第37話:クラウドの仕事
クラウドは静かにその小屋を見ていた。そして深呼吸をして、小屋に入って行く。
ガチャ…。キイィィィ……………。
中は真っ暗だ。
コト…。コト……………。クラウドが歩く足音だけが響く。一歩ずつ進むにつれて段々目が慣れてきた時、
「--------らっしゃい。」
男の低い声が聞えた。その方向を向くと店主と雇われのゴロツキが数名いた。
クラウドは彼らの雰囲気から緊張し、生唾を飲んだ。
〝ゴクリ……………。〟
そして店主に向かって声を発する。
「言うことを聞いてくれる女の子がいるって聞いたんだけど?会わせて欲しい。」
店主は鋭い目つきでクラウドを睨みつけた!
「お客さん、なんのことだか?ゲームしたいなら大歓迎だが?」
「ここは賭博場なの?僕は遊べる女の子が欲しいんだけど?」
店主はクラウドをジロジロと見る。
「なんだい、金持ちのボンボンか。おい、ジロー案内してやれ。」
ジローと呼ばれた男は無言でうなずいて、クラウドに顎でクイっとして「こっちだ」と示していた。
ジローのあとをついて行くと鍵のかかった部屋に何人もの女の子がそこにいた。
〝────────ッ。タレコミ通りじゃないか!〟
クラウドの握っていた拳が怒りで小刻みに震えていた。
「どうですか?お好みの女の子はおりましたか?」
クラウドはこのまま芝居を続けることにした。せめてルルドと共に入室しておけばよかったと思いながら。
「そうだね、あの向こうから三番目の髪が短い子がいいね、今風で。」
「ほほぉ~、お目が高い!500万ルカスでどうですかい?」
〝コイツ……………。僕が金持ちだと思ってるな。〟
「そうだね、出せないことはないけど、ちょっと値引いてくれない?他の子も欲しいんだ。」
「それでしたらあと二人お付けして1200万ルカスではどうですかい?」
「え~~~~~!それじゃあ、あんまりお得感ないじゃん!」
「なんと!一人500万ですぞ?300万も値引いたら充分ではありませんか?」
〝よし、いい感じで話を引っ張ったぞ、まもなくルルド達が突入してくるはず!〟
「う~~ん、300万の値引きかぁ、じゃぁ、4人にして1600万!どうだ?」
「4人て…!お客さん、そんなに仕入れてどうするつもりで?」
「そんなのいいだろ?僕がどうしようと君には関係ない。」
「ハハハ!これは無粋でしたな。でしたら5人で2000万!これでどうでしょう?」
「店主、面白い交渉するね、」
「ハハハ!褒めて頂き光栄ですよ。」
その瞬間、外で騒ぎが起こった!!
他の場所にいたゴロツキの1人が飛び込んできた!
「店主!外で何者かが大暴れしております!」
「なんだと!?」
クラウドはそのやり取りを聞いて
〝よし、ルルドが突入したな。〟と確信した。そしてそのまま芝居を続けて
「どうかしたのか?」
「いえいえ、お客さん、どうやら部外者が暴れているようでして、危険ですので今日はお引き取りをお願いしたい。」
「え~~~~~~~っ、せっかくいい交渉してたのに 、なっ、!!」
〝シュッ!〟
「わぁっ!!!」
〝────ピタ!!〟
その瞬間、クラウドは自身の剣を持ち出して店主を引き寄せて首元にその剣をあてがった。
「すまないね、店主との交渉は決裂だな、ま、二度と交渉する事もないけどね!さあ、店主の命が惜しければ皆投降するんだな!」
そう言ってその場にいた店主の仲間たちは武器を捨ててその場でうずくまった。
ルルド達もその場に突入し、素早くみんなの手に縄をかけて縛りあげた。
「くそ~~~!どうしてここがわかった!」
店主は悔しそうだった。
「さあね?」
クラウドはまだ芝居を続けているようだ。
「主。女性たちはどのように…?」
「ああ、みんな出してあげて。帰る所がある人達は帰してあげて。ない人達はとりあえず、邸に一緒に来てもらおうか。能力を見て邸で侍女でも何でも雇っていいし、どこかに紹介するよ。」
鍵に掛けられた部屋の中にいた女性たちはクラウドのその言葉を聞いて〝わぁー〟と歓声を上げた。
どれだけ長くここに閉じ込められていたのだろか…。クラウドは、フランや母が同じような立場だったら…と思うとゾッとした。
ご覧下さりありがとうございます。クラウドの仕事は何とも危なっかしい仕事でしたね。女性たちを売り飛ばす現場を確保しに突入したようですが、無事捕獲し、女性たちを解放出来て良かったです。
次回もお楽しみに!




