第2話
「うっ、、、」
眠っていた男が目を覚ました。
「ここはいったい……」
男はゆっくりと立ち上がり、ふらふらと歩いた。だが、まだうまく歩けず、すぐに倒れてしまった。その音を聞いてか、部屋の外から10人ほどやってきた。
「おはようございます。長い間、眠っておりましたので目覚められて良かったです。まだ、あまりわからないと思いますが、王に会っていただくため、準備をさせていただきます。終わり次第また来ますので、失礼いたします。」
先頭に立っていた人はそういうと他にいた人たちに指示を出し、出て行った。
男は部屋に入ってきた人たちに連れられ、風呂に入らされ、髪を切られ、服を着させられたりなどされていった。準備のため連れ回されてる間に歩く感覚もわかってきた。
「お疲れ様です。それでは王に会っていただきます。ついてきてください。」
男は言われるがままについていった。しばらく歩くと、大きな扉の前で立ち止まった。
「こちらに王がいらっしゃいます。どうぞ、お入りください。」
ゆっくりと扉が開いた。中はとても広く兵士たちが道を作るように並んでいた。その奥には1人の男が座っていた。頭からツノが生え、眼力だけで、なんでも支配できるような威圧を放っており、一瞬でここの王だと分かった。男はゆっくりと歩き、王の前まで行った。
「目覚めたか。私はこの国の王、魔王レオンである。お前は、何者かわかるか?」
男は聞かれたが首を横に振った。
「そうか、まだそこか……」
魔王はボソリとそう言うと立ち上がり男の近くまできて、肩を掴んだ。
「これから、お前はルーラと名乗るが良い。お前の名前だ。これからのお前に向いている名だ。そしてこれより我が息子でもある。」
魔王はそういうと、再び席に戻った。そして悲しそうに言った。
「だが、すまないことに、これから用事があってなここを離れるんだ。だから、説明とか諸々とお前をここに連れてきたバルトラに聞くが良い。やつは私の執事でもあるが、お前に貸そう。お前の生活とかも補助してくれる。バルトラ頼んだぞ。」
魔王がそう言うと、バルトラは頭を軽く下げた。
「早めに戻って来れるようにする。じゃあな。」
そういうと、魔王は姿を消した。
「ルーラ様、改めまして執事のバルトラと申します。よろしくお願いします。なんでもお申し付けございませ。」
バルトラはゆっくりと頭を下げた。そして頭を上げると、部屋の中にいた兵士たちを指示し外へ出した。
「お待たせいたしました。本日は目覚められたばかりなのでお部屋でゆっくりとお休みになってください。お食事になりましたら、お呼びいたします。」
王の日記 第2話終