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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第42話:ハンダル王国第二王女フィリアの衝撃!



ここ、ハンダル王国では次の王位争いがスタートしていた。決定権は国民にもある。


王子と王女はそれぞれ町中に繰り出した。現国王からの指示で身分を隠して町へ行き、問題点を探し出してくることがテーマだ。そしてそれに取り組むようにとの指示だった。




第一王子イシスは20歳で武力を誇っている。短絡的で考え方が浅はかだ。


第二王子カイアスは19歳でこちらも武力を誇っている。こちらもイシスに似た性格だった。


第三王子アリアナスは18歳で外交が得意だ。物静かで頭脳明晰だが、社交性はある。


第一王女ティアリアは20歳で社交的である。社交界の華と呼ばれている。


第二王女フィリアは18歳でどちらかというと内気であり、社交界にも出ておらず、まだ何も実績がない。




ハンダル王国の王位継承権は男女関係なく15歳以上に権利がある。




第二王女フィリアは困っていた。




「お父様からの指示で町へ行かなければならないのだけど、私に何か出来ることがあるのかしら…。」




そう、他の王子、王女達は積極的なのだ。内気なのはフィリアだけだ。




「私はこんなだから、候補から外してくれてもいいのに…。」




そう呟きながら侍女にせっつかれて町へ行くことにした。護衛騎士はフィリアから一歩下がって護る。






フィリアはゆっくりであるが、しっかりと歩いて町の中を見渡す。


そう、フィリア自身、城から出るのは今日が初めてなのだ。だから見るもの全てが新鮮で心がワクワクしてくるのだった。


そして、ふと 路地裏に目が留まる…。






そこには治療を受けられずに横たわる子供がいた。






「………………え?」




フィリアは思わず駆け寄った。




「大丈夫?」




子供に問うが元気がない。


次女は「熱はなさそうですね。」と言って、子供に向かって




「どこか痛むところはない?」




と聞いた。




「お腹…。お腹が痛いの…。」




「いつから?」




「………………、多分、昨日路地裏で拾ったパンを食べたからかもしれない。」




〝……………!?路地裏で拾ったパン?!〟




フィリアには衝撃的だった。そんな落ちてたパンしか食べれないのか?自分たちは充分な食事がある。当然のように国民は貧しいながらも最低限の食事くらいはしてるものだと思っていたのだ。








そんな時、第一王女のティアリアが馬車でやってきて何やら組み立て始めた。


そしてあっという間に配給所が出来上がった。




「さあ!庶民のみなさん!第一王女、ティアリア様から只今より穀物を配布致します!さあ、並んで!」




ティアリアの侍女がそう声を張り上げた。




近くにいた住民たちが並び出す。そして穀物を持ち帰った住民が近所の人間に伝え、続々と人々が並ぶ。






その様子を見てフィリアは〝お姉さまが食料を配布して下さるなら私は別の事をしよう!民の為になることを…。〟と思ったのでした。




そして目の前で苦しむ少女を見てフィリアは医者を探すことにした。


侍女に命令して医者が到着するのを待つが、中々来ない。




〝庶民は病にかかってもこんなに医者にかかることが難しいの?!〟




と衝撃を受けていた。






ようやく侍女が医者を連れてきて場所を移して診察を受ける。


しかし、少女は医者を拒否する。




「どうして?やっと来てくれたのよ?」




彼女にそう言うと




「お金がないんです…。」




と答えた。






フィリアはそんなに民が困窮しているのか?とショックを受けた。そして、




「大丈夫よ。私が治療費を払うから、診察を受けてくれないかしら?」




と 少女に向かって言った。






すると少女は静かに頷いた。






フィリアは思った。




〝医療の充実!これこそが私がしなければならないことじゃないかしら?〟






そして城に戻ってすぐに侍女に言って現状を把握する為に医者の人数と医院の配置図、大体の予算を調べるようにした。


〝まずは現状を知らないと何も始まらないわ。〟




内気な王女の姿はその瞬間、消えていった……………。








そのころクラウドは……………


その王女の決意が自身の今後を大きく変えるものだと知りもしないで憩いの時間をすごしていた。






「もうねジャポスカったら面白いんだ!」




「そんなことがあったの?私も一緒に見てみたかったわ。」






今日もラナベルの元を訪れていた。








「この前のパーティーではホント、ジャポスカらしくなくて驚いたよ、ラナベルにも見せたかったよ!」




「あら、きっと とても可愛かったのね。」




「………………、え、まぁ…、綺麗だったよね、確かに…、」




クラウドが照れていた。


そんなクラウドを見てラナベルは少し複雑な気持ちだった。




〝クラウドはクラウドよ。あのひととは別人なんだから…、彼の面影を追ってはいけないわ。〟




「ふふ、本当にジャポスカと仲が良くて羨ましいわね。」




そう言ったラナベルにクラウドは




「ラナベル!僕はジャポスカではなくてラナベルが…!」




ラナベルはクラウドの手をギュッと握ってそれ以上言わないようにさせた。






「ラ…、ラナベル…?」




ラナベルは目を閉じて静かに首を横に振った。




クラウドはやり場のない思いをギュッと耐えた。ラナベルを困らせるつもりはない。それにラナベルが好きだけどこの気持ちは憧れの延長なのか、自信がなかったのだ。




「ごめん、ラナベル。困らせるところだった。」




「いいの、いいのよ。私こそ、ごめんなさい。」




「これからも変わらず会ってくれる?」




「ええ、いつでも大歓迎よ。」




「わかった。ありがとう。」




そうしてクラウドは自領へと戻って行った。




ご覧下さりありがとうございます。ハンダル王国の内情が冒頭にて出てきました。と、いうことはこれから舞台はハンダル王国をも絡めて進んでいくということになります。それに対してクラウドはどう巻き込まれていくのでしょうか。

次回もお楽しみに!


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