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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第21話:クラウドとラナベルの出会い!-彼の面影が残る男の子-



その景色に圧倒されたクラウドが呆然と立ち尽くしていると




「ジャポスカ?」






と、ジャポスカを呼ぶ女性の声がした。とても澄んだ綺麗な声だ。






その方向を見るとそこにはやはり声と変わらぬくらいに美しい女性がいた。






「………………!!!」






〝どうしたんだろう、僕…。すっごくドキドキする!〟




わずか10歳のクラウドだが、どうやらその女性に一目ぼれしたようだ。








立ち尽くしているクラウドに女性が気付いた。




「あら?そちらは?ジャポスカのお友達?」




そう声をかけてきた。そして女性がクラウドに近付いて来た時、クラウドの顔を見て固まった。






「え…。」






クラウドはその声に「ハッ」と我に返り、女性に向かって挨拶をした。






「あ、あの、僕はクラウドと言います!クラウド・アルクレゼです。」




「クラウド?…アルクレゼ?」




女性はクラウドの発した言葉を繰り返した。






「はい。その昔に父があなたにお世話になったそうで。命の恩人だと聞いております。父を助けて下さってありがとうございました!」






クラウドの言葉に咄嗟にラナベルはクラウドの中に懐かしく愛しい彼の面影を感じ、驚いた。




「あ…あぁ、ケイン…、いえ、ルクセブル様のご子息なのね。」




「はい。」




「そう…、とても素敵なご挨拶ね、ありがとう。何歳なの?」






ラナベルは目の前の彼の子供に対してどう接すればよいか分からず、戸惑いながらクラウドに聞いた。




「10歳です。今、ジャポスカと一緒にちょっとした冒険に出かけています。」




ハツラツと答える愛する彼の子供…。




「まぁ、そうなの。ジャポスカが一緒なら安心ね。」






話をしていると途中からジャポスカがやってきた。挨拶するために遠慮してくれていたのだろ。






〝ラナベル!〟




ジャポスカがラナベルを呼ぶ。




「ジャポスカ…。」




〝ほら、この前紹介するって言ってたでしょ?驚いた?〟




ジャポスカは無邪気な顔で笑った。




「驚いたわ!本当に…、あの人の面影が…。」




〝ラナベル。もう…吹っ切れたんだよね?〟




「何を言ってるの?あの人は私にとって思い出の中の人になったのよ。今も彼の幸せだけを願ってるわ。」






クラウドはその会話の中の「あの人」が自身の父であるということは何となく理解出来た。




〝大人の事情ってよくわからないけど、きっとお父様を看病してるうちにあの女性はお父様のことを好きになっちゃったんだな。〟と思った。








「ごめんなさいね。ここを案内しましょうか?」




ラナベルがクラウドに向かって言う。




「迷子になるくらい広いの?」




「そうでもないわよ?自分で回って見る?」




「うん、」




〝そうだね、ここだと誰も君に手出し出来ないからどこよりも安全だよ。〟




ジャポスカがそう言った。




「……………?」




クラウドが不思議そうな顔をしていると続けてジャポスカが説明した。




〝ここは私の縄張りってこと!OK?〟




「うん!じゃぁちょっと見てくる」




そう言ってクラウドは駆けて行った。






クラウドの背中を見送ったラナベルとジャポスカは話を続けた。




「本当に…。彼の面影が残ってるから驚いたわ。」




〝性格もちょっと似てるんだよね。〟




「そうなの?」




〝うん、また連れてくるから時々遊んであげてよ。〟




「それは構わないけど…。あれくらいの男の子って私みたいなのと遊んでも面白くないんじゃないの?同じ年頃の子とかの方がいいんじゃない?」




〝う~~~~~ん、なんかよくわからないのだけど、クラウド、気を遣いすぎなんだよね、いや。周りの方がもっと気を遣うから気兼ねなく遊べないみたいでさ。〟




ラナベルはクラウドが駆けて行った先に視線をやった。




〝大丈夫だよ、ちゃんと私の感覚でクラウドの居場所はとらえてるから。〟




ジャボスカのその言葉にホッ。とラナベルは安心した。






〝とにかく、クラウドが来たがればまた連れてくるし、そうでないならもう来ないだろうから。〟




「そうね。だけどそれはそれで少し寂しい気もするわね。」




2人で見合わせて笑った。








その頃クラウドは、〝かなり駆けてきたつもりだが、一向にシラユリの園の終わりの先が見えない。〟と思いながらどこまで続いているのか知りたかったのだ。


だが、まだ先が見えないのだ。




〝不思議だ。かなり走ってきたはずなのに。僕は迷ってしまったのかな?〟






そう思っていると目の前にシラユリたちの間にひっそりと泉がある場所に辿り着いた。




〝わぁ!ここ、すごく綺麗だ!〟




そこは白く光るような蝶々たちが飛び交う。泉はどこから流れてきてるのか、水が流れる音が微かに聞こえる。




〝ここでずっと居たらきっとどこにも行きたくなくなるかもしれない。なんて言うんだろう?すごく心地いい。〟




クラウドはその場でどうやらウトウトしだしたようだ。それもそのはず、この泉は癒し効果が高い場所なのだ。


まだ小さいクラウドにとっては更に効果覿面で眠くなるのだった。




ご覧下さりありがとうございます。

クラウドと父の恩人であるラナベルとの出会いです。この物語はここからお話がスタートします。

今後の展開をお楽しみに!


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