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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第33話:父に認めて貰えて自信がついたクラウド!



自領へと戻ったクラウドは早速ジャポスカを連れて邸に戻った。ルクセブルにさっきの話をする為だ。




「もう行ってきたのか?早いな。無事戻ってきてくれてありがとう。」




「私がついてるから大丈夫だよ、ルクセブル。」




「それは信頼してはいるが、親というものはどうしようもない生き物なんだよ。」




ルクセブルはそう言ってジャポスカの額を軽く〝チョン〟と指で弾いた。


ジャポスカはビックリしたが、




「ふぅ~~~ん。そうなんだ。てかルクセブル、私のこと子供扱いしたよね?今!」




ジャポスカはちょっとムッとした。姿は少女に見えるが、ジャポスカは魔物の子なので、実際の年齢はルクセブルと変わらないか、上かもしれないのだ。しかし、そんなのはお構いなしにルクセブルは笑って誤魔化して話を続ける。




「はははっ!そうだぞ?ジャポスカのママンだってそうじゃないか。」






ジャポスカはそんなルクセブルの相手をするのを諦めた。






「ん-そうだね、そうだった。」








そうして、その場はいったん落ち着いた時に、緊張が走った。










「────さて、本題に入ろう。せっかくだ。報告をしてくれ。」




ルクセブルはクラウドの顔を見て真剣に言った。その表情は父親としてではなくまるで上司のようだった。そのルクセブルの心を読み取ったかのようにクラウドもまた真剣な表情になり、報告を始めた。






「はい、それでは町民から聞いた話を報告します。」






クラウドは町民から聞いた話を細かく話した。










「なるほど、選挙か。それで王族は皆必死で町民にまで自分たちをアピールしているわけだな。」




「はい、そこで僕は思ったんですが、その選挙に我が国を含んだ近隣国を巻き込んでくるのではないでしょうか。」




「わざわざ?」




「はい、外交手段の一つとして、王族たちの実力を見る為だとか言って協力を得たとします。それで王族がそれぞれアピールをする、だれか一人に偏った場合、残った者たちが何か悪いことをしなければいいのですが…。例えば外交で商品の流れを止めるとか…。」




「ふむ、あり得ない話ではないな。その話、私からわが陛下にも報告しておこう。」




「はい、そしてその上やっかいなのが、あちらでは王女様にも資格があるそうです。」




「つまり、候補者は全部で五人か。」




ルクセブルは眉間にしわを寄せた。








「はい。」




「わかった。調査ありがとう。ゆっくり休みなさい。」




「はい、失礼します。」




そう言ってクラウドは深くお辞儀をして執務室の部屋を出ようとした。








「クラウド。」




「はい?」




ルクセブルに呼び止められたクラウドは振り返った。








「見事な報告だった。これからはお父様ではなく父上と呼ぶように。」






「はい、ありがとうございます。おとう…父上!」






ふっ、とルクセブルが笑みを浮かべた。






そしてクラウドとジャポスカは部屋から出て行った。










入れ替わりに執務室の奥からアレクサンドラが出てきた。




「どうだい?クラウドは。」




「ええ。聞いておりました。あの子には本当に当主になる資質があるのに…。」




「私も思ったよ、とても残念だ。一体この先クラウドに何が起ころうというのだ?!」




ルクセブルは頭を抱えた。そしてそれはアレクサンドラも同じ思いだった。




「あんなに素敵に育ってくれたのに…。」






二人は寄り添ってルクセブルはアレクサンドラを深く抱きしめた。




「ああ、クラウドは君の聡いところをしっかりと受け継いでいるよ。さぁ、悲しまないで。」




「本当にアラン(アドルフ)がこの家を継ぐのかしら…。」




アレクサンドラの不安な気持ちは癒えることがなかった。それでもルクセブルには何も出来る事がない。下手に希望を持たせるような慰め方は出来ない。だからいつでも正直であることにしている。






「それは私にもわからない。」




アレクサンドラもそのことはわかった上で、つい、言葉に出てしまうのだ。どうか、クラウドが継ぐと言って欲しいという気持ちを込めて…。




「聖剣様だって間違うことがあるのでは?」




「君の気持ちはわかるが、それはあり得ないんだよ、アレン」






いつだってルクセブルからは冷静な答えが返ってくる。彼は間違っていない。充分自分自身でも納得している答えだ。




「そうよね…。」




「私たちに出来ることは普通にクラウドを育てることだけだ。彼がどう選択してもいいように、どうなったとしても後悔しないように。」




「ええ、わかっているわ。」




アレクサンドラは強くルクセブルに抱き着いた。今にも泣きたい気持ちを隠すために…。










両親のそんな心の内を知らないクラウドは、父に褒めてもらったことがとても嬉しかったようだ。駆け足で邸内を走り抜ける。




「待って…、待ってよ。クラウド!」




ジャポスカがそう言ってクラウドを止めた。






「ああ、ごめん。嬉しくてつい。」




「なぁに~?まさか初めて褒めてもらったわけでもないだろうに。」




「うん、さっきね、〝父上〟と呼ぶように言われてさ、それって僕が大人になったと判断したってことなんだよ。それがとっても嬉しくてね、勿論褒められたことも嬉しいさ。」






ジャポスカは嬉しそうに話すクラウドに




「呼び方でそんなに意味が違うものなの?」




と聞いた。






「ああ、アルクレゼ侯爵家だけの決まりなんだけどね。」




「ふぅ~ん。」




ジャポスカはクラウドがあまりにも嬉しそうにしていたから、自分も嬉しくなってきた。




ご覧下さりありがとうございます。

ルクセブルもクラウドの成長が誇らしいでしょうね。

この先、ちゃんと話を回収出来るのか不安あります。

が、頑張りますので、また見て下さると嬉しいです。


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