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第1話:新たな物語が始まる…

このお話は「永遠に咲くシラユリをあなたに…」の新章にあたります。

このお話からでもお楽しみ頂けますが、前章からご覧下さる方が分かりやすいからおすすめです。




暖かな春がやってきたポルモア王国。


ここアルクレゼ侯爵家は今日も賑やかだ。








「ママー!」




タタタッ!








幼くおぼつかない足取りで駆け寄ってくる。






「まぁ、フラン!上手に歩けるようになったわね。」








アレクサンドラが娘のフランディーヌ(1歳半)に、にこやかに微笑みながらそう言って褒めた。






「おかあさま!」




そう声を掛けたのは8歳になる長男のクラウドだった。




「まあ、クラウ。フランを見ていてくれたの?ありがとう。」




クラウはへへっと嬉しそうにしていた。






「フランは素敵なお兄ちゃまがいていいわね!」




アレクサンドラは妹の面倒をよく見てくれるクラウを間接的に褒めた。




「うん、クラちゅき。」




「僕もフラン大好きだよ!」




とても微笑ましい光景であった。








「さあ、もうすぐお父様が帰ってくるわ。お部屋へ行きましょうね。」




「はい、おかあさま。フラン、おてて。」




クラウはフランにニッコリ笑って手を差し出して繋ぐように促す。




「はあ〜い。クラ、おてて。」






フランもニッコリとクラウドに向かって笑って手を差し出した。






ふたりの子供たちが仲良く手を繋いでいる姿がとても微笑ましい。


アレクサンドラは少し離れてふたりの子供たちを見守る。










「あっ!おとうさまだ!」




素早く父を見つけたクラウが叫んだ。








「おとうさま、おかえりなさい!」




「ああ、ただいま、クラウド、フランディーヌ。」




ルクセブルは2人を抱き上げた。




「パパちゅき!」




「パパもすきだよ、フランディーヌ!」




「ルク…。お帰りなさい。」




「ああ、ただいま。アレン。」




ルクセブルはアレクサンドラの頬にチュッとした。








「さあ、お食事にしましょう。あなたに大切なお話があるの。」




「ん、今聞いても?」




アレクサンドラは少し顔を赤らめてからルクセブルの耳元で囁いた。






その言葉を聞いてルクセブルの顔は凄い勢いで笑顔になった!




「そうか!そうなのか!やったぞ!嬉しいよ、アレン!ありがとう!!」




アレクサンドラはニッコリと笑って「とっても幸せだわ。」




と呟いた。







そう、アレクサンドラがルクセブルに囁いた言葉…






─────あのね、あかちゃんが出来たの─────








幸せいっぱいのアルクセレセ侯爵家。








だが、聖剣にはある異変が起こっていた。














それは遡ること9年前──────────








結婚式を挙げて間もなくしてから、アレクサンドラは体調不良を訴えた。




「大丈夫か?アレン。何だか顔色が良くないが…。」




アレクサンドラを心配そうに見つめるのはルクセブルだった。






「ごめんなさい、ルク様。少し風邪気味なのかもしれないわ。」




「無理しないでゆっくり休んでなさい。僕もそばにいてあげたいのだが……。」




「大丈夫ですわ。ゆっくり休んでおくから安心して行ってきて。」




それでも心配そうなルクセブルを見てアレクサンドラは


〝ふふ。まるで大きな身体をした子犬のようね〟と思いながら見ていた。






ルクセブルを見送ったあと、リラが食事を部屋に運んできた。




「お嬢様、あ、奥様。ご主人様より本日はお部屋でお召し上がりくださいとのことでご用意致しました。」




「ふふっ、ありがとう。リラ。」




そしてテーブルにつくと、突然、強烈な吐き気に襲われた。


思わず口を抑えて耐えるアレクサンドラ。




「お、奥様っ!大丈夫ですか?」




「ごめんなさいリラ、気分が悪くなってしまって、とても食べれそうにないわ。下げておいて。」




「はい、奥様。」




そうしてリラが食事を下げて部屋を出た。






アレクサンドラは今までにない感覚に〝自分は何が悪い病気にでも罹ってしまったのだろうか?〟と不安を覚えていた。








そしてリラは配膳室まで戻り、途中で執事長に出会ったので事情を説明した。




執事長はそのままアレクサンドラの義母であるラモニアに報告した。








「え?それは本当なの?執事長。」




「はい、そのようでございます。」






ラモニアはすぐに医者の手配をしてからアレクサンドラの元を尋ねた。




コンコンコン!




部屋をノックするラモニア。






リラが出て対応する。




「奥様。大奥様がお見えです。」




「お義母さまが?」




起き上がろうとするアレクサンドラに




「そのままでいいのよ、アレクサンドラ。」




「お義母さま…。このような姿で申し訳ありません。」




ラモニアは静かに首を横に振り、優しく微笑みながらアレクサンドラに言う。






「医者を手配しました。でも、1つ聞いておきたいのだけど、あなた今月は例のモノは………?」




ラモニアに聞かれてアレクサンドラは〝ハッ〟とした。




「遅れております…。まさか…!」




ラモニアはコクンとうなずき、




「その可能性がありますね。」




ラモニアの言葉にアレクサンドラは嬉しさが込み上げてきた。






「奥様、大奥様。お医者様が到着なさいました。」








そうこうしているうちに医者が到着したようだ。




「ああ、こちらへご案内して。」



リラの案内で医者がアレクサンドラの前に姿を現す。




「大奥様、ご無沙汰しております。そして奥様、初めまして。医者のムルソーです。」




「久しぶりね、ムルソー。お願いするわ。」




「初めまして。アレクサンドラです。よろしくお願いします。」




「承知いたしました。それではこれより診察を行います。」




ムルソーは問診から始まり脈を診たりとして妊娠がほぼ間違いないと診断をした。












一方、王城へ勤務に出たルクセブルだが、馬車の中である異変に気付いた。






それは




自身が身につけている聖剣だった。




ご覧下さりありがとうございます。

懐かしいメンバーが登場してくるために読みやすくなっていると思います。

実際書く方の私も書きやすいです。


さて、ルクセブルとアレクサンドラは幸せな結婚生活を送っています。聡明で朗らかな性格のアレクサンドラは義父母にもとても愛されて大事に接してもらっています。


今回のお話は外伝の終了部分から続きます。

ラストの妊娠が判明したあたりは、ナハムとミルマが遊びに来ていた頃の少しあとの話になってます。


今後の展開にもお楽しみに!


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