第24話:再会!クラウドの中に見る〝彼〟の面影
いつものように静かなシラユリの園…
今日もラナベルは番人として百合の花たちに声をかけて様子を見て回っていた。そんな時…
バサバサバサ……!
「う、わぁ~~~~~~っ!」
大きな羽音と共に悲鳴が上がった!
「クラウドっ、大丈夫だった?」
焦るジャポスカの声が響いてる。
そんな騒がしく着地したものだから当然…
「何!?今の……?」
と、ラナベルご急いで駆けつけた。
「ラナベル~~~っ!」
ジャポスカがラナベルに飛び付く。
「ィテ……テテテ…。」
クラウドが起き上がった。
どうやらジャポスカが着地に失敗したようだ。
「だ…っ!大丈夫っ!?」
慌ててクラウドの傍に駆け寄るラナベル。
そんなラナベルを見てクラウドは
「はい、大丈夫です、多分?」
と返事をした。
「まあ、大変!」
ラナベルの視線がクラウドの腕に向いた。
クラウドはそれに気付いて自身の腕を見ると血が出ていた。
「あっ…!大丈夫ですよ…。」
サッと腕を隠そうとした。
すかさずラナベルは怪我をしていないクラウドの腕を掴んで勢いよく立ち上がった。
「ダメよ!小さな傷だって甘く見ちゃダメ!!」
ラナベルの顔は真剣だった。
「あ………、うん、」
クラウドはあまりにも真剣なラナベルにそのようにしか返事が出来なかった。
「付いてきて。」
「……うん…。」
クラウドはラナベルに付いて歩く。クラウドから少し見上げたラナベルはとても綺麗だった。
そしてさっき掴まれた腕はそのまま自然とクラウドの手を握りしめていた。
クラウドは自分の手に視線を向けた。
ラナベルが繋いでいる手だ。
〝お母様やフランとは違う女の人の手だ…。〟
ちょっとドキドキしてきた。
百合の花畑ではしゃいでいたジャポスカはラナベルとクラウドの後ろ姿を見て立ち尽くしていた。
〝ラナベル…?あんなラナベル初めてみた………。〟
そして
〝それに……、なに?あのクラウドの惚けた顔?!〟
ちょっとムカついていた。
ラナベルに連れられて少し歩いたら小さな小屋に着いた。
「どうぞ、入って。」
クラウドは中に入り、キョロキョロと辺りを見渡していた。
「ふふっ、狭いでょ?好きな所に座ってね。」
ラナベルが笑って言った。
〝もしかしてココはラナベルさんのお家?だったから…ここがお父様がお世話になったところ?〟
「えっと…、クラウドくん?だったわよね…。」
不躾に部屋の中を見回していたクラウドはびっくりした。
「あっ、……はい、クラウドです。」
「今、お父様もここに居たのかって思ってたでしょ?」
「えっ…!?どうしてわかったんですか?」
驚くクラウドにラナベルは余裕の笑みで言葉を返す。
「ふふっ、わかるわよ。私が君の立場ならきっとそう思うもの。」
「…………………。」
クラウドは急に恥ずかしくなった。
〝素直な子ね。〟
ニコッと笑うラナベル。手馴れた手付きでクラウドの腕を手当していく。
クラウドはずっとドキドキしながらラナベルの手付きを見ていた。
〝なんだろう………。さっきから心臓がウルサイ。〟
そんな時、
バ──────ン!!
扉が勢いよく開いた!
「ん、もうっ!酷いよ、ラナベルもクラウドも~~~っ!置いてかないでよっ!!」
そう
ジャポスカだった。
「あっ!」
ラナベルとクラウドは二人で声が被った!
そう、すっかりジャポスカのことを忘れていたからだ。
二人で顔を見合わせて
「あはは…っ!」と笑いだした。
そんな二人を見てジャポスカはムッとして
「なんで?!2人して笑うなんて酷い~~~っ!」
そう言いながら近付いてくる。
「ごめん、ごめん!ジャポスカ。」
「ごめんなさいね、ジャポスカ。つい、焦ってしまってたわ。」
謝ってきた二人を見てジャポスカも落ち着いて
「まぁ……、そもそも私が着地に失敗したから仕方ないけど…。」
「ああ、そうだね、アレにはびっくりしたよ!次からは気を付けてね。」
クラウドは笑いながらジャポスカに言った。
「う…ん、ごめんね、クラウド。痛いでしょ?」
「大丈夫!僕、傷とかすぐに治るから!」
そして2人は互いに見つめあって笑いあった。
ラナベルは2人の様子を見てホッとした。
クラウドの中に見え隠れする「彼」を時折垣間見ながら…。
ご覧下さりありがとうございます。
ラナベルとの再会に喜ぶクラウドとジャポスカ。3人で過ごす時間は穏やかで楽しいものだった。
ただ…ラナベルにとって、クラウドは今も忘れられない愛する〝彼〟の子供であって、〝彼〟の面影を求めてしまうのでした。
今後の展開をお楽しみに!




