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プロローグ
「あの綻びは埋めておきました。」
「そうか。で、人族達はどのようになっていた?」
「以前のように成って来つつあります。」
「また、人の子が現れれば、大変な事になるな。」
「はい。精霊の道は閉ざしておりますし、,此方には来ることは出来ないと。」
「精霊樹があれば可能であろう。」
「いえ。精霊樹はもう無いと。森には魔物が居り、危険だと言っておりました。あの災害を生き延びた精霊樹はもう此処の物だけだと思います。」
「そうか。」
「人族は何も伝承していませんでした。獣人族の言い伝えも、変遷して居りました」
「どのようにかわっていたのだ?」
「人族と我々の諍いだったと。」
「確かにそう見えたかもしれんな。一概に変遷とは言えんだろう。」
「寿命が短いとは哀れなものです。過去のことをすべて忘れてしまうのだから。」
「誠に」