第38話:そろそろジャポスカの出番が恋しくなってきたよね?
クラウドの実績はたちまち王都でも評判となっていた。皆口々に「流石アルクレゼ」「やはりルクセブル様のご子息は違うわね」などの賞賛の声があがった。そして再び、デートのお誘いの手紙が増えていった。
「………………って、ことがあってね、また茶会のお誘いの手紙が増えたんだよ、もう面倒だよ。」
「ふふふ。あなたはやっぱりお父様によく似ているわね。」
「え~~~~、ラナベル。こんな時に父のこと言うの反則だよ?!」
「仕方ないわよ、似ているんだもの。ふふっ。」
そう言ってラナベルは笑った。
クラウドの癒しの時間だ。何かあれば馬に乗って、時間がかかろうともラナベルに会いに来る。それはラナベルに会いたいという気持ちと癒されるからだ。10歳の時に会ってからずっと憧れの女性だ。こんなに素敵な女性がそばにいるのに他の女性に目がいくはずがないのだ。
「それはそうと、ジャポスカと仲良くやってる?」
「うん、変わらず仲良しだけど?…どうかした?」
「最近二人で来ることがなくなったからちょっと気になったのよ。」
「あー、ちょっとね、僕の都合でジャポスカにお願いしてるんだ。」
ラナベルは歯切れの悪いクラウドに聞き返した。
「お願い?」
「うん、もうすぐ僕の学校でダンスパーティーがあって、ジャポスカにパートナーとして人間の女の子の姿で出てもらうことになったの。」
「えっ…。」
ラナベルはちょっとドキッとした。
「ほら、さっき話したように、周りが鬱陶しいからね、だからジャポスカにお願いしたんだ。」
そうクラウドが言うと何だか少しホッとした。
〝なんだろう?さっきの不安感は…。〟ラナベルはクラウド自身に対して初めて違う感情を持ったことに気付いて驚いた。
「じゃぁ、ジャポスカのドレスは…。」
「うん、母が用意するって言ってたからいつもの恰好じゃないことは確かだよ!」
そう言ってクラウドは笑った。
「ふふっ。確かに、いつもの恰好では貴族のパーティーって感じじゃないわね。」
「でしょ?ジャポスカ、可愛いのになんであんな派手な格好なんだろうね?」
「魔物の子ってことで黒って発想は短絡的ね…。私もジャポスカに服を作ってあげようかしら…。」
「え?ラナベル、服を作れるの?!」
「簡単な服よ?ダメよ?女の子のしか作れないわよ?
「ハハッ、なんでバレちゃうかなぁ~~。」
そう言って二人で笑いあった。
クラウドにとって本当に癒される時間だった。
◆ ◆ ◆
「ぎゃ~~~~~!!!痛いっつ!何コレ?こんなの、ヤダっつ!!!!」
ある日のアルクレゼ侯爵家。
広間まで響き渡る声…。
「ジャポスカ、我慢よ。女はみんなこうして〝綺麗〟を作り上げるんだから…。」
そう言うのはアレクサンドラだった。
「アレクサンドラぁ~~~~、こんなに絞めると苦しいよぉ、何も食べれないじゃん。」
「そこは我慢よ!帰ってきたらいくらでも美味しい物を用意しておくから、ね?」
「…………………。」
ジャポスカは涙目でアレクサンドラを見た。
「………………約束だよぉ?」
「もちろん!さあ、あと少し絞めて…。」
「えっつ!?無理無理無理無理…………っ!!!」
ジャポスカがどんなに抵抗しようと、容赦なく絞め上げていくアルクレゼの侍女たち。
部屋の前でクラウドがソワソワしている。
なんせ、部屋の中からジャポスカの悲鳴が聞こえてくるのだから……………。だが、許可なしにレディの着替えの最中に入室する事は出来ないので、オロオロするばかり。
「何、そんなにオロオロしてるのよ、お兄様!」
フランがぶっこんできた。
「そりゃ、あんな悲鳴聞いたらさ……………。」
「お兄様甘くてよ、パーティーなんて女の闘いですもの、仕方ありませんわ。」
〝流石、8歳といえど女の子。パーティーについて気になるのだろう。よく知っているな。〟
ガチャ……………。
そうこうしているうちに部屋の扉が開いた。
ご覧下さりありがとうございます。今回のタイトル…。
毎回、タイトルをどのようにつけようか悩みます。
というのは、私の場合、基本アメブロの下書きにて書き溜めているんですよ。
このお話を貼りつけてる段階で既に50話突破してます。
なので貼りつけ時に読み返して訂正入れて、タイトルと後書きを書いてます。
今書いてるものまで貼り付けたら、こちらに下書きして書き溜めていきたいと思ってます。
と、次回もお楽しみに!




