第17話:信頼の絆
「ふぁ~~~~~~~~~っ!お腹いっぱい!! ねぇクラウド、沢山たべたね!」
人間の姿のジャポスカが伸びをしながら楽しそうに言う。
「うん!沢山たべたね!僕もお腹いっぱいだし、少し疲れたからそこで休もうよ!」
クラウドが提案したのは街の中にある噴水だった。
サアアア……という爽やかな水の流れる音が聞こえている。
そこはクラウドは知らないが両親の初めての出会いの場所だったのだ。
「あ~~~~~~、きっとそこね。」
噴水を見たジヤポスカが言った。
クラウドは不思議そうに聞く。
「なんかあるの?有名なの?ここ。」
クラウドのその問にジャポスカはニマッとして答えた。
「私、聞いたよ。この領地の街中の噴水なんてここしかないもんね。」
「………?どういうこと?」
さっきから意味深な言葉しか話さないジャポスカにクラウドはちょっとイラっとしながら尋ねる。
「クラウド、君の両親が出会った場所だよ。私、前に聞いちゃったもん。」
どうやらジヤポスカは昔にアルクレゼにやって来た時、アレクサンドラとナハム嬢、ミルマ嬢との話を聞いていたようだ。
「え~~~~~~~~~っ!それって盗み聞きって言うんだよっ?」
「そんなの知らな~~~い!それは人間の掟でしょ?私その時は猫姿だったし、そもそも魔物だもんね~~~。」
あっけらかんと言いきるジャポスカ。
クラウドは少し考えて
「……………。それもそうか。」
と、妙に納得した。
「でもそれって、お父様やお母様は知ってるの?ジャポスカが知ってること。」
「え~~~?知ってるわけないじゃん!」
「だよね。だったらやっぱり黙ってないとだ!」
そう言うクラウドを見て
「ふふふ~~~ん、クラウドが親に隠し事スるんだ~~~?」
ここぞとばかりにからかうジヤポスカ。
「ジャポスカ~~~!?」
ちょっとだけ、ムッとなっているクラウド。
そんなクラウドの口にジャポスカはいちごの飴玉を〝ぽいっ〟と投げ込んだ。
「……………!! 」
「どう?美味しい?」
とびきりの笑顔でそう聞いてきた。
最初はまだ、ムッとしていたクラウドだけど
「………………。おいしい。」
と、落ち着きを取り戻していた。
「この飴玉があのふたりを繋いだんだってね。」
「ジャポスカ、僕以外にその話しちゃダメだぞ?」
飴玉が入ったほっぺを膨らませたまま喋るクラウド。あんまり説得力のない姿だ。
「うん!わかった。クラウドは特別だからね!言う事を聞いてあげる!」
〝─────── 特別───────〟
その言葉は誰にも言われた事がなかった。
「僕は、いつか父の家を継ぐつもりで頑張ってきた。それはこれからも変わらないんだ。でも、それって当たり前の事だから褒められた記憶もないし、特別視されたことも無い。」
ポツリとクラウドは呟いた。が、ジャポスカは聞き逃さなかった。
「ふ~~~ん、クラウドって、頑張り屋さんなんだね!えらいね!」
そう言って、クラウドの髪をクシャっとした。
「な、何すんだよぉ!」
半分照れて半分は髪を崩したからちょっと怒った。
「あははっ!」
ジャポスカは屈託のない笑顔で笑ってる。
「クスッ。」
クラウドも釣られて笑った。
種別を越えた「友情」がそこにはあった。
〝友情?私は赤子のクラウドから知ってるんだよ?クラウドのママンみたいなものよ〟
とでも、ジャポスカなら言いそうだ。
そうしてフレシアテ領地で思いっきり遊んだ2人は遅くならないようにもう帰る事にした。
帰りもクラウドはジャポスカの背中に乗せてもらった。
「次はどこ行くの?」
ジヤポスカに問う。
「じゃあ、君のおばあ様の故郷へ行こう!シタレン領だよ。」
「今日よりも遠いの?」
「そうだね、反対側だからちょっと遠いかな?」
「そか、来週がまた楽しみだよ。」
アルクレゼ領地へと戻ってきて、いつもの森に着いた。
ジャポスカの背中から降りたクラウドはそう言った。
「じゃ、またね、クラウド。」
そう言ってジャポスカは自分の住処へと戻って行った。
「今日も楽しかったな。だけど秘密が沢山増えたよ。バレないようにしなきゃ!」
クラウドは心して邸へと帰った。
邸の中の広間に入った途端
「おにぃさま~~~っ!」
クラウドの姿を見つけたフランが駆け寄ってきた。
「フラン~~~?」
ダッ!
キュゥ~~~~~~っ!
フランはクラウドに抱きついた。
〝だ~~~~~~っ、可愛すぎる!!〟クラウドがフランの行動に感動してニマニマするのを必死で抑えてフランにとびきりの笑顔を向けて
「たたいま、フラン。賢くしてた?」
「うん、おにぃさまはどこに行ってたの?」
無邪気な笑顔でクラウドに答えるフラン。クラウドはちょっと後ろめたい気持ちになった…。
「ちょっ…と鍛えに…。」
たじろぐクラウド。
無邪気にフランは続ける。
「そうなの?今度はフランも付いていく!」
「ダメダメ!危ないからダメだよ!」
咄嗟にフランが付いてくる事を避けるためにダメだと言葉を発した。
しかしそんな曖昧なことでフランが引き下がるわけが無い。
「え~~~っ、フランも、行きたい!」
「もっと大きくなったら一緒に行こう!」
クラウドはフランのことが大好きだけど、この「冒険」は誰にも邪魔されたくない秘密なのだ。
「…………むぅ…。わかった。やくそくね。」
「ああ。約束だ!さあ、ご飯食べに行こ!」
バッと手を差し出すとバッと手を出して握ってくる。
ふたりの信頼関係の証だ。
ご覧下さりありがとうございます。
クラウドとジャポスカの会話が中心となってしまってましたので、投稿前に少しだけ調整。
まだまだ文章だけで表現するのは難しいですね。
次回もご覧下さると嬉しいです。




