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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第43話:ハンダル王国からの支援要請に対して策はあるのか?!



ある日のハンダル王国






「王女様、先日のご依頼の書類が揃いました。」




「ありがとう。」




侍女が資料を持ってきた。すぐさま目を通すフィリア。






そして愕然とする……………。








そこには住民の人数に対して医者が圧倒的に少なすぎる。そのせいか、治療費も莫大な金額になっていたのだ。


フィリアは王宮医師にも同様に大体の治療費を算出してもらっていたのだ。その治療費と変わらないくらいに高いのだ。


一つ例を挙げてみると、一番安い治療で民の一か月もの賃金に該当するのだった。




〝これでは民はまともに治療を受けられないわ。〟




フィリアは悩んだ。


王女ではあるが、実際、今まで政務に携わってきたことがないのだ。何かを発言しようとしても議会で無視されるのがオチだ。積極的な第一王女ティアリアならまだ意見も聞き入れてくれるだろう。


王位継承権が男女関係なくあったとしても、やはり議会は男性にしか門戸は開かれていない。




フィリアは今回の次期国王選挙に出ることで今まで見えていなかったことがどんどん見えるようになってきた。あとは後ろ盾だ。


フィリアの母親はフィリアしか産めなかった為、地位も低ければ評判も低いのだ。もちろん、出身も伯爵家なのであとの王妃を始め、二人の側妃にも到底及ばないのだった。




「はぁ~~~、駄目ね。問題点がわかったとしても私には後ろ盾がないからそれを何とかする実力が伴わないわ。一体どうしたらよいのか……………。」






そんなフィリアに母が一言助言する。




「フィリア。この際、国王になれなくてもいいのよ?結果がどうであれあなたがやりたいと思ったことをなさい。」




「お母様……………。」




「そうね、あなたの今の話だと、まずは医者の人数確保よね。それで治療費が少しは安くなるわね。それでも高額なのでそれを何とかする為の策を考えなさい。そして予算が必要ならお父様に交渉なさい。聞くだけなら出来るでしょ?」




「はい、お母様。ですが、どうやって医者を確保すればよいのでしょうか……………。」




「そうね、外国から医者を引き抜いてくるのよ。そうね、南隣国のポルモアはどうかしら?医療が充実してるって聞いているわ。ポルモアの王妃様にお手紙をさしあげましょう。何か知恵を頂きましょう。」




「お願いします。」






どうしてポルモアに要請をしたかというと、ハンダルは北と西は海に囲まれ、東にはトカチナ国、南にポルモア王国が位置しているからだ。トカチナはポルモアよりも少し貧しい国であるが為に王族はいるが、国名に「王国」を名乗っていないのだった。だから医療もポルモア程も充実しておらず、自国だけで精一杯だと判断したからだ。






こうしてフィリアの母からポルモアの王妃宛に医療支援についての打診の手紙が届く。


事前に国王が王妃を含めてハンダル王国の内情を話していたので、王妃から手紙の内容が共有された。




「政治に関与することは危険だ。」




国王は冷たく言い放つ。しかし




「ですが王よ、国民が苦しむ姿を放置するのはどの国の王としても同じ立場、放ってはおけませんわ。」




「母上、私も少し賛成致しかねます。第二王女に加担したとすれば、かの国の政治に加担したも同然。戦争に巻き込まれても文句は言えませんよ?」




「医療は政治とは別です!人の命には代えられません!そう突っぱねて下さい。」




話し合いは加熱する……………。そこに……………




コンコンコン!




「失礼します!陛下、グラナス・アルクレゼとルクセブル・アルクレゼが訪ねております。」




「………………アルクレゼか。ちょうどいい。通せ。」




「はっ。」






そしてグラナスとルクセブルが王の執務室へ入って来た。






「陛下におかれましては…」グラナスとルクセブルが挨拶をしようとしたところで陛下に止められた。




「挨拶はよい、」




「はっ。」






「アルクレゼよ、丁度いいところへ来たものだ。先日のハンダルの件でそちらに相談したい。」




国王がグラナスとルクセブルに対してそう言った。






そして王妃に届いた医療要請の手紙のことを話た。口を開いたのはグラナスだった。






「陛下、そのお話、お受けしましょう。人の命には代えられません。」




「しかし、これは政治に関与することになるぞ?」






「では、〝取引〟という形ではどうでしょうか?」




「取引?」




「はい、第二王女の母、キャロル様の出身はアテリア伯爵家。あそこは「絹」が特産品でございます。それと医療使節団の派遣とを交渉しましょう。医療システムが定着するまで5年~10年。その期間一定数の絹を我が国へ無償で提供頂きましょう。こうすれば、我が国はアテリア伯爵家と取引をしているだけなので政治に関与しておりません。」




そう告げるとグラナスはニッと笑った。




「ハハハ……………ッツ!流石グラナス!よし、その手でいこう!王妃よ、それでアチラと交渉を頼む。」




「ええ、陛下。」




王妃は人命がかかっていたのでホッとして笑顔で答えた。






「そしてグラナス、医療使節団の派遣はそちが選抜してくれ。そして王女への謁見だが、そちのクラウドを遣わそうではないか。」




「恐れ入ります、陛下。」




「うまくいけば縁談になるかもしれぬな。」




「陛下、そんなことまでお考えとは…、」




グラナスもルクセブルも焦った。確かに王女との縁談ならこの上ない名誉であろう。しかし、クラウド自身の気持ちはどうなのか、と思うと賛成しかねるのだった。ルクセブルは勿論のこと、グラナスにとってもクラウドはかけがえのない大切な孫だからだ。




ご覧下さりありがとうございます。とうとう恐れていた事が発生しました。が、グラナスの案によってポルモア王国側の体面は保てるようになった。さて、ハンダル王国はどう受け止めるでしょうか?

次回もお楽しみに!


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