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王の日記  作者: やすきち
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第9話

「バルトラ、お主よく『重力石』なんて持ってたな。しかもあれはここらで取れたものじゃない。どうしたんだ?」


「あれは獣人国で採れた石です。いい値段がしましたがルーラ様の修行のためなら良いことだと思い渡しました。魔王様こそ、それがわかっていて私に任せたんですよね?」


「・・・・。」


「安心してください。必ずや成功させます。そのための石ですので安いものです。それでは失礼します。」


バルトラは部屋から出ていった。


「もう少しだな…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【魔王城図書室】


本を読んでいると時間を忘れ、夕食の時間を過ぎていた。

ルーラは急いで読んでる本を閉じ食堂に向かうため廊下に出た。だが重力石のせいで走れず焦っているとバルトラが廊下の奥から話しかけてきた。


「ルーラ様こんなところで何をしているのですか。食堂には行かれてないのですか?」


そう聞いた後すぐに『あ〜!』と気がつきルーラのことを背負い食堂に走り出した。


「もう食堂に行ってると思ってましたよ。まぁ、すぐにでも、これぐらいは出来るようにってもらわないとダメですからね。」


そう言われている間に食堂にたどり着いた。


今夜はドミはいなかったが、昨夜と同じような賑やかに兵士やメイドたちは食事をしていた。


「ゆっくりたくさん食べて早く寝てくださいね。一応明日以降も今日と同じことの繰り返し行いますから休んで力をつけてください。」


そう言い残すとお皿に料理を取り食堂から出ていった。


「忙しいのかな?」


少し疑問に思いながらも食事をとり、少し部屋で休んでから就寝した。




そして次の日、また次の日も午前中は厳しい稽古、昼前から大変な買い出し、午後は自由時間というサイクルを繰り返していた。


ルーラは自身の記憶があまり無いため、最初は何も分からず流されるまま言われたことを行ってきた。

だが4日すぎると少し慣れてきたのか考える時間が生まれた。


この修行は何のためにやってるのか、本当の自分は何なのか。そして自分は何者なのか。数日経っても何も分からず時間だけが過ぎていき、徐々に深く難しく考えてしまうようになった。そして、ついにはあまり眠れなくなってしまった。


ルーラは深夜に月明かりのみの薄暗い静かな城内を1人歩いていた。

城内を歩いているとピカっと一箇所だけ光が灯っているところがあった。そこは普段は賑やかな食堂だった。


今は静かで魔王レオンが1人で食事をとっていた。


                王の日記 第9話終

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