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【完結】シラユリシリーズ②片影のシラユリ-あの日の君へ-  作者: 慧依琉:えいる


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第18話:クラウド、父の驚きの過去を知る!



そして今日はクラウドのおばあ(ラモニア)の故郷、シタレン領へ冒険に行く日だ。






今日もクラウドは朝からソワソワしながら、勉学や武闘に励んでいた。






〝お、時間だ!〟




「ご馳走様でした!」




ガタッ…と席を立つ。




クラウドはオヤツを食べたあと、そそくさと自室へと戻った。



「あらまぁ、クラウったら慌てて…。」


アレクサンドラはポツリと呟いた。



そしてその隣で


〝おにいさま、フランに何か隠してるんだわ。〟



そう思いながらフランは兄の背中を見送った。






クラウドはすぐに父の書斎へ行き、いつもの下級貴族の服に着替えて書斎からの抜け道を通り、邸の外へと出て行くのだ。




そう、先日ルクセブルからこの抜け道を教わったのだ。


この抜け道に関しては万一の時のために代々家を継ぐものが当主から教わるのだ。




本当はクラウドの聖剣の宝飾が青ではなく黄色で、次男のアランの宝飾が青なのでクラウドには当主の資格はない。


だが、クラウドには知る権利があるのではと、判断したルクセブルが教えることを決意したのだった。






その事実についてはクラウドは知らない。ルクセブルも知らせるつもりはないのだ。聖剣の宝飾の色が「黄色」なので、今後何があるかまだわからないからだ。「青」に変わる可能性だってまだあるのかもしれない。確定するまでは「長子」としてクラウドを扱う事にしたのだった。






クラウドからジャポスカとの待ち合わせ時間について話を聞いているルクセブルは敢えてその時間帯には書斎から席を外している。何故なら、ルクセブルが書斎にいるとルクセブルの父グラナスか、秘書のルドルフが共に部屋にいるからだ。クラウドの「冒険」の話はクラウドとルクセブルだけの父子の秘密だからだ。






「よし、これで大丈夫だ。」




服を着替え終わり、そそっと書斎から別通路を伝って邸の外に出た。あとは見つからないように一気に森へと駆け抜ける。




〝よし、今日も誰にもみつからなかったぞ!〟




クラウドはニンマリとしてガッツポーズをとっていた。



そんな時、



〝クラウド!〟




ジャポスカの声がした。

慌てて声の方を見ると



〝ほら、早く乗って!シタレンは少し遠いから急ぐよ!〟




ジャポスカはもう魔物の姿で待っていた。




「早いね。助かるよ!」




そう言ってジャポスカの背中に乗る。




「じゃあ、行くよ!」




その掛け声と共にジャポスカは大きな羽を広げ、 その羽がひと羽ばたきすると、そこに上昇気流が発生し、グゥン!と力強く空へと飛びあがった。





〝この瞬間だけはまだ慣れないなぁ。〟




そう、一気に空へと舞うために重力がかかるからだ。








〝あはは!早く慣れてよ!そのうち気持ちよくなるからさ!〟




「これは慣れないよ、多分…」



クラウドがたじろぎながら答えるとジャポスカは楽しそうにこう言った。


〝大丈夫だって!ほら、しっかり目を開けて眼下を楽しみなって。〟




そうジャポスカに言われてそっと目を開けると壮大な景色が飛び込んできた!



─────広 い─────!!




「わぉ!これはいつ見ても見事だよね、こんなの僕しか知らないんだよね?」




〝う~~~~~ん、ルクセブルは知ってるよ?一度ママンの背中に乗ったことあるもん。〟




「え?お父様が?」


ちょっと残念そうにクラウドの声のトーンが下がった。



〝そうだよ。あの時は本当に大変だったんだから!もうちょっとで君、産まれてなかったかもよ?〟




「えっつ!!どういうこと?」




ジャポスカは ハッツと口ごもった。そして少し考えてから続けた。




〝君のママン、他の男と結婚させられそうになってたんだ。ルクセブルが間に合ったから今の君たちがいるんだからね。〟




「他の男?」




〝君のママン、他国の王子に見初められたから政治的に利用されそうになったの。私が会った時も泣きはらして目元が真っ赤だったわ。ずっとルクセブルを信じて待ってたのね。羨ましいわぁ~。〟




「お父様とお母様にそんなことがあったのか…。貴族は自分の気持ちだけで行動出来ない時があるって勉強で教わったよ。そういうこと?」




〝そうみたいね。でも、本来はルクセブルと君のママンは婚約してたからあり得なかったんだけど、ルクセブルは一時期遭難してたからね。〟




「遭難?!」




クラウドは初めて聞かされる父の過去に驚きすぎて少しバランスを崩しかけた。が、天性の才能なのか、すぐに体制を整えて落ち着いた声でジャポスカに尋ねた。




「それでどうなったの?」




〝ある女性がルクセブルを看病してさ、そのうち記憶も戻ってって感じだよ。また本人から詳しく聞くといいよ。今度その女性に会わせてあげるね。〟




「う…ん、そうだね。お父様の恩人だもの、僕も会っておきたい。」






そうこう話をしているうちにどうやらシタレン領に着いたようだ。街並みとひと際大きなお邸ある。まるでお城のようだ。クラウドの邸も大概大きいが、それの倍はあるくらい大きくてクラウドはビックリしていた。




〝ハハハ!クラウド、驚きすぎ!公爵家でしょ?王家の次の爵位なんだから、そんなもんだって!〟




「ははは。ビックリだよね。で。ここのどこに行くの?」




〝そうだね、シタレ山かな。湖もすごいらしいよ、それに東隣国のトカチナ国がそこから見えるとか。〟




「ふぅ~ん。東隣国かぁ。外国なんだね!」




〝外国って言ってもそんなに変わらないけどね。もう少しだけしっかり乗っててよ。〟




そう言ってジャポスカはシタレ山を目指して飛んだ。




ご覧下さりありがとうございます。

今回、クラウドは初めて父の過去を知り、驚きの連続でした。

そろそろアメブロでの投稿に追いつきそうです。

追いついたらこちらを先に更新してからアメブロでの更新へと変更になります。


これから先の展開もお楽しみに!


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