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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第34話:クラウドの調査が父から国王へと報告が上がる…。



翌日、ルクセブルは王城へ登城し、クラウドから聞いた内容を国王に報告した。




「それは誠か?」




「はい、我が息子、クラウドが密かに街へ潜入して町民から直接聞いてきましたので、間違いありません。」




その場には国王、王太子のダナジー、ルクセブルの父のグラナスがいた。






「クラウドが?!」




王太子ダナジーが驚いて聞いた。


ダナジーもルクセブル達が結婚式を挙げたあと、数年後に国を挙げての結婚式をした。


王太子妃レルロアとの間に二人の子供をもうけていた。


長子(王子)はフランと同じ年齢、次子(王女)はアドルフの一つ下になる。時々子供を含めてこの夫婦とは交流がある。




「ええ、とても信頼のおける者が護衛しておりますので。」




と、ジャポスカのことをそう紹介した。






「ほほ~、そうだな。クラウドも、もう14歳か。あと4年もすれば成人だからな。そういう経験も少しずつさせているのか。」




「王太子殿下、殿下のところもあっと言う間です。」




「ハハハ!そうだな、参考にさせてもらうよ、ルクセブル!」




二人は仲良く談笑している。






「えー、コホン!」




と咳払いをしたのはグラナスだ。




そうだ、ここには雑談をする為に来たわけではなかった。






「それで、もしあちらから何かアクションがありましたら、どうかこの件を思い出して頂きたいと思い、ご報告に上がった次第です。」




「うむ。報告ご苦労。下がってよいぞ。」




「はっ。失礼します。」




そうしてルクセブルとグラナスは国王と王太子に深くお辞儀をして謁見の間を退出した。






残された国王と王太子ダナジーは




「早急に対策が必要ですね、父上。」




「ああ、あらゆるパターンで考えよう。ダナジー、お前も良き案を出してくれ。大事にはしたくないからな。我らでまずは動こう。」




「はい、父上。」








そうして北のハンダル王国から何等かのアクションがあるまで、こちらは動かずに様子を見ることにした。












◆  ◆  ◆










「………………ってことがあったんだよ、ラナベル。」






クラウドは時々ジャポスカ抜きで一人でラナベルの元を訪れるようになっていた。


この四年の間、クラウドは馬に乗れるようにもなった。往復4時間かかるが、それでもこうしてラナベルに会えることが嬉しくてひたすら馬を駆けるのだ。




「まあ、それは大変だったわね。その時はジャポスカも一緒だったの?」




「まあね、まだ僕一人では父上は任せてくれないからね。」




「あら、そんなことないのでは?ジャポスカがいなかったらちゃんとした護衛を付けるでしょう?」




「そうなんだよ!その護衛がうっとおしいんだもん、嫌だよ。」




「あらまぁ!そんな我儘をいっては駄目よ?クスクス…。」




クラウドはこの瞬間がとても好きで癒されていた。大好きな年上のお姉さん。クラウドにとってとても大きな存在になりつつあった。それが恋へと発展するのかどうか、クラウドはまだ知らなかった。






そしてラナベルもこうしてクラウドが訪れてくることが待ち遠しかった。


いつもは初代ゆりの園の番人ルル様と共に過ごしているが、とても孤独だ。そんな中、唯一癒されていたのが、ジャポスカの存在だった。そしてジャポスカが連れてきたクラウド、彼の中に忘れられないルクセブルの面影を見つけては胸がトキメキつつ、叶わない思いに傷付くということを繰り返していた。






「おっと、もうこんな時間だ。そろそろ帰るよ、またね、ラナベル。」




クラウドが花時計を見て言った。






「本当だわ、もうこんな時間なのね。気をつけてね。」




コクンとクラウドは頷いた。


そして馬にまたがってひたすら自分の領地へと走らせた。








もう14歳になって、自分の領地と母の故郷、おばあ様の故郷までは護衛なしでも外出しても良いことになっている。


但し、その際には行先を告げることが決まりだ。


本来、南隣国に該当するラナベルの百合の園は許可されていない。しかし、ラナベルに会いたくてこっそりと出てきたり、母の故郷へ行くと嘘をついて出てきたりしていた。その時は罪悪感に囚われていつもよりも早めに帰るようにしていた。




〝堂々とラナベルに会いに行きたいのにな、父上がきっと許可してくれないだろう。ラナベルも父上が絡むと何だかおかしいし、ふたりの間に何かあったのだろうか…。〟




クラウドは直接何かを聞いたわけではないが、二人の様子からそういう答えを導きだしたのだった。だが、それを確かめる勇気もなければきっと権利もないだろう。




〝僕はまだ父上に何一つ勝てる要素がない。ラナベルの気を引きたくても父を超えなければ難しいだろう。そしてそれはきっとラナベルを困らせるだけだ。〟




そう思って、ラナベルへの憧れの気持ちを封印しようと思った。




ご覧下さりありがとうございます。10歳にラナベルに出会って一目で好意を抱いたクラウドは馬に乗れるようになった途端、一人でもラナベルに会いに行くようになったようです。そして一人で現れるクラウドに対して最初は驚きつつも、癒されていくラナベル…。二人の関係は今後どう発展していくのでしょうか。

お楽しみに!


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