第39話:クラウド、ジャポスカと共に学園の舞踏会へ!
着替え終わったジャポスカが扉を開けた。
が、
出てこない。
扉ごしにこちらを覗き込んでいるかのようだ。
「ジャポスカ、着替え終わったのね、見せてっ!」
フランがワクワクしながらジャポスカに駆けよって扉を開こうとした。
「や…、恥ずかしいっ‼」
そう言ってギュッと扉を握りしめる。が、剣術を習い始めたフランはジャポスカの気持ちとは裏腹に勢いよく扉を開けてしまった。
そしてそのジャポスカの姿を見るなり
「ぅわ~~~~~~お!」
と感嘆の声を上げた!
そこには真っ白なドレスを見に纏っていた美しい少女が立っていた。
「ジャポスカすっごく綺麗っ!」
そう言われてジャポスカは嬉しくなった。がチラッとクラウドの方を見た。
「……………。」
〝クラウド…何も言ってくれない……………。〟
ジャポスカがシュンとしていたらフランが
「お兄様っ!息っ!息してますか?」と言い出した。
それを聞いてジャポスカはビックリして
「クラウド!息してっ!!!」
その声を聞いて〝ハッ〟と我に返ったクラウド。
「ご…、ごめん。君があまりにも綺麗だったから…、」
その言葉を聞いてジャポスカは顔が真っ赤になった!
そして更に〝ハッ〟としたクラウド。もう10歳の子供じゃないんだ、「可愛い」とか「綺麗」とか簡単に言えないのに無意識に出てしまって恥ずかしさで一杯になった。
そんなクラウドにジャポスカは〝チュッ〟と頬にキスをして「ありがと。」と言った。
「わ…、」驚くクラウドとそれを目撃したフラン。
ジャポスカはニッコニコだった。
そして
もちろん、アレクサンドラもその場面を目撃しており、
〝あらあらあら……………。うちのクラウドってばモテちゃって。〟
と楽しそうにしていた。
〝ルクの子ですもの、モテるわよね。ふふ。〟
そして皆の元に行って
「さあ、クラウド。ジャポスカをちゃんとエスコートするのよ。」
と声をかけた。
「うん。さあ、ジャポスカ、行こうか。」
そう言って腕を差し出した。
「オッケー!」
ジャポスカはクラウドの腕に腕を回した。
そうして二人を送り出すことにした。
「ジャポスカ…転んだりしないかしら……………。」
「大丈夫でしょ。クラウドが付いているんだから。」
「それもそうですわね。お兄様はきっとジャポスカを守ってくれますわね。」
アレクサンドラとフランは楽しそうに二人が乗った馬車が見えなくなるまで見送った。
◆ ◆ ◆
王都の真ん中に学園はある。
アルクレゼの馬車が学園に到着すると近くにいた生徒たちは皆、足を止めた。あのクラウドが連れてくるパートナーが誰なのかみんな興味津々だからだ。令嬢達は自分が選ばれなかったから誰が選ばれたのか知りたくてうずうずしていた。
カチャ…
馬車の扉が開いてまずはクラウドが降りてきた。
そして馬車の中の方を向いて、手を差し出した。周りはどよめいた。
「さあ、ジャポスカ、着いたよ。ゆっくりおいで。」
そう言っていた。周囲がどよいめいたのは、この時のクラウドはとても優しい眼差しを向けていたからだ。
本当は履きなれない靴を履いているジャポスカを心配していただけだったのだが、普段、どれだけクールを装っているのだろうか…。
そしてそっとジャポスカが手を伸ばしてゆくりと馬車から降りてくる。
その様子を見た男性陣はジャポスカの美しさに惚けていた。また、女性陣は〝あんな女性、いたかしら?〟と思いながらジャポスカの美しさに敗北感を感じていたのだった。
馬車から降りている途中でジャポスカが足を踏み外して咄嗟にクラウドが支えた。
「きゃ~~~~~~~~~~~~~っつ!!!」
という悲鳴と共に何人かの女性がその場にへたり込んだ。〝あの女性が私だったら…‼〟そう思いながら。
「ご、ごめん、クラウド。」
焦りながら誤るジャポスカ。
「いいよ、大丈夫だから。気にするな。」
「うん………。」
〝今日のクラウドはいつもと違ってとっても優しい。全部私を見て、私だけを見てくれている。嬉しい!〟
ジャポスカの心は喜びにあふれていた。クラウドのためにしっかりと約束を守らないと!と心に誓いながら。
ご覧下さりありがとうございます。いつもは黒い衣装に身を包んでいたジャポスカだが、今回は真っ白なドレスをアレクサンドラが用意したようだった。いつもとは対照的な姿にクラウドもドキドキしたのだろ…。
次回もお楽しみに!




