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フランチェスカの事情

この間国に帰ったばかりの,弟子が此処でなにをしているのか。

国のダンジョンを潰しに行ったのでは無かったか。彼女には,素晴らしい才能がある。こんな危険な任務に国が就かせるだろうか。

ニコニコとしている様子を見ると、押しつけられた訳ではないのだろう。

「お久しぶりです。カムイ魔導師。」

「ああ。君は国に帰らなかったのか?ダンジョンを潰す為に修行したのだろう。」

「いえ、帰りましたが、私は、ダンジョンに入らせてもらえませんでした。」

何だと!ダンジョンに入らせる為に,僕の所に修行しに来たのでは無かったか?

「どういう事情で、ダンジョンには入れなくなったんだ?」

彼女は、顔をうつむけて話し出した。

彼女には婚約者がいて、とても権力のある貴族の令息だそうだ。その、貴族が、ダンジョンに入ることを反対した。彼女は婚約解消を求めてでも、ダンジョンに入ろうとしたが、止められてしまった。

其れで,彼女は,一人でダンジョンに入り、コアを潰してきたそうだ。なんて、アグレッシブ。

確かに光の盾ならば、ダンジョンを走り抜けてコアまで行けるだろう。然も彼女は剣術のスキル持ちだ。やろうと思えば、一人で出来て仕舞うのだ。

「それで、婚約を、解消されましたので、国に居られなくなりました。」

不思議な物だ。国の為にしたことなのに。,此処でも、プライドを潰された貴族の犠牲になってしまうのか。

フランチェスカがいれば心強い。ヨウゼフとも年齢が近いから,話が合うだろう。気っ風もいい。

初めゴリちゃんなどとあだ名を付けて呼んで、申し訳なかった。勿論心の中で呼んでただけだが。

「私は、こんな見た目なので、相手の方も家の取り決めで、仕方なく婚約に応じていたのです。其れなのに、私が自分勝手なことをしたので、怒りが吹き出したと言う事です。」

あっけらかんと、自分の容姿をディスる。自虐ネタなのだろうが、其れは反応に困る。どう返したら良いんだ?

「精霊族の国に,行くことは知っているのか?」

「はい!とても、興奮しています。此は,神の導きだと感じております。」

そうか。良いんだなそれで。連れて行っちゃうぞ。こっちもとても心強い。

        ☆

二人でクルスの街に帰りヨウゼフとも面談し、パーティーの位置取りなどの訓練をして数日たった。

そこに、マリア魔導師が来て、

「私も連れて行きなさい。」

と言ってきた。チョット其れは無理だ。マリア魔導師は戦えないだろう。

「あなたたちの語学力では、間違いなく厄介ごとに巻き込まれるわ。だから、付いていってあげる。」

此は断ることは出来ないのだろうか。僕は、

「マリア魔導師。光か闇の属性はありますか?」

「あるけど、」あるんかい!どうしようか・・・

「その属性が有れば,何か違うのかしら?」

僕は此までの光の盾の効果や、闇の効果の解明などの話をした。

すると、益々、絶対付いていくと言いだしたのだ。僕とヨウゼフは、泣きたいような顔で目を合わせた。

仕方が無い。出発はやや遅れるが別に期限があるわけでは無いのだ。

まずはマリア魔導師に光の盾の発現をして貰おう。ヌポポにつれていってもらうので、光の盾は使わない。だが,万が一の用心の為、有った方が良いのだ。こうなったら、ビシバシやるぞ。遠慮はしない。遠慮などして死んで仕舞えば,目も当てられない。


僕達3人がかりで、マリア魔導師を教え、一月後光の盾が発現した。

彼女は喜んだ。この年になって、新しい発見がある事を。





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