素は残してありますよ。」




「本当、あなたって15歳には思えないわ。」




「ありがとうございます。」




「褒めたつもりもないけど?まあ、いいわ。協力してもらってるんですもの。あなたは賢いから話しても大丈夫ね。」




クラウドは静かに頷いた。そしてフィリアが話だした。






「第一王子、第二王子はそれぞれ武力派なので、武器を買い集めることに勢力を伸ばしているわ。第三王子は特に動きはなさそう。だけど、彼は頭脳派だからきっと最後に注力するのだと思うわ。そして姉は民にパンを配給しているの。まだどうなるかはわからないわ。」




「そうですか…、武力派と頭脳派。手を組まれたらやっかいですね。」




「そうね、だけど国民選挙なので私は私とお姉さまの方が有利だと思ってるの。」




クラウドはしばらく沈黙していた。




「民だって戦争とか嫌なはずよ?」




「しかし、男という生き物は戦争で功績を挙げたい者もおりますから、全てがそうとは限りません。頭脳派の王子と共に外国を制圧でもしたら領土と資産が増えますからね、結局は民が豊になる可能性がある。」




「………………‼」




ジーーーッツとフィリア王女はクラウドを見つめる。






「な、なんですか?」




見つめられて動揺するクラウド。なんだか、最近フィリア王女と話をしているとジャポスカを思い出す時があるなとクラウドは思った。






「はぁ~~~~~っ、本当に15歳?どうしてそこまで先のことが読めるの?」




「跡継ぎとして徹底的に教育を受けますから…。」




クラウドのその言葉はさしもそれが〝当たり前〟というかのような返答だった。






フィリア王女はそれを聞いて怖くなった。




「ポルモア王国では皆、貴族たちはそうなの?」




「まあ、レベルの違いは出ますが、基本、皆当主を継ぐものはそうですね。」




フィリア王女は〝ふぅ~~~〟と、ため息をついて




「お兄様たちのような〝武力頼り〟の政治ではあなた方の国には敵いそうにもありませんね。」




「さあ、それはどうでしょう?勿論我々も武術もしっかりと習いますので。戦ってみないと答えられませんが、僕も王族も皆、戦争は望んでおりませんので。」




「あら、私もです。お兄様たちを止めなければと考えておりますの。」




クラウドはフィリア王女の方を見て




「そうですね、我々としても王女様に王位について頂ければ戦争にならずに平和に済みそうですね。」




と告げた。






「それは……………、実質、ポルモア王国は私を支持して下さるということでしょうか?」




「いえ、僕個人の意見です。国は、どこにも肩入れしません。」




「ふふっ、」




フィリア王女は笑ってくるりと向きを変えてクラウドに背を向けた。




「………………?」




クラウドは戸惑っていると




「それがよろしいと思います。」 と答えた。






────そう、当初の計画通り、この支援はフィリアの母方の実家とポルモアの一貴族との商談によるもの。フィリア自身との取引ではなく、フィリアの母方の実家の支援ということになるのだ。今、こうしてポルモアの派遣員と面談しているのは御礼を兼ねて進捗を確認しているだけなのだ。────表向きは─。










その頃、祖国アルクレゼ侯爵家では剣を収めている棚があるのだが、数日前からクラウドの剣の宝飾が点滅していた。もちろん、持ち主は不在だし、管理者である父ルクセブルも最近は自領での事務仕事ばかりのため、剣を携帯する事もなかったため、その異変に気付くことがなかった……………。聖剣は何故宝飾を点滅させていたのだろうか…?その後、ひと月以上点滅していたが、誰にも気付かれなかった為にクラウドの聖剣の宝飾は点滅を辞めて元のように戻った。






「久しぶりに剣を磨くか!」




と、ルクセブルが剣庫にやってきたが、その時にはもう点滅していなかったので、異変があったことすらわからずにいた。




ご覧下さりありがとうございました。

段々フィリア王女との距離感にも慣れて来たクラウド。それにしてもクラウドの聖剣の宝飾が点滅していたのは何か理由があったのでしょうか…。気になりますね。

次回のお話もお楽しみに!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ