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第4話:第一子出産!感動の瞬間!



陣痛の激しい痛みの合間に少しずつ部屋を移動していくアレクサンドラと付き添うラモニア。




ようやくお産する為に整えてある部屋まで辿り着いた。




ベットの上に座り、四つん這いになるといいと言われ、腕が痺れるから身体を山積みにした枕たちに預ければいいと言われしがみついた。




「陣痛の痛みがきたらいきむのよ。」




アレクサンドラはコクンとうなずいた。




何度も何度も繰り返しやって来る陣痛の痛み。


それに合わせていきむが、ちゃんと出来てるのか中々わからない。困惑しながら痛みと戦うアレクサンドラ。




部屋の外ではハラハラしながら何も手につかずオロオロするばかりのルクセブル。




「ルクセブル様、まだまだ時間がかかりますゆえ、座ってお待ちください。」




侍女たちがそう声をかけても彼の耳には届いていなかったようだ。


そばにいた父グラナスが侍女たちに〝よいよい〟という仕草をして、下がらせた。


かくいうグラナスも過去にルクセブルと同じようにここでオロオロしたからだ。




〝わかってはいても落ち着かないものなんだよ。〟




そう、グラナスも内心ハラハラしていたのだった。可愛い嫁が中で頑張っているのだ。ラモニアもついているのだから大丈夫だと思いつつももどかしくて仕方なかったのだった。






どれだけ時間が過ぎたのだろうか………。中からは、変わらず痛みに耐えていきむアレクサンドラの声が聞こえてくる。




「長すぎないか…。あれではアレンがもたなあのではないか?!」




ルクセブルは思わず口にしていた。




「落ち着け、ルクセブル!女性は皆、お産に耐えられるようになっているのだ。」




「しかしまれに………!!」






グラナスはテンパるルクセブルの肩を静かにポン!と叩き




「聖剣がついてるだろ?お前に幸せと安寧をもたらすのだ。悪いようにはならんさ。」




「…………!!」




父の言葉に落ち着きを取り戻すルクセブル。




すかさず


その場に跪いて聖剣に願う……。




「聖剣よ!どうか僕の大切なアレンとお腹の子供を守りたまえ!」






聖剣がピカッと眩い光を放ったかと思うと、アレクサンドラのいる部屋へと光は吸い込まれるように入っていった。




「………!これは………!!」




一瞬戸惑っていたがそのあとすぐに






「おぎゃ---------------------------ッ!!!!」




という赤子の鳴き声が聞こえた!!






「う…産まれた!!」




ルクセブルはポツリと呟いた。








部屋の中から侍女が出てきて




「おめでとうございます!元気な男のお子様です!」




そう言ってきた。








「ああ、そうだ。男の子なんだよ。やっぱり男の子だったんだよ…父上………!」




ルクセブルは感動で涙で顔がぐちゃぐちゃになっていた。




「そうだな、おめでとう!ルクセブル。これでお前も父親だ。ハッ!私はお爺様か…!それも良いな!ハハハッ!!」




グラナスも喜びでいっぱいだった!










「アレン、アレンは?無事か?!」




ルクセブルは慌てだした。






「もちろんでございます。奥様もお子様もお元気でございます。」




「そうか!良かった!!アレン…!!」




「あ、ルクセブル様!奥様はまだお疲れですので長居は………。」




「ああ、分かってる!」




そうしてルクセブルは産後のアレクサンドラに会いに部屋に入った。








部屋の中はまだ慌ただしかった。






お産という大きな仕事を終えたアレクサンドラはクタクタになっていた。


が、表情はとても穏やかで喜びに満ち溢れていた。




「アレン…。」




「ルク?」




「うん、アレン…。ありがとう!!」




「うん、私頑張ったわ。」




「うん、あなたも無事で…ありがとう!!」




ルクセブルの瞳には喜びの涙が溢れていた。




「もうルクったら!クスクス…。」




「僕は心配で聖剣に祈ったほどだよ!」




「まあ!それででしたの?何だか突然光がやって来たかと思うとその後のいきみで嘘のように産まれたのよ?」




「ハハッ、それは聖剣にお礼しなきゃだな。」




そう言ってルクセブルは聖剣を大切に扱いながら




「僕の聖剣よ、ありがとう!!2人を守ってくれてありがとう!!」




ルクセブルがそう語ると聖剣の宝石がキラリと光った。






「まあ!お応えになられましたわ!」




「そうなんだよ。」




「ふふっ。聖剣様。私と息子を守って下さってありがとうございました。」




アレクサンドラも聖剣にお礼を述べた。


聖剣はまたもやキラリと光った。






アレクサンドラは聖剣に選ばれた少女だったのだ。






持ち主の幸せと安寧をもたらす家門に継がれる聖剣。


16歳になると受け継がれるが、その後に聖剣が良き相手に巡り合わせたのだった。




アレクサンドラとの衝撃的な出会いのように…。




聖剣が結んだ縁は「死」以外には有り得ないくらいに持ち主は幸せになるのだった。






こうしてルクセブルとアレクサンドラの息子もいずれ、あの小さな聖剣を受け継ぐ日がくるのだろう。それまで二人は見守る事を誓った。




ご覧下さりありがとうございます。

これでルクセブルも父親になりましたね。

これからアレクサンドラとふたりで子供の成長を見守っていくことでしょう。


今後の展開をお楽しみに!


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