第15話:クラウド、初めての飛行体験!
ヒョコッ…。
キョロキョロ……。
ニマッ。
先週のジャポスカとの約束の場所に現れたクラウド。今回はニコルの姿は見えない。
満足するクラウド。
だが、ニコルにはシャポスカからコッソリと話があったのだ。
〝ダイジョウブダ、ワタシガコッソリ ヤシキカラ クラウドニ ツイテルカラ。ルクセブルニ ソウイットイテ。〟
そう、ジャポスカは何でもお見通しで段取り上手なのだ。
「シャポスカ~~~。来たよ~~~。」
よいしょっ、と。
クラウドはその場にある石に腰掛ける。
そしてジャポスカがくるまでウキウキしながら待っていた。
〝今日は確かお父様とお母様の秘密の場所に連れてってくれるって言ってたから楽しみだなぁ。〟
足をブランブランさせている10歳の男の子がそこにいた。
そうしてワクワクしながら待っているとヒョイっとジャポスカが目の前に現れた。
〝クラウド!ハヤイネ!〟
「ジャポスカ!」
クラウドは目の前に現れた黒猫姿のジャポスカに目をキラキラさせていた。
〝ジャア、サッソク イクカ。ルクセブルカラキイタ フタリノ デアイノバショへ…。〟
「うん!」
ジャポスカの後をしっかりとついていくクラウド。
「でも…、ジャポスカ。そんな大切な秘密をバラしてもいいの?」
〝フフフ…。イツカ、 キミガ オオキクナッタトキニ オシエテモ イイッテ ムカシニイッテタヨ。〟
「そんな前からなんだ。」
クラウドは感動した。
父母の秘密の場所を教えてもらえること、それを自分が小さい頃から父が考えていたことに感動したのだった。
そうして縛らく歩いて、歩いて…
「ねぇ…、ジャポスカ。まだ?」
〝モウチョットデ ツクヨ。〟
剣術を習っているとはいってもかなりの時間歩き通しだ。ルクセブルは馬で駆けてその場所まで行ったのに10歳の子供の足だと時間がかかるのだろう。
〝お父様たちの秘密の場所を知りたいけど、ちょっと疲れたなあ…。これ、帰りも………なんだよね…。〟
クラウドはゾッとした。
また、同じだけ歩くんだと…。
そんな事を考えるようになった時、
〝ツイタヨ!ココダ。ミテ!ステキナバショデショ?〟
俯きかけていた顔をクラウドは上げた。
そこは辺り一面澄んだ泉が広がっていた!
「え──────────っ!何?!ここっ!!」
邸の庭園にある噴水とはまた違う、水が広がる場所に驚きを隠せなかった。
そして
辺りには花が咲き乱れていた。
「凄いっ!ここにいるとさっきまでの疲れがどっかいっちゃったよ!」
〝フフフ…、ワタシモツレテキテモラッタトキハ オダロイタヨ。ココカラダト キミノオカアサマノ リョウチニモチカインダッテ。〟
「そーなの?」
〝ウン、イツカキイテミタライイヨ。〟
「うん!連れてきてくれてありがとっ!」
ジャポスカはニンマリと笑った。
暫くはその周辺を探索するクラウド。
さっきまでの疲れは本当にどこかにいったかのようだ。
しかし、流石に歩き疲れてぐったりしてきていた。
ジャポスカはその様子も見逃さなかった。
〝クラウド、カエリハ ワタシガオクッテアゲルヨ。〟
そうジャポスカが言ったと思ったら口から光を放出し、全身を光が包んだかと思ったらジャポスカの姿が変わっていた。
「え?ジャポスカ?」
〝コレガ ホントウノスガタダヨ。サア、ノッテ。〟
「……………。」
〝しっかりつかまって。邸までひとっ飛びだから。〟
「うん…。」
クラウドはしっかりとジャポスカにつかまった。
ヒュイッと空へ向かう。
クラウドの手には汗が滲み出ていてギュッと力が込められた。
ちょっと怖くて目を瞑るクラウド。
〝ハハハッ、クラウド、見て!こんなの目を開けなきゃ勿体無いよ!〟
ジャポスカの掛け声に恐る恐る目を開くクラウド。
ス────────ッ と
眼下に
広がる景色が飛び込んできた!
「う…!うわぁ!凄いっ!!」
クラウドは思わず叫んでいた!
恐怖心もあったけど、それ以上に見たこともない景色が広がっていて、好奇心の方が勝った瞬間だった!
「ジャポスカはいつもこんな景色をみてるんだね!」
興奮気味で話すクラウド。
〝アハハ!クラウドはやっぱり面白いね!〟
「あ、ジャポスカの言葉!いつもよりも分かりやすい!」
〝何だ。今気付いたの?ハハッ。この姿だからだよ。他にも人間の姿にだってなれるんだよ?それだけ私の魔力が高いんだから!〟
「凄いなぁ!僕には魔力はないの?」
〝普通、人間には魔力なんてないよ。〟
「そーなんだ。」
〝でも、一部の種族には魔力を使える人間もいるみたいだけどね。〟
「羨ましいなぁ。そしたら空飛べるんでしょ?」
〝空飛べるのがいい事ばかりでもないよ?まあ、私がいるから好きな所へ連れてってあげるよ!〟
「ホント?約束だよ!ジャポスカ!」
〝ああ。よし、来週は君のお母様の故郷の街へ行こう。いつもの場所で待ってて。〟
「わかった。」
こうしてジャポスカと空の旅を満喫したクラウドはウキウキで邸に戻った。
邸に戻ってからも、どうしても顔がにやけてしまう。
「お兄さま?どうしたの?」
「あ、フラン…。なにも、大丈夫だよ。あはは…。」
「…………?」
フランはジーっとクラウドの顔を見つめた。
「フランに、内緒、ダメね。」
「大丈夫だよ、ちょっと考え事してただけだから。」
「……………。」
〝ふぅ、フランてやたらと勘がいいというか…。バレたら絶対に連れて行けって言われるな。〟
クラウドは必死に平静を装った。
ご覧下さりありがとうございます。
子どもの頃、空を飛びたいって願望なかったですか?私はありました。
でも大人になったら夢の中では飛ぶことがあるのですが、何故か平泳ぎ形式がおおいですが…。
現実的に飛べたとして、高さを考えてしまうから飛んでみたいっていう希望よりも恐怖の方が勝ってしまいそうです。
今後の展開をお楽しみに!
※本日15話より
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