第19話:誤ちは自分で気付いて認めなければならない感情
シタレ山に到着したジャポスカとクラウド。
ジャポスカの背中から降りたクラウドは辺りを見回す。
自領の森とさほど変わらない景色にクラウドは肩透かしをくらった気分だった。
猫の姿になったジャポスカはクラウドに
〝コッチダヨ、コッチ!ツイテキテ!〟
と言って走り出した。
クラウドはジャポスカがどこに向かってるのかわからなかった。
〝近くの森と変わらないじゃん。〟
クラウドはそう思いながらジャポスカに付いて行った。
そして少し山を登ったところでジャポスカは脚を止めた。
ジャポスカの魔力で一瞬で人間の姿になって「場所を確認した」のだろう、クラウドに向かってこう言った。
〝ほら、クラウド。ここから向こうを見てご覧よ。〟
「……………?」
クラウドは訝しげにジャポスカの方を一瞬見てから指をさした方角へと視線をやる。
「──────────ッ!!」
クラウドが見たものはそこからはるか遠くに微かに見える「城」だった!
「え?え??あれって……………さっきジャポスカが言ってた〝外国〟のお城?」
クラウドの目に飛び込んだのは霞がかった景色だったが、それがまた遠くに見える「城」を幻想的に情緒あふれる景色と化していたのだった。
〝フフン。そうだよ。上から見た景色とまた少し違って見えるでしょ?しかもあのお城なんてこの国とは違う形してて面白いよね。これでも近場の森と同じだって言うのかな?〟
ジャポスカにそう言われてクラウドは一瞬黙ってしばらくしてから、ばつが悪そうにもじもじしながら誤った。
「……………。悪かったよ、誤る。期待以上だったよ。」
〝フフン、〟
ジャポスカはそう言って笑った。
そして続けて話した。
〝シタレン領でここは一番の人気スポットなんだって。でも地元の人はあんまり普通過ぎて来ないというね、よくある話だよ。〟
そう言ったジャポスカを見て気を許したクラウドは
「ジャポスカ、僕はもっと色んな世界を見てみたいよ。ねぇ、これからも連れてってくれる?」
真剣な表情でジャポスカを見た。
ジャポスカはクラウドを責めたいわけではなかったのだ。「確かめる前に決めつける行為」をクラウドにわからせたかっただけなのだった。そしてクラウドはキチンと自分の行動を反省して謝ったからジャポスカはクラウドを許したのだ。
〝いいよ、クラウド。一緒に色んな世界を見よう!〟
ジャポスカにそう返事をもらってクラウドに笑顔が戻った!
そして
「ここが、おばあ様の故郷……。」
シタレ山からは勿論シタレン領も邸も見える。その邸からはあまりこの山は離れていなかったのできっとおばあ様は子供の頃ここまで来たんじゃないかと想像したのだった。
〝こんな場所で育ったのなら、君のおばあ様もきっと穏やかな素敵な人なんだろうね。〟
ジャポスカの言葉にクラウドは少し笑って
「うん、時々怖いけどね。」
と返事をしたが、すかさずジャポスカが突っ込む。
〝それは誰でもそうでしょ。〟
そして二人は笑った。
しばらくはシタレ山を散策しながら二人は話をしていた。が、陽が傾き始めた。
〝さあ、クラウド。そろそろ戻ろうか、ここは流石に遠いから今から戻らないときっと君の不在がバレてしまうよ。〟
「そうだね、お父様しか知らないから、きっとお母様は驚いて心配するに違いない。戻ろうか。」
そうしてジャポスカの背中に乗って自領へと帰ってきた。
いつもの森に着いて、ジャポスカの背中から降りたクラウドは
「次はどこに行くの?」
ジャポスカに尋ねた。
ジャポスカは少し考えてから
〝そうだね、この前君に話した、ルクセブルの恩人に会わせてあげるよ!〟
と言った。
─────恩人─────
その言葉にクラウドは胸が〝ドクン〟と高なった。
「本当?それじゃあキチンとした服を着た方がいいかな?」
〝んー、彼女は気にしないと思うけどね。〟
そう言ってジャポスカは飛び立って自分の住処へと帰って行った。
〝お父様の恩人…、どんな人なんだろう…。〟
来週が待ち遠しいクラウドでした。
ご覧下さりありがとうございます。
クラウド10歳。だけどこれから先領地と領民を率いるのなら、ダメなことはダメだと言う事、きちんと知らなければならない。
ジャポスカは色んな意味でクラウドを見守り続けてきたのだった。
次回もお楽しみに!




