懺悔
金木犀の香りが肺いっぱいに吸い込めるようになったころ、私は感傷に浸ります。どうも体内と体外の差が少なく、香りや空気の温度、私への馴染みの良い心地よさ、すべてが同じように感じられるのです。それでもどこか違うことはわかります。似て非なるものであるという理解は人並みにはできるつもりですが、つまりは人並みにしかできないつもりでもいます。というより違いについて考えたくないので理解は人並みでよいと考えています。私が何かを考え、何かを思い、感傷に浸りだしたのは10年ほど前のこの時期からでしょうか。何を思うかも思い出せないままただ感傷のみに私は浸っています。もはや私にとってはこのように感傷に浸ることが、新たな風物詩として使用されても違和感を覚えることはないでしょう。
私が通勤する会社は都内の某所にオフィスを構えており、人によって明らかに整備されたような木々などの自然物を横目に駅からは歩きます。もう秋だというのに緑が一面に広がっていて、背景となるビルとも、季節とも何ともマッチしていないのが私にはおかしくて、毎朝元気をもらいます。上京をして一人暮らしをしている私にとってはその程度のものしか元気をくれる相手はいませんでした。かけがえのない存在となるのに一年もかかりません。私はあるきながら心の中で名前を呼びます。木々の名前です。一人一人につけるわけではなく、彼女らをグループと仮定して勝手に名を付けます。私はアイドルに興味を持ったことはありませんが。音楽は好きだったので、彼女らは「Vigne」という名前のロックバンドという設定です。この会社についたのが6年前ですから、そこまで古くから聞きなれているバンド名ではありませんが、私にはとても馴染みがあるように、これしかありえないと思いました。会社に近づくにつれて私の頭の中では演奏もクライマックスを迎えていきます。演奏が一番盛り上がるというとき、私は会社の中に入っていました。演奏も終わります。これは私の計画性のなさなどではなく、どのようなペースで歩いたとしても、演奏は一番の盛り上がりを期待させるだけさせて、その姿を私には見せてくれないのでした。先ほどの演奏を思い返していると、私の名前を呼ぶ声がしました。声の聞こえるほうを見ると、同僚の荒木がいました。要件は一昨日の飲みのことでした。荒木が狙っていたであろう女性を私は持ち帰ったので彼は嫉妬交じりに私にその日の詳細を訪ねてきたのでした。問答を終えると私はこの場所がエントランスではなく社内の自席であることに気づきました。日常の中に出社が組み込まれた証拠でしょう。無意識下に行えるようになったその行動は特段、心を動かすわけではないので、心には残りません。仕事も私の心を動かすには値しないので気づいたら終わっているという感覚に近いです。仕事が終わり、自席を後にするとその日にあったことを思い返します。とはいっても日常である仕事に振り替えることなどあろうはずがありません。しかしその日は中途採用された新人の紹介がありました。彼女の名前は憶えていませんが、見た目に気を使っておらず、中学生とも40代ともとれる風貌をしていたことは憶えています。彼女の顔は都内の社会人にしては珍しく、垢抜け前という表現が近しいものでした。珍しくとも印象には残らない顔でした。彼女の顔を思い出そうとしていると会社の外に私は出ていました。私はまたしても名前を呼びます、(Vigne)すると木々はたちまちロックバンドに変わります。妙な光に包まれたり、変身にポーズが必要だったりするわけではありません。まるで瞬時に別世界に私のほうが飛ばされるようなそんな感覚です。ふと中途の彼女の顔がメンバーの一人の顔に似ていた気がしました。Vigneのそれぞれの顔は考えていません。それどころかメンバーの人数すら考えていません。しかしはっきりと垢抜け前の顔が、メンバーにもいたと思えたのです。私は違和感を覚えました。思えばこんなに構想を練っていない妄想であるのに演奏は妙に現実味のある音を奏でていたり、名前だけははっきりと確信を持てたり。私はこのバンドを知っているのかもしれません。頭痛がすると同時に、Vigneは消え去り次は真っ暗闇に一枚の扉がある世界に私は迷い込みました。ダークブラウン色の木材に特徴的な模様が彫られた板に、真鍮のような素材でできたドアノブがついている扉です。暗闇と比べると明るいですが、暗い雰囲気を持ちどこか怪しげでもある、そんな扉です。その扉は開けてはいけない気がしました。しかし私という人間はどうも、ダメだとわかっていても、その正体を突き止めたいという気になるのでした。扉に向かって私は歩きだしました。ゆっくりと、しかし確実に、真っ暗で地面があるかも定かではない場所を一歩一歩進んでいきます。ようやくドアノブに手がかかったとおもうとそれは、家の玄関の扉でした。今まで改札まで思考に耽ることはありましたが、私はついに無意識のうちに電車に乗り家まで帰ってきてしまったのです。長い間妄想をしていたからか、脳の悲鳴が聞こえました。いつも以上に酷使した頭にお礼を言いながら私は晩御飯も取らぬまま眠りにつきました。朝は早いです。私は毎日朝にお風呂に入ります。入浴、朝食をすませると社会に出るうえでマナーである、身だしなみを整えます。髪、髭、気にするところはたくさんあります。鏡の前に立つと頬に赤い炎症が見られました。私はコンシーラーで隠し家を出ます。今日も(Vigne)と心の中で唱えます。昨日と同じ一日を送りました。帰り道にそのような思考を巡らせます。違うところといえば、今日は中途採用できた新人と初めて対面しました。昨日から来ていたようですが、私とは本日初めての挨拶で顔合わせとなりました。彼女は都内では珍しい所謂、芋女というやつで特徴的だが、記憶に残らない顔をしていました。帰り道でもいつも通り(Vigne)を呼び出します。ふと、Vigneのメンバーの一人があの芋女に似ている気がしました。おかしい。私はVigneのメンバーの顔までは考えていないはずです。頭痛がしました。痛みがトリガーとなったのか、その次に私が見た妄想の景色がトリガーとなったのか、あるいはそのどちらもでしょうか。私は昨日、まったく同じ思考をしていたことを思い出しました。わたしが家に着く前に私は目の前にある扉を開ける必要がありました。足場も見えない暗闇を走りました。ドアノブをひねりました。扉を開けると、そこは10年と少し前、私がまだ地方の高校に通っていた時期の景色がありました。扉の中に入り、振り返るとそこに先ほどまであったはずのなにかはありませんでした。私にはその何かが思い出せませんでした。腕時計を見ると時刻は八時半を指していました。学校に急がなければ遅刻してしまうので、私は走り出しました。
学校に着くなり、私は先生に声をかけられました。校内ではイヤホンを外してね、というように優しく注意されたものの、私は心の中で悪態をついてやりました。さきほどまでのつんざくように鼓膜を揺らしていた音に変わり、落ち着いた朝の挨拶が私の鼓膜を揺らしました。私は友達に少し砕けた言葉で挨拶を送りました。下田箱に靴を入れて、教室に向かいます。その間に私は十数人とあいさつを交わしました。一人目と同じく砕けた言葉しか私には自然ではありませんでした。この光景を見た人がいたなら私は人当たりがよく、友達の多い人間であると見た手を立てるでしょう。事実、この光景を見ていた新任の教師は私に嫌われないような態度をとっていました。しかしその見立ては半分不正解です。わたしのペルソナをはかるのだったら、正解でしょうが、私のアイデンティティはそうではありません。つまり、人当たりが良い皮をかぶって私は生活しています。なんのためか、もちろん自分が生きやすいためです。友達が多いというだけで先生の態度は変わりますし、もちろん友達に協力を仰げば諸々の作業が楽に終わります。朝のHRがおわり、一限の数学が始まりました。私は自他ともに認めるほど頭がよかったです。しかしどうにも勉強には熱を出すことができませんでした。それでも高校内ではトップ付近の学力を持っていました。無論自分のためです。勉強をしていると周りの信頼が厚くなり、私が生きやすいという事実があるのです。そんなこともあり、私は周りの生徒に勉強を教えることが多かったです。周りは私を聖人か何かと勘違いしているのか、無償で私に教えを請います。めんどうくさいながらも、私の人生のために教えることが多いです。一限の授業中でも隣の席の女性は私に教えを乞うてきます。私が教えることが当然であるかのように頭すら下げません。私には彼女が着用している制服だけが周りとは違い醜いものに感じました。もちろん周りと変わらない制服です。彼女は円錐の体積の求め方を聞いてきました。そんなものは公式を覚えれば解ける。と一蹴したい気持ちを必死に抑えました。このような程度の低い質問を投げかけるのはいつだって女性です。彼女から話しかけられた時点で何となく察しはついていました。私は懇切丁寧に立体に対しての考え方の基本から図まで書いて説明してやりました。着実と私の信頼を強固なものにするためです。ただすこし、このような人かも怪しい馬か鹿か、もしくはそのどちらともである、生物の信頼はいらない気がしてきました。私は人をいじめるということをしたことはありません。尤もそれが人でなくなれば私にとってはどうでもよい存在ということですから、蔑ろに扱ったことはありますが。たとえば小学生のころに次の日に雨が降ってほしい日は蟻の上半身と下半身を別の方向に引っ張り、軽快な音を鳴らしたりなどをしていました。これは私の母親が蟻の命を奪うと雨が降るよ、と教えてくれたからでした。退屈な授業を後三回繰り返し、昼休みを迎えました。友人に大して楽しくもないゲームに誘われましたが、私は断りました。部活動があるという大義名分があるのにつまらない用事を優先する訳もないです。私は軽音楽部に入部しています。とはいっても名ばかりで、部員は私を含め四人。うち二人が幽霊部員という部活でした。もう一人の部員はというと、高校生なのにまったく垢抜けていない女性で、人の見た目に疎い私でもわかるほど醜い見た目をしていました。ぼさぼさで長さだけは女性らしいギトギトの髪を後ろで一つ結びにしたヘアスタイル、整えられていない、ナメクジほどはありそうなまゆげに、ニキビが所狭しと並んでいる頬。どれをとっても美しさの反対を行く彼女。その特徴的な顔だが、特に記憶に残ることはない印象の薄い顔でもある。思い出そうとしてもパーツしか浮かばず、彼女の顔を見て答え合わせをするまでは、どうも落ち着かない。そんな顔をしている。彼女はギターを弾くらしく、Vignette柄の特徴的なギターを持っている。私は彼女の名前を聞いたが、人の名前を覚えるのは苦手で、私がヴィーネという名前を付けることでどうにか二度彼女の名を聞くことはなく過ごせている。私もギターを弾くのだが、彼女と被るので合わせをするときは専らベースを持っている。今日の昼放課は何をするか迷っているところ、ヴィーネが部室に入ってきた。なにやら手荷物を持っているようだ。わたしはそれを指さし、何か訊ねると、彼女はそれが、映画のDVDであること、今日から私と毎日一作品みたいことを聞き取りづらい小さな声で伝えてきた。私は映画や小説の類は好きだし、クラスの奴らよりはくだらない質問をしないヴィーネを気に入っていたので、これを承諾した。結局昼放課は時間がないため、軽くお互いに自由にギターを弾いて、終わった。学校が終わり、部室に集まった。時間は十分なのでそれから二人で映画を視聴した。その日見た映画は、無罪で捕まった人間をめぐる名作ヒューマンドラマだった。私はこれを見たことがあったが、そのようにつたえることは野暮だと思ったので、心にとどめた。その映画は何度見ても感動する映画だったが、隣を見るとヴィーネは無表情のままだった。それからヴィーネがもってきたDVD10本を見終わるまでそのような生活が続いた。サイコホラーやサスペンス、邦画のじめったいホラー、アクションからアニメに至るまでヴィーネの持ってきた映画はとても多ジャンルであった。私はそのすべてを見たことがあったため、新鮮さはないまでも、人と映画を見ることはあまりないので、それなりに楽しんでいる自分がいて、それに驚いた。10本の映画を見終わった次の日はまたヴィーネが新しいDVDを持ってきた。ある日ヴィーネは私が見たことのない、とある洋楽バンドのドキュメンタリー映画を持ってきた。私は部室で初めて涙をこぼした。その映画が特段感動する訳でもなかったが、その映画の主人公が野良犬にかみつかれるという、どうでもいい場面で涙を流した。隣を見ると相変わらずヴィーネは無表情だった。私は人前で泣いたこと自体、小学生から辿れば初めてのことで、その日はばつが悪く、すぐに帰路に就いた。家に着くと久しぶりに母親と会話をした。20年前から全線をキープしている海外のロックバンドが12年ぶりに日本にパフォーマンスをしに来ることについてだった。ロック趣味は高校では趣味が悪く、話す相手がいないので仕方なくこの手の話題は母親に振ることが多い。私は興奮して20年海外で全線を張る難しさを説いていたと思う。そこでボーカルが他界して、勢いの衰えたバンドを例に出すなどして、話していると、母親は、そのバンドのボーカルは募集をしていて代替わりしていることを話してきた。私は
「代替わりしても前線をはれてないよね。」というと
「話を聞いて。」と母親は壊れたおもちゃのように繰り返しだしてしまった。煩いおもちゃは壊すに限るが、あくまで比喩であり、母親を壊すことはできなかった。代わりに、
「君は、知識を自慢したいばかりに私の当初の話題から逸脱したことを語りだした自覚はある。」と問いただした。母親は黙ったが、壊れてはいないだろう。涙が機能しているようだったのがその証拠だ。私が女は総じて頭が弱い傾向にあると思うのは、自分の周りだけを対象にした偏ったデータであるが、そのデータにまた少し信憑性が増した。
私は次の日も変わらず生活しているが、周りは違うようだった。いつもの数倍の人数が私に勉強の教えを乞うてくる。そこで期末テスト前のテスト習慣なのだと悟った。定期的に来る繫忙期のようなものだ。私のお給料は2倍にでも100倍にでもなる。元が0円なのだから当たり前だ。これすらもわからないやつがこの時私の周りの5割は占めていただろう。退屈な学校が終わり、部室に行く。テスト習慣なので部室は開いていなかった。こんなに部室が恋しくなることはなかったので、完全に失念していた。無気力状態のまま私は期末テストを受けた。日々の積み重ねがあるので順位は相変わらず一桁だった。まわりは赤点があるかないかで一喜一憂している。私もいちおう赤点を心配するふりをして道化を演じて見せる。周囲を見下していることは悟られてはいけないと思った。テストが返却されると必ず私の点数に皆が注目する。私にとってそれは当たり前のことで、注目に値するかは疑問だったが、周りのレベルを理解してからはその疑問は驚くほど簡単に解くことができた。先生も私の答案にVery goodなどと幼稚な誉め言葉を書くのであって、私には程度の低い人間に見える。私の心内はどうであれ、私の行動は、周囲に勉強を教え、自身はおどけながらも高得点を出し、威張らない。というものであり、テストも私にとっては信頼を厚くするだけのイベントにすぎなかった。テストが終わったので、私は部室に足を運ぶ。私より先にヴィーネは部室に入っていた。テストの点数などは聞いてこないので、ヴィーネが周りとは違うことに安心感を覚える。恋愛感情は産まれてこの方抱いたことはないので、比較できているかは定かではないが、恋愛とも友情とも違う信頼感が彼女には芽生えていた。その日も彼女の手には一本のDVDが握られていた。その映画を見ながら、私がヴィーネに抱いている感情は映画や小説へ向けるそれに近いと感じた。映画や小説は利権などか入り混じるテレビとは違い、監督、作者だけの世界をのぞかせてくれる・そのようなその人間一人の中身をのぞけるような皮をかぶっていないような、むき出しのアイデンティティで話しているようなそのような感じだ。つくづく私とは違うとは思うが、私が真に望むのはそのような関係なのだとも感じた。次の日から私はロック趣味を隠さないようになった。あのような特に会話も交えない人に私という人間のペルソナをはがされるとは思っていなかった。その日は特に楽しかったのを覚えている。ロックが好きな人も私以外にいることを実感した。いい暇つぶしになりそうな会話相手も見つけた。私は次第に映画を見る本数が減っていった。会話相手に紹介されるロックバンドを聞くのに夢中だったからだろう。その曲を部室で聞くこともなかった。ヴィーネはロックバンドにさして詳しくないので仕方がない。それから1か月もたたないうちにヴィーネの存在を忘れてしまっていた。会話相手はロックにおいては趣味があったし、勉強もそれなりにできるようで、程度の低い質問はしないので、いい暇つぶしになった。だんだんと気の緩んでいく私は会話相手に小説を読むことも話した。彼は小説をナードと馬鹿にしてくるが、私はその場限りの茶化しだと思っていた。しかし次の日から私は会話相手を失った。理由はだれの目に見ても明らかだった。私の机に「小説を読むナード」と書かれているのだから。私は一瞬いじめを危惧したが、そんなわけもなかった。しかし、ロック趣味をさらけ出した私は徐々に浮いていたらしく、前ほど人は寄り付かなくなった。9月の空気が肺いっぱいに入る。寒いような不安になるような空気だ。女が、私に数学の問題を聞いてきた。円錐の体積の時の女だ。私はそこで心理学の一説を思い出した。人は共通の敵がいると一致団結するらしい。私は次の日からクラスの騒がしい類の女の中でもひときわ騒がしい女に嫌がらせを始めた。誰の仕業かわからないように狡猾に。はじめはロッカーの教科書を一冊盗んだ。次第にエスカレートし2週間で上靴に画びょうを仕込むところまで行った。その嫌がらせの時に、ちょうど円錐の体積のメスを下駄箱に呼び出し、濡れ衣を着させることにした。画びょうの嫌がらせに至るまでの2週間の間にも女性もののヘアピンや、ハンカチを落としておいたので馬鹿な女ならすぐに疑うだろう。結果的にクラスの共通の敵ができた。あとはリーダーをどう私にするかだが、これは簡単だ。先生からの信頼を利用して何度も、先生からみんなが怒られないようにした。そこからは私は中心に戻ったし、それを見た先生はより一層私に信頼を置いた。気持ちよく深呼吸する、かすかに金木犀の香りがする。これをきっかけに他クラスでもいじめが起きだしたらしい。私には関係ないが、軽音楽部の子もいじめにあっていたとか。私がその存在がヴィーネだと気付いたのは高校を卒業してしばらくたってからだ。というより気づいていても見ないふりをしていたのだと思う。私はいじめをついに約半年の間隠し通したまま卒業した。学校の模範生徒として推薦を受けて、東京の名門私立大に合格した。そして大学生活中信頼関係を築きながら楽に、平穏に暮らすためにペルソナをかぶり直し送っているうちにこの記憶を閉じでカギをした。そこでヴィーネがいじめられていたことを思い出し、仕方ないことだと割り切った。この時の私には馬か鹿を虐げた記憶はあれど、それの理由については憶えていない。
頬に敷布団の感覚がした。私はどうやら無意識下に家まで帰りドアを開け、寝てしまっていたようだ。私は朝風呂に入る。入浴と朝食を済ませると社会人のマナーである身だしなみを整える。髪や髭など気を付けるところは沢山ある。家を出ると肺いっぱいに金木犀の香りが入ってくる。今日も私は理由もわからず感傷に浸る。
最後まで読んでいただきありがとうございます。嫌なことからは率先して目をそらしましょう。心の平穏が一番大事です。命あっての物種。私の好きな言葉。