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第3話:聖剣の秘密とアレクサンドラのお産が始まる!



そしてその日、帰宅してからルクセブルはすぐに父グラナスの元に向かった。




コンコンコン!




「父上、ルクセブルです。」




父の書斎をノックして声を掛けた。






「入りなさい。」




グラナスが返事をしたのでルクセブルは入室した。




「父上、少しお話があります。」




新聞を読んでいたグラナスはそっと新聞を折りたたみ、ルクセブルに向き合った。




秘書のルドルフはそっと部屋をあとにした。






「お前が改まって来るとはな。懐妊の話ならラモニアから聞いておるぞ?良かったな。おめでとう!」




「ありがとうございます!」




ルクセブルは少し照れた。






「それで、父上に見て頂きたいものがあります。」




「ん?」






ルクセブルは自身の聖剣とそばにあった生まれた聖剣をテーブルに置いてグラナスに見せた。






「おお!男児か!」




「そのようです。しかし、この宝石の部分をご覧下さい。」




ルクセブルはグラナスに宝石の付いてる部分を見せた。






「ん?黄色?」




「そうなんです、僕も父上もブルーだったので…。そういう事もあるのでしょうか?」




ルクセブルは心配そうな顔でグラナスの方を見た。






「私の父上、お前のお爺様にあたる方もブルーだったのだ。お前も代々の当主の写真を見たことがあるだろう?皆、ブルーなのだよ。」




「それでは…これはいったい………。」




「ふむ、我らは聖剣に守られるから代々当主となる人間しか男児は産まれてこなかったのだよ。ひょっとしたら将来、もう1人男児が産まれる可能性があるのやもしれんな。」




「なるほど!」




ルクセブルは妙に納得した。




が………!






「では、今のお腹に宿った子は当主にはなれないのですか?」




「それは私にもわからない。あとからブルーに変わるかもしれんし、わからぬ。」




「そうですか…。こんな事は初めてだと捉えればいいのですね。はぁ、」




ルクセブルは父上に聞けば何か解決策が出るのではと期待していた分、無いことに肩を落とした。




「ルクセブルよ、もし、その子が聖剣の加護を受けられなかったとしてもお前が守ってやれ。」




「もちろんです!」




ふたりは意思をしっかりと固めた。






聖剣でなくても可愛い我が子、孫になるのだ。






「しかし、そんな話はアレクサンドラには言わないように。あの子が不安になるだろう。」




「そうですね、少し話をしてしまったのであとから変わるとかで誤魔化しておきます。」




「うむ、騙されたと思うやもしれんが、出産してからでも話してやるとよい。聡い子だ。理解してくれるだろう。」




「ええ、そのようにします。」




グラナスはうなずいた。そしてルクセブルはアレクサンドラの待つ寝室へと向かった。








「アレン!ただいま!」




「ルクさ……、ルク、お帰りなさい。」




ルクセブルは言い直しをしたアレクサンドラに穏やかに笑顔を返した。


そしてアレクサンドラの元に来て




「父上に会って聞いてきたけど心配いらないようだ。そのうち変わるらしいよ。」




「まあ、そうなんですのね。良かったわ。ね、ベビちゃん。ふふっ。」




アレクサンドラはお腹を撫でて愛おしそうにしていた。そんな様子を見てルクセブルは一層アレクサンドラが愛しくなった。




アレクサンドラの横にコロンと寝転がって〝自分も撫でて 〟とでも言ってるかのような仕草をしたのだ。




「まあ、ルクさ…、ルクってば。ふふっ。」




まだ呼び捨てに慣れないながらも頑張るアレクサンドラは甘えてくるルクセブルの髪に手を伸ばし彼の心の内を見透かして撫でた。






「ふっ、アレンはよく僕のことをわかっているね。」




「ふふっ、さあ、どうかしらね。ふふふ。」




ふたりの甘い夜が更けていく………。








相変わらずアレクサンドラの悪阻は治まる様子もなくハラハラするルクセブルだが、母のラモニアから喝を入れられて渋々王城へと出勤していくのであった。






そうこうしてアレクサンドラの悪阻も治まり、安定した穏やかな日々を過ごしていくうちに、とうとう臨月を迎えた。






みんなでランチをしていた時のことだ。






「もういつ産まれてもおかしくないのよね。」




「本当に、楽しみだな。」




そんな会話をしていたら突然アレクサンドラは〝ブチッ〟と音と共に激しい痛みに襲われた!






「った!!!…………っ!!!!!」




アレクサンドラの周りは羊水が漏れていた。


破水だ!!






「アレン!大丈夫か?破水したんだな、医者を!」




さっきまでののどかな雰囲気とは真逆で騒然としている。必死に痛みを耐えるアレクサンドラ





ラモニアがアレクサンドラの傍に駆け寄り、アレクサンドラに声をかける。




「大丈夫よ、アレクサンドラ。落ち着いて、呼吸を整えましょう。辛いけど少しだけ歩くわよ。痛みと痛みの間に動くのよ。いいわね。」




アレクサンドラは痛みに耐えながらコクンとうなずいた。


流石お産経験者のラモニアだ。頼りになる。こんな時でも冷静に対応しているのだ。アレクサンドラはそんなラモニアを更に尊敬した。




ご覧下さりありがとうございます。

自身の陣痛の時を思い出して書いてたりします。

聖剣が現れたから男の子なのでしょうか?


次回もお楽しみに!


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