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ねぇあなたはなんで旅に出たの?ねぇあなたはどおして旅に出たの?  作者: 〜神歌〜
ねぇねぇなんで旅にでたの?ねぇねぇどおして旅に出たの?〜最終章 コネクト 〜
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最終章 第4話 見て欲しかった世界




(プルートが助けてくれたけど

星の力を使い過ぎて

傷を癒せない……


この私が

なんて姿をしているの……)


 ヴィーナスはそう思っていた、それは自らの姿がぼろぼろになってしまった事では無い、足を引っ張ってしまっている事にヴィーナスは惨めさを感じていたのだ。


(だめよ……

ここで終わる私じゃないっ!)


 ヴィーナスは自らに言い聞かせ、気力を振り絞り僅かにだが僅かにだが、その星を強く輝かせる。



(ヴィーナス

あのままじゃ……)



 ステラが気付いた、ヴィーナスの体にかなりの負担がかかり続けている、ただでさえ星の力を使えない程の傷を負っているのにも関わらず、星の力を振り絞ろうとしている。


 だがその反動だろうか、身体中の傷口から金色の粒子が溢れ出している、ステラはある条件下での精霊の死を思い出していた。



 そのステラが思い出していることがアル・スハイルの頭に流れ込み、アル・スハイルは大きな声で言った。


「シーリスッ!

力を貸すが良いっ‼︎‼︎」


 そしてアル・スハイルは漆黒のアルナイルに斬りかかる、その斬撃は速かった、ダークマターを遮断される前と変わらない速さを誇った。



「なにっ!

なんでそんな動きが出来るのっ‼︎‼︎」



 漆黒のアルナイルが戸惑いその斬撃を紙一重で躱し大きな声で言った。


 漆黒のアルナイルを追い詰める様にアル・スハイルが攻め立てる、その斬撃には強い想いが込められていた。


(ヴィーナス

無駄にはせぬっ

そなたを救う為に

余がケリをつけてくれるっ‼︎‼︎)


 アル・スハイルはヴィーナスが死ぬ前に、漆黒のアルナイルの剣を再び折ろうとしていた、一度失敗し今度はアル・ムーリフのサーベルも失うかも知れない、だが必死にアル・スハイルに応えようとするヴィーナスをアル・スハイルは救いたかったのだ。



(あのド阿呆など待っておれぬっ!)



 アル・スハイルはガイアを待たずに全力で斬撃を放ち続ける。


「どうやって……」


 漆黒のアルナイルは明らかに格下のアル・スハイルに追い詰められていく、その力の秘密を探ろうとしていた。



 アル・スハイルは体内でシーリスに破壊と争いの力をダークマターに変換させ、取り込んでいたのだ。

 赤が破壊と争いの力を今まで以上に強く送っている、その力は心が真っ黒に染まってしまう程に強力であったが、強すぎる分をシーリスが変換していたのだ。


 アル・スハイルの背後で赤と白い星が光り輝き、アル・スハイルの目つきも鋭く殺気を放ち続けている。


(お姉ちゃんっ!

待ってっ!

このままじゃお姉ちゃんもっ‼︎‼︎)


(黙れっ‼︎)


 アル・スハイルが初めてステラに厳しい言葉を放った。


 それはここで成さなければアトリアロフを救ってくれた恩人を、見殺しにする事になる、アル・スハイルは生まれて初めてアル・ムーリフの言葉を一蹴した。



「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎」



 アル・スハイルが叫び渾身の斬撃を放つ、その鬼気迫る声に漆黒のアルナイルは怯み、僅かに遅れながらもその斬撃を受け止めようと剣を振った。


 アル・スハイルの斬撃を漆黒のアルナイルの剣が受け止めた、二人の力が再びぶつかり合い激しい黒い光が漆黒のアルナイルの剣から放たれ、赤い光がアル・スハイルのサーベルから放たれる。


 ダークマターを絶たれ弱っている漆黒のアルナイルは、今までの様に余裕のある表情はしていなかった。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


 赤が送る破壊と戦いの力、それとも戦う様にアル・スハイルは叫び、漆黒のアルナイルを押し切ろうとしている。


(お姉ちゃん……)


 ステラはアル・スハイルの心が黒く染まって行くのを感じていた、シーリスはダークマターを遮断する為に遠く離れた場所で自らの星を輝かせている、その為に全ての意識をアル・スハイルのフォローに回す訳にはいかなかったのだ、その為に赤が生み出す力を十分に変換出来ずにいた。



(紫……

早く来て……)


 

 ステラが初めて紫の誓いの星を紫と呼んだ。



「やっと呼んでくれたな……」



 ステラの体を使いアル・スハイルの元に向かっている、紫の誓いの星が呟いた。


「あん?

なんか言ったか?」


 隣で銀の翼をはためかせ急いでいるガイアが聞いた。


「気にするで無い急ぐぞガイアっ!」


 紫がステラ体を使い大きな声で言い、全身から紫の光を強く放った。

 そしてガイアの手を取り今までの数倍の速さで飛び始める。


 紫の誓いの星は待っていたのだ、ステラがアル・ムーリフが自分を信じてくれるのを、強く強く何よりも強い信頼を寄せてくれるのを、そして三つある誓いの星中で最も強力だと言える今と言う力を解き放った。



 漆黒のアルナイルはアル・スハイルの剣を押し返そうと足を一歩前に踏み出した、アル・スハイルの目は血走りもはや破壊の力に飲み込まれた様に見えたが、漆黒のアルナイルはその瞳の奥で、アル・スハイルの手を握り必死に闇から救い出そうとしているアル・ムーリフの姿を見ていた。


(お母様が

この力は良く考えなさいって

言ってたのやっと解ったよ……


でも引き返せないよっ‼︎


お姉ちゃんっ!

早く来てっ‼︎‼︎‼︎)


 赤はそう思っていた、今になって力を抑えれば漆黒のアルナイルに押し切られ、アル・スハイルが殺されてしまうのが解っていて、力を弱めることが出来ずに赤も紫の助けを求めていた。


 その時、漆黒のアルナイルの剣と、アル・スハイルの持つサーベルにヒビが僅かに入った。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎」


 漆黒のアルナイルとアル・スハイルの両者が声をあげ、二人ともそのヒビに気付かなかった。


 そして二人の持つ剣とサーベルのヒビは全体に渡り、もはや剣としては砕けているはずだが砕けずに僅かな間オーラを放ち始めた。


 だが同時に二人の剣は砕けた。


 アル・スハイルの持つサーベルは砕けてしまうが、漆黒のアルナイルの持つ黒い稲妻の様な剣の中にある大大星スピカの剣が現れ、その刃がアル・スハイルに迫った。


 その瞬間アル・スハイルの頭に言葉が走った。



(アル・ムーリフ

わたしの大切な妹……

わたしの宝物……


必ずわたしが守るからね

わたしのわがままに付き合ってくれて

本当にありがとう


アル・ムーリフ

頑張るからね)



 それはアル・ムーリフに送ったサーベルに込めた想いであった。



 その瞬間に我を失いかけていたアル・スハイルは正気に戻った様に目つきが戻り、そのスピカの剣を躱そうとせずに前に踏み込み、折れたサーベルを手放して漆黒のアルナイルの懐に入り、その右手で漆黒のアルナイルの腹部を強烈に殴り飛ばそうとした。


 だが打撃は命中したが、漆黒のアルナイルはそれに耐えニタリと笑みを浮かべ頭を上げそのままアル・スハイルに頭突きを入れた。


 それの打撃は重くアル・スハイルは意識を失いそうになり、漆黒のアルナイルは捕らえる様にアル・スハイルの胸ぐらを掴んだ。



「アル…スハイル……」



 サラスが必死に立ち上がろうとしている、その瞳にはヴィーナスを救おうとし、そして大切な友人を救おうとし全力で立ち向かったアル・スハイルとステラの姿を重ね合わせて見ていた。


 そしてアル・スハイルの喉に漆黒のアルナイルはスピカの剣を当てて言った。



「これでおしまい」



 漆黒のアルナイルは十分楽しんだかの様な笑顔で言ったが、アル・スハイルは言った。


「おわら…ぬ……

まだ終わらぬっ‼︎‼︎」


 アル・スハイルはコートに手を入れ、素早くそのコートの中からサーベルを引き抜き、星の力をありったけ込めて漆黒のアルナイルの腹部を切り裂こうとしたが、漆黒のアルナイルは素早く剣を引き抜き、アル・スハイルの首を切り裂こうとした。


 だがアル・スハイルの首は斬られる事なく、漆黒のアルナイルの腹部だけが切り裂かれた。


「なっ‼︎」


 漆黒のアルナイルが声を漏らした、体からブラックホールのオーラを溢れさせ素早く傷を癒やし、素早く体勢を立て直したがアル・スハイルのサーベルが素早く斬りつけて来る。


 そして漆黒のアルナイルはそれを手で掴み一瞬で光で包んで消した。


 それは輝く星アルナイルの技であった。


 そしてアル・スハイルの顔をスピカの剣で貫こうとし突きを放った、その突きは頬を掠め赤い美しい血をアル・スハイルは流したが、素早くその大大星スピカの剣力強く握った。


 その姿を見て漆黒のアルナイルは目を見開いた。


 アル・スハイルの手から血が流れないのだ、アルナイルの意思だろう大大星スピカの剣でアル・スハイルを斬れないのだ。


「ぬしは我が友

輝く星アルナイルを忘れたかっ‼︎‼︎」


 アル・スハイルが叫んだ、アルナイルがアル・スハイルを斬る筈がない、それを言いその体勢のまま強烈な蹴りを再び漆黒のアルナイルの腹部に撃ち込んだ。


 だが漆黒のアルナイルは大大星スピカの剣を離さず、アル・スハイルが手を離し漆黒のアルナイルは飛ばされ大地に叩きつけられる。


 だがそれと同時にアル・スハイルは膝をついた。


「ハァ…ハァハァ……」


 アル・スハイルが息を切らしている、既に全身ぼろぼろで精神的にも真っ黒に染まりそうになった事もあり限界であった。


「このままでは……

何も救えぬでは無いか……


まだ…まだ余は立てる……」


 アル・スハイルはサーベルを杖の様にし立ち上がろうとしているが、体に力が入らない赤も限られたダークマターを使い体を癒そうとするが、満足に変換も使えないでいた。


(お姉ちゃん……)


 赤とステラが同時に呟く。


 星海はダークマターを遮断しようとしている星の輝きが溢れ美しく彩られている、だが漆黒のアルナイルは静かに立ち上がる。


「そうか……」


 アル・スハイルは閉じてしまいそうな瞳で漆黒のアルナイルを見て呟いた。


 ダークマターを遮断する為に多くの者が星を力強く輝かせている、ダークマターを使えない分漆黒のアルナイルはブラックホールを生み出せないが、その輝きを取り込み力に変えていたのだ。


 弱らせることは出来ても、致命的と言えるまでは追い込めて無いことに気付いた。


 アル・スハイルはその現実を見ていた。



「しんどいんだよね

光だけで戦うの……


早く終わらせちゃおうよ

あなたの負けでいいじゃん

私達はあなたに殺されたのよ

星を殺して

私達まで殺して

殺戮を好んでたあなたが


そんなあなたが……


何を救うって言うのよっ‼︎‼︎」



 漆黒のアルナイルは目をむき出しにするかの様に叫び、アル・スハイルに襲い掛かった、アル・スハイルは動けずにいた頭に強い衝撃を受け、身体中のダメージが癒えることなく、ただ引っ越しで立とうとしている。


「余は……」


 迫って来る漆黒のアルナイルから目を離さずに、アル・スハイルは呟く様に言った。



「余は…負けてはならぬ……

屈してはならぬっ‼︎‼︎」



 アル・スハイルは大きな声を出し、その勢いを使い必死に立ち上がろうとした、もはや限界であるが、立ち上がりふらつきそうになりながらもサーベルを漆黒のアルナイルに向けた。


 誰が見ても受け止められる筈がない、躱す事も出来ない姿であったが、アル・スハイルの瞳だけは力強く睨む様に漆黒のアルナイルを見ている。


(あれを止めなければ

アルナイルもヴィーナスも救えぬ


我がアトリアロフも星海も

我がアル・ムーリフも……


あれを止めなければっ‼︎‼︎)


 アル・スハイルは既に気力だけで立っていた、漆黒のアルナイルが迫りスピカの剣を黒いオーラで包んでいく、そしてその剣を振り斬撃の様なオーラを放ち、距離を詰めながら攻撃をして来た。


 アル・スハイルはサーベルを赤く輝かせ受け止めるが、その重みで飛ばされてしまう、身体中の痛みに耐え、着地し血を吐き再び漆黒のアルナイルを睨み膝を着いてしまうが、サーベルを向けた。



(これまでか……)



 アル・スハイルがそう感じた、だがその瞳から戦おうとする意思は消えず漆黒のアルナイルから目を離さなかった。


 その時、誰かが必死で持っているアル・スハイルのサーベルを取り、全身から紫の輝きを放ち漆黒のアルナイルに襲い掛かった。



 アル・スハイルの瞳にアル・ムーリフの姿が写る。


 だがそれはステラだった、やっと紫が辿り着きステラの魂が自らの体に戻り、漆黒のアルナイルに襲い掛かった。


「アル…ムーリフ……」


 アル・スハイルは力尽きる様にそう呟き倒れ込んでしまう。




 漆黒のアルナイルはステラが放つ斬撃を躱し、そして斬りかかるがその斬撃をステラは紙一重で躱す、その美しい髪が僅かに斬られるが素早く蹴りかかる。


 その蹴りを漆黒のアルナイルは躱し、続けて襲って来る斬撃を躱し、ステラの隙を突いて斬りかかろうとした、だが銀色の羽が漆黒のアルナイルを襲い、漆黒のアルナイルはすんでのところでそれも避けると声が聞こえた。



「迎えに来てやったぜ

アルナイルッ」



 漆黒のアルナイルはその声がした方を見る、そこにはガイアが銀色の翼を出した姿で歩み寄って来る。


 その手には白銀を持っている、それはアルナイルがガイアを思い送った剣である。



「初めてじゃねぇか

お前が約束を破るなんて」



 ガイアが微笑みながら言った。



「あなたは誰なのぉ?

なんかこの子が五月蝿いんだけど?」



 漆黒のアルナイルが言った、見るとスピカの剣が輝きその剣を包んでるオーラから銀色の優しい光が漏れ出している。



「アルナイルッ!」



 ステラが呼ぶと更に強く光輝いている、だが漆黒のアルナイルが手を添え黙らせる様により強いオーラで包み込んでしまう。



「俺はガイア


悪いけどさ

そろそろ勘弁してやってくんねぇか?

お前が嫌いなアル・スハイルも

のびちまってるじゃねぇか

もう気はすんだろ?」



 ガイアがそう言い、アル・スハイルに目を向ける、アル・スハイルは倒れたままそれを聞いていた。


(この阿呆が……)


 アル・スハイルはそう心で呟き、立ち上がろうとしている。


(無理しないで……

ヴィーナスはもう大丈夫です


お姉ちゃんが

ヴィーナスの時を止めてくれてます

私が傷を癒しますから

無理をしないで……)


(アル・スハイル

その目でヴィーナスを見なさい

心配しなくて大丈夫だから)


 赤が言いシーリスがそう言ってくれ、アル・スハイルはヴィーナスに任せた方を見ると真っ青な輝きがあった。


「あれは……」


 アル・スハイルが小さな声でか細くいい、ヴィーナスを見ると、命を落とす直前の様な姿をしたヴィーナスが真っ青な輝きを放つ誰かに抱き抱えられている。



「アル・スハイルが見ているぞ

ネプチューン……」



 その者は何者かにそう言われて呟いた。



「我が兄妹の不始末

我らにも

償わせてくれ

アル・スハイル」



 ネプチューンは聞こえないと解っていたがそう言った。

 アル・スハイルはそれを読唇術で読み解き小さく微笑んだ。



 アル・スハイルでも呼び寄せることが出来ない程遠くにいる、セプテントリオの直系である大星ネプチューンが駆けつけてくれていたのだ。


「父上も人が悪い……

星海術などこの様に面白い術を

我らにも黙っていたとは」


 姿を見せない何者かが言った。


「ウラヌス

なぜお前は来ない

ヴィーナスの為だと思わないのか?」


 ネプチューンが言ったが、その先の会話を読み解くことがアル・スハイルは出来なかった。

 アル・スハイルはヴィーナスの兄妹が来てくれ僅かな安心を覚え、ガイアとアル・ムーリフに後を任せる様に気を失ってしまった。


 そしてやっとアル・スハイルが考えていたダークマターの遮断が、完璧に機能し始め。



「これ以上私達が居ても

足手纏いになるわね

セプテントリオ動ける?

離れるわよ」



 メビウスがサラスに言ったが、サラスは立ち上がり離れはするが、その大地から飛び立とうとはしなかった。


「メビウス

わしは見届けなくてはならん

このまだ先が見えぬ未来を……」


 サラスはそう言った。


「サラス……」


 メビウスはサラスがステラを見守ろうとしているのに気付いた、先程まであった僅かなダークマターを使い、立てる程にまで傷は癒され気を失っているアル・スハイルの元に行き、優しく抱き上げて言った。



「無理をさせてしまいました


姫君……


何事も無ければ

さぞお優しい姫君に

なられたはずでしたな……」


 サラスが優しく気を失っているアル・スハイルに言った、その言葉からアル・カストルに出会うまで、大大星でありながら星海に無関心だった自らを、悔やんでいる様子が伺えた。


「仕方ないわね

私も付き合うわ……

もう少しだけ離れましょう」


 メビウスもその大地に舞い降り静かに言い、サラスと共にガイア達のこれから始まる戦いに巻き込まれない様に離れて行く。


「お母様……」


 赤が姿を表しメビウスを読んだ。


「あなたも強くなったわね

後は紫に任せればいいわ


あの子は今と言う時を

私よりも操れるのよ……

あなたも良く見ていなさい……」


 メビウスが言った、その言葉に赤は嬉しさと同時に驚いていた、姉である紫の誓いの星が、一点においてはメビウスを超えていると言うことであった、大大星を超える力を持つ様にしか赤には聞こえなかった。




「うーんっと

それもいいけど……」



 ガイアの言葉に漆黒のアルナイルがそう言い、漆黒の剣をくるくるとふざける様に回しながら言った。



「わたしがぜぇぇぇぇんぶ

飲み込んでから許してあげるっ!」



 そして素早くガイアに向かって走り斬りかかって来た。



「そっか…おまえとは……

戦いたくねぇんだけどなっ‼︎‼︎」



 ガイアが叫び漆黒のアルナイルの剣を左手に持ち替えた白銀で弾き、右手を鋼の拳に変え素早く殴り飛ばした。


 漆黒のアルナイルはその動きの速さに一瞬だが戸惑ったが、ガイアとステラが星海人では無いと言うことに直ぐに気付いた。



 漆黒のアルナイルは左手を振り光を放ち、ガイアとステラを一瞬だけ照らして言った。



「空気が

気圧と重力が

どこから……」



 漆黒のアルナイルは二人に触れた光が僅かに変化したのに気付いて読み取った、ガイアとステラだけに必要な酸素が与えられ重力が作用していたのだ。


 ガイアは素早く追撃を入れるために走り込み、その拳で漆黒のアルナイルを殴り飛ばそうとしている。


 そのガイアに向けて漆黒のアルナイルは左手を向け黒いオーラを出し、そのオーラから光線を放つ、ダークマターを遮断され吸収した光でしか攻撃できない様であった。


 その光線をガイアは避けずに、顔面で受け頭が砂になり吹っ飛ぶが、首から砂が吹き出し再生した様に見えた。


「化け物っ‼︎‼︎」


 漆黒のアルナイルが言う。


「はいはい」


 ガイアはそう適当に答えて漆黒のアルナイルを殴ろうとした。


パンッ‼︎‼︎


 だがガイアは拳でなく手のひらで思いっきり引っ叩いた。


「なっ!」


 漆黒のアルナイルが戸惑いの声をあげた。


「やっぱり殴りたくねぇからなっ‼︎‼︎」


 ガイアが言ったがメビウスは思った。



(同じじゃ無い?)



 漆黒のアルナイルは侮辱されたと感じ、剣でガイアに斬りかかった。


 ガイアは素早く紫月を持ちそれを受け止めた、そして白銀で漆黒のアルナイルの腹部を斬り裂く。


 その傷口から漆黒のアルナイルは暖かい温もりを感じた、その傷口を直ぐに黒いオーラが包み傷を癒やしてしまうが漆黒のアルナイルは痛みでは無い温もりを感じていた。


 そして漆黒のアルナイルは再びガイアに斬りかかるが、素早くガイアは躱し銀色の翼から大量の羽を飛ばし、漆黒のアルナイルの身体中にそれが突き刺さる。



「なっ……

なんで痛く無いのっ‼︎‼︎」



 漆黒のアルナイルが戸惑い始めている。


 その隙にガイアが再び漆黒のアルナイルを白銀で斬り裂く、だが漆黒のアルナイルは痛みは感じずにその傷口から優しい温もりを感じていた。


「これがアルナイルの気持ちなんだよ」


 ガイアが言い、漆黒のアルナイルは切り裂かれた傷口を覆うオーラから光線を放ち、反撃をするが、ガイアはそれを躱した。


「わかんねぇか……

なんでアルナイルがお前を

ブラックホールで消さなかったか


あの剣に封じ込めてたか

考えてみろよっ‼︎‼︎」


 漆黒のアルナイルはガイアにそれを言われ、更に戸惑った、アルナイルの力なら憎悪と怨念と言える、アルナイルの体を乗っ取った者を消し去る事も可能であった、だがそれを大大星スピカはしなかったのだ。



「見て欲しかったんだよっ!


お前にっ‼︎‼︎


争いが無くなった

本当に綺麗な星海をっ‼︎

この世界をっ‼︎‼︎」



 ガイアが大きな声で叫、アルナイルのスピカの気持ちを伝えようと白銀で斬りかかった。

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